
ポガチャルがアルプデュエズで歴史的登坂 ステージを制して総合優勝へ前進|ツール・ド・フランス2026
福光俊介
- 2026年07月25日
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ツール・ド・フランス2026はアルプス山脈を進行中。今大会の最終決戦となるアルプス3連戦、第19ステージからは名峰アルプ・デュエズでの2連戦を迎える。“アルプ・デュエズ初戦”は、マイヨ・ジョーヌを着るタデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ・XRG)が圧倒的な走り。逃げを単独で追いかけると、フィニッシュ前800mでのアタックで決定打。今大会5勝目、通算26勝目は、ツール史に残るであろう激走だった。
衝撃で迎えられたアルプ・デュエズ2連戦がついに
第18ステージから始まったアルプス3連戦。1級山岳オルシエール・メルレットを上った前日は、リチャル・カラパス(EFエデュケーション・イージーポスト、エクアドル)が勝利。ポガチャルら個人総合上位陣は大きな動きを見せず、アルプ・デュエズに備えた。
その秀峰が最後にそびえる第19ステージ。翌日の第20ステージを含め、2日連続でフィニッシュ地を務める異例さに、昨年10月のコースプレゼンテーションでは大きな驚きで迎えられた。ついにやってきたらレース当日。どんなドラマが待っているか。

ギャップの街をスタートしたプロトンは、幾度かの出入りから30人近い選手たちが先頭グループを形成。その流れから、1つ目のカテゴリー山岳である2級のコル・バイヤールに入ると、ヴァランタン・パレパントル(スーダル・クイックステップ、フランス)とカラパスが山岳ポイント争い。V・パレパントルが先着し、この時点でバーチャルながら山岳賞首位に立つ。
やがて先頭グループは42人まで膨らんで、続く1級山岳コル・デュ・ノワイエへ。ここもV・パレパントルが1位通過。カラパスも2番手で続いた。その後はしばらく高低の変化が少ない道を行き、89.4km地点に設けられた中間スプリントポイントへ。この日も先頭グループに加わったマッズ・ピーダスン(リドル・トレック、デンマーク)が1位通過に成功し、得点を加算させた。

一方、メイン集団では、ピナレロ・Q36.5プロサイクリング チームやレッドブル・ボーラ・ハンスグローエが牽引して、最大4分以上に広がった先頭グループとのタイム差を縮小させる。3つ目の上りである2級山岳コル・ドルノンでは、先頭グループ、メイン集団ともに人数が絞られていった。
大観衆の中を突き進んだポガチャル
超級山岳アルプ・デュエズは登坂距離13.8km、平均勾配8.1%、最大勾配11.5%。21ものヘアピンコーナーを抜けながら、長く険しい上りをこなしていく。コースには数日前から観客が集まっており、レース前からかなりの盛り上がり。大観衆の中を選手たちは駆け抜けていくことになる。
先頭グループではセップ・クス(チーム ヴィスマ・リースアバイク)がペースを上げると、ついていけたのはカラパスとレニー・マルティネス(バーレーン・ヴィクトリアス、フランス)のみ。3人逃げになると、カラパスがステージ2連勝をかけて繰り返しアタックし、それをマルティネスがすかさずチェックする流れが続く。クスはテンポで追いかけながらチャンスを測る。その後ろでは、ポガチャルがアルプ・デュエズの入口からペースアップ。前待ちしていたアダム・イェーツ(イギリス)と合流しアシストを受けながら進んでいく。

アタックとチェックを繰り返した先頭の3人だったが、互いを見合う時間も長く、完全にペースに乗ったポガチャルがグングンと迫る。上り始めに2分以上あったタイム差は数十秒まで縮まり、追いつく可能性が高まっていく。
興奮する大観衆を縫いながら進む選手たち。ポガチャルがすぐ後ろに迫っていることが分かると、カラパスがフィニッシュ前3kmでアタック。マルティネスとクスを引き離し、ステージ2連勝をかけて懸命に逃げる。しかし、ポガチャルは動じることなくカラパスとの差を詰めて、残り1.8kmでついに追いついた。すぐにポガチャルが仕掛けたが、これはカラパスらが読んでいて決定打にはならない。
勝負が決まったのは残り800m。ポガチャルがここまで残してきた脚を見せつけるかのようにスピードを上げると、誰も追随できない。最後の最後に独走に持ち込んだポガチャルが、大歓声の中を走って、アルプ・デュエズ一番登頂を果たした。

アルプ・デュエズ最速記録を大幅更新
今大会5勝目、ツール通算26勝目としたポガチャル。今回のアルプ・デュエズ登坂タイムは35分26秒で、30年前にマルコ・パンターニが記録した36分40秒を大幅更新。
圧倒的な走りによって、個人総合争いのライバルとの差をさらに拡大。2位のレムコ・エヴェネプール(レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ、ベルギー)とは7分11秒として、パリでのマイヨ・ジョーヌに大きく前進した。

また、ステージ3位で終えたカラパスはたびたびの山岳逃げが利いて、山岳賞争いで首位浮上。ポガチャルとは1点差で、残り2日間でジャージ確定を目指す。
翌25日に行われる第20ステージは、アルプス3連戦、そしてアルプ・デュエズ2連戦の最後。4つの大きな上りのうち、3つが標高2000m級の超級山岳で、残る1つも1級山岳。今大会最高標高地点となる2642mのテレグラフ峠が中間地点過ぎに待ち受けている。各賞争いや個人総合順位を決める実質最後の1日。このステージをこなせば、あとはパリへ行くのみだ。
ツール・ド・フランス2026 第19ステージ 結果
1 タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ・XRG、スロベニア)4:26:21″
2 レニー・マルティネス(バーレーン・ヴィクトリアス、フランス)+0’06”
3 リチャル・カラパス(EFエデュケーション・イージーポスト、エクアドル)+0’09”
4 セップ・クス(チーム ヴィスマ・リースアバイク、アメリカ)+1’14”
5 トビアス・ヨハンネセン(ウノエックス・モビリティ、ノルウェー)+2’07”
6 レムコ・エヴェネプール(レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ、ベルギー)+2’29”
7 イサーク・デルトロ(UAEチームエミレーツ・XRG、メキシコ)+2’41”
8 マティアス・スケルモース(リドル・トレック、デンマーク)+2’45”
9 ポール・セクサス(デカトロン・CMA CGM チーム、フランス)ST
10 アロルド・テハダ(XDS・アスタナ チーム、コロンビア)+3’22”
個人総合成績
1 タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ・XRG、スロベニア)67:53:00
2 レムコ・エヴェネプール(レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ、ベルギー)+7’11”
3 イサーク・デルトロ(UAEチームエミレーツ・XRG、メキシコ)+9’42”
4 ポール・セクサス(デカトロン・CMA CGM チーム、フランス)+10’06”
5 レニー・マルティネス(バーレーン・ヴィクトリアス、フランス)+13’00”
6 マティアス・スケルモース(リドル・トレック、デンマーク)+13’09”
7 フアン・アユソ(リドル・トレック、スペイン)+15’58”
8 リチャル・カラパス(EFエデュケーション・イージーポスト、エクアドル)+21’15”
9 トーマス・ピドコック(ピナレロ・Q36.5プロサイクリング チーム、イギリス)+21’30”
10 ジョルダン・ジェガット(トタルエネルジー、フランス)+23’21”
ポイント賞
マッズ・ピーダスン(リドル・トレック、デンマーク)
山岳賞
タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ・XRG、スロベニア)
ヤングライダー賞
イサーク・デルトロ(UAEチームエミレーツ・XRG、メキシコ)
チーム総合成績
リドル・トレック
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