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ポガチャルがヴォージュ山脈征服 今大会4勝目で総合リードを拡大|ツール・ド・フランス2026

タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ・XRG、スロベニア)がヴォージュ山脈の難コースを完全征服。ツール・ド・フランス2026第14ステージは現地7月18日に行われて、ポガチャルが今大会4勝目。第2週ヤマ場のひとつに挙げられていた山岳コースをモノにし、総合リード拡大に成功している。

ヴォージュ山脈の山々が舞台

前日17日に行われた第13ステージで、フランス北東部のヴォージュ山脈に足を踏み入れたプロトン。続く第14ステージはさらに深い山道へと入っていき、選手たちは登坂力を試される。

155.3kmのコースは、4つのカテゴリー山岳のうち3つが1級の上り。前半でヴォージュ山脈最高峰・標高1336mのグラン・バロン(登坂距離21.5km、平均勾配4.8%)、中間地点を過ぎてバロン・ダルザス(8.9km、6.9%)、そして終盤に初登場のコル・デュ・アーグ(11.2km、7.3%)にトライする。獲得標高は3800mで、大会第2週でもとりわけ重要な1日と目される。

© A.S.O./Thomas Maheux

スタート地ミュールーズを出発する段階では強い雨が降ったが、徐々に天候は回復。レース序盤は12.6km地点に置かれた中間スプリントポイントを見据え、スプリンターを擁するチームがコントロール。ポイントをかけた勝負はヤスペル・フィリプセン(アルペシン・プレミアテック、ベルギー)が先着。マイヨ・ヴェールを着るマッズ・ピーダスン(リドル・トレック、デンマーク)が続く。これにより、両者のポイント差は36点となっている。

直後にグラン・バロン登坂に入り、24人が集団から抜け出す。リーダーチームのUAEチームエミレーツ・XRGが無理に抑えにいかなかったこともあり、タイム差は早い段階で1分を超える。先行を許された選手たちの間でも繰り返し動きがみられて、グラン・バロン頂上手前で加速したヴァランタン・パレパントル(スーダル・クイックステップ、フランス)とリチャル・カラパス(EFエデュケーション・イージーポスト、エクアドル)が新たな逃げの態勢に。下りでベン・ヒーリー(EFエデュケーション・イージーポスト、アイルランド)、トビアス・ヨハンネセン、アンデシュ・ヨハンネセン(ともにウノエックス・モビリティ、ノルウェー)の3人が合流する。

© A.S.O./Thomas Maheux

先頭5選手はメイン集団に対して1分45秒前後のタイム差でリードを続け、2級山岳コル・デュ・パージュ、1級山岳バロン・ダルザスをクリア。どちらもV・パレパントルが1位通過。山岳ポイントを加算し、バーチャルで同賞の首位とする。

狙いすましたアタックでライバルを引き離したポガチャル

バロン・ダルザスを通過した後に逃げ残りの選手たちを捉えたメイン集団は、少しずつ先頭ライダーとの差も縮めていく。UAEチームエミレーツ・XRGがコントロールを続け、前の選手たちを確実に射程圏に捉える。

フィニッシュまで残り20kmを切ると、いよいよコル・デュ・アーグへ。集団はデカトロン・CMA CGM チームやチーム ヴィスマ・リースアバイクのアシスト陣が入れ替わりながら牽引。先頭グループではカラパスがアタックし、逃げ切りの可能性に賭ける。

© A.S.O./Thomas Maheux

しかし、ここまで来ると個人総合上位陣がそろった精鋭グループの勢いが完全に上回っている。残り9kmとなったところでT・ヨハンネセンがカラパスに追いつき、ほどなくして精鋭メンバーたちが2人をパスした。

いよいよトップライダーたちによる勝負が本格化。個人総合2位につけるヨナス・ヴィンゲゴーハンセン(チーム ヴィスマ・リースアバイク、デンマーク)がしばし先頭に立ち、ペースを上げていく。そして、残り7.5kmで大きな局面がやってくる。10%近い急勾配となったところでポガチャルがアタック。ヴィンゲゴーが一瞬反応したが、テンポでの追走を選択。ポガチャルは頂上が近づくと、さらに踏み込んで後続との差を拡大。コル・デュ・アーグを一番に越え、フィニッシュへと急ぐ。約25秒差でヴィンゲゴーが続き、頂上通過と同じタイミングでポール・セクサス(デカトロン・CMA CGM チーム、フランス)が追いついた。

© A.S.O./Charly López

ポガチャルはフィニッシュ前の短い下りも問題なくこなし、ハイペースのまま大観衆の待つル・マルクシュタインへ。残り100mで勝利を確信し人差し指を突き上げると、体いっぱいに喜びを表してステージ優勝の瞬間を迎えた。

フランス期待のセクサスがマイヨ・ブラン

ポガチャルは今大会4勝目。マイヨ・ジョーヌをキープするに文句なしの走りを見せた。「過去最高のコンディションにある」と公言し、高いチーム力を生かしながら順調にトップを走り続けている。この日ヴィンゲゴーが44秒差でのフィニッシュとなったことから、総合タイム差は4分30秒に拡大している。

© A.S.O./Thomas Maheux

歓喜のポガチャルから38秒後、チームメートのイサーク・デルトロ(メキシコ)が2位でフィニッシュ。コル・デュ・アーグで一度遅れたが、最終盤にペースを上げて順位アップ。最後はセクサスとのスプリントに先着した。

このステージを終えて、個人総合上位陣の順位に変動が。ステージ3位のセクサスがボーナスタイムも生かして4位に浮上。フアン・アユソ(リドル・トレック、スペイン)に代わり、ヤングライダー賞のマイヨ・ブランに袖を通している。

大会第2週は残り1日。第15ステージは、ツール初登場の峠である超級山岳プラトー・ド・ソレゾンの頂上を目指す183.9km。前哨戦のツール・オーヴェルニュ・ローヌ・アルプではおなじみの山で、今年6月に行われたときはデルトロが独走勝利。登坂距離11.3km、平均勾配9%の難ルートで大一番を迎える。

© A.S.O./Thomas Maheux

ツール・ド・フランス2026 第14ステージ 結果

1 タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ・XRG、スロベニア)4:00:07
2 イサーク・デルトロ(UAEチームエミレーツ・XRG、メキシコ)+0’38”
3 ポール・セクサス(デカトロン・CMA CGM チーム、フランス)ST
4 ヨナス・ヴィンゲゴー(チーム ヴィスマ・リースアバイク、デンマーク)+0’44”
5 レムコ・エヴェネプール(レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ、ベルギー)+0’48”
6 フアン・アユソ(リドル・トレック、スペイン)+0’50”
7 フロリアン・リポヴィッツ(レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ、ドイツ)ST
8 リチャル・カラパス(EFエデュケーション・イージーポスト、エクアドル)+1’18”
9 トビアス・ヨハンネセン(ウノエックス・モビリティ、ノルウェー)+1’40”
10 マティアス・スケルモース(リドル・トレック、デンマーク)ST

個人総合成績

1 タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ・XRG、スロベニア)51:18:28
2 ヨナス・ヴィンゲゴー(チーム ヴィスマ・リースアバイク、デンマーク)+4’30”
3 レムコ・エヴェネプール(レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ、ベルギー)+5’04”
4 ポール・セクサス(デカトロン・CMA CGM チーム、フランス)+5’19”
5 フアン・アユソ(リドル・トレック、スペイン)+5’22”
6 フロリアン・リポヴィッツ(レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ、ドイツ)+5’44”
7 イサーク・デルトロ(UAEチームエミレーツ・XRG、メキシコ)+5’50”
8 マティアス・スケルモース(リドル・トレック、デンマーク)+7’35”
9 トーマス・ピドコック(ピナレロ・Q36.5プロサイクリング チーム、イギリス)+7’59”
10 レニー・マルティネス(バーレーン・ヴィクトリアス、フランス)+8’25”

ポイント賞

マッズ・ピーダスン(リドル・トレック、デンマーク)

山岳賞

タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ・XRG、スロベニア)

ヤングライダー賞

ポール・セクサス(デカトロン・CMA CGM チーム、フランス)

チーム総合成績

リドル・トレック

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PROFILE

福光俊介

福光俊介

サイクルジャーナリスト。サイクルロードレースの取材・執筆においては、ツール・ド・フランスをはじめ、本場ヨーロッパ、アジア、そして日本のレースまで網羅する稀有な存在。得意なのはレースレポートや戦評・分析。過去に育児情報誌の編集長を務めた経験から、「読み手に親切でいられるか」をテーマにライター活動を行う。国内プロチーム「キナンサイクリングチーム」メディアオフィサー。国際自転車ジャーナリスト協会会員。

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サイクルジャーナリスト。サイクルロードレースの取材・執筆においては、ツール・ド・フランスをはじめ、本場ヨーロッパ、アジア、そして日本のレースまで網羅する稀有な存在。得意なのはレースレポートや戦評・分析。過去に育児情報誌の編集長を務めた経験から、「読み手に親切でいられるか」をテーマにライター活動を行う。国内プロチーム「キナンサイクリングチーム」メディアオフィサー。国際自転車ジャーナリスト協会会員。

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