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ヴォージュ山脈を駆けた第13ステージ シュミットが逃げ切りで初勝利|ツール・ド・フランス2026

ツール・ド・フランス2026の第13ステージが現地7月17日に行われて、レース前半で形成された逃げのグループがそのまま先着。最後はマウロ・シュミット(チーム ジェイコ・アルウラー、スイス)がアロルド・テハダ(XDS・アスタナ チーム、コロンビア)とのマッチアップを制してステージ優勝。ツールでは初めてとなる勝利を挙げた。メイン集団が7分32秒差でフィニッシュしたことで、個人総合上位陣に順位変動。タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ・XRG、スロベニア)のマイヨ・ジョーヌは変わらないが、トーマス・ピドコック(ピナレロ・Q36.5プロサイクリング チーム、イギリス)が4位まで浮上している。

最大57人の先頭グループ

2日連続の平坦ステージを終えて、ここからは山岳地帯へと入っていく。第13ステージは、今大会最長の205.8km。スタートからしばらくは平坦区間が続いて、150km過ぎからヴォージュの山道へ。1級山岳バロン・ダルザス(登坂距離8.9km、平均勾配6.9%)最大の難所。そこからはフィニッシュ地ベルフォールをめがけてのダウンヒルとなる。

© A.S.O./Charly López

前日のステージではフィニッシュ前で大規模なクラッシュが発生。これでフェルナンド・ガビリア(カハルラル・セグロスRGA、コロンビア)とイェノ・ベルクムース(ロット・アンテルマルシェ、ベルギー)が鎖骨を骨折。落車とは関係なくこの日の出走を取りやめたフリッツ・ビーステルボス(チーム ピクニック・ポストNL、オランダ)と合わせて、3人が大会を去ることになった。

ここまでのステージと同様に、リアルスタートからアタックの応酬。ポイント賞のマイヨ・ヴェールを着るマッズ・ピーダスン(リドル・トレック、デンマーク)も攻めの姿勢を見せている。一時は5人が数十秒のリードを得たが、30km地点を手前に集団がキャッチ。仕切り直しとなったところで、大多数のチームから選手が送り込まれた先頭グループが形成され、そのままリードを拡大していく。さらに人数が増えていき、最大37人に膨らんだ。

なおも前を目指す選手たちが追走グループを形成し、こちらも20人となる。50km近く追いかけ続けた末に先頭グループへと合流。全出走ライダーの3分の1近い、57人がレースをリードすることとなった。

© A.S.O./Charly López

137.8km地点に設置された中間スプリントポイントでは、マイヨ・ヴェールを争う3人がスプリント。ヤスペル・フィリプセン(アルペシン・プレミアテック、ベルギー)が1位で通過して、ピーダスン、ビニヤム・ギルマイ(NSNサイクリングチーム、エリトリア)の順で続いた。

下りで抜け出したシュミットとテハダの一騎打ちに

ヴォージュ山脈の登坂区間に入り、3級山岳コル・デ・クロワではピナレロ・Q36.5プロサイクリング チーム勢が先頭グループのペースを上げる。総合タイム差11分49秒で10位につけるトーマス・ピドコック(イギリス)で狙う構え。この山の頂上を通過する頃にはメイン集団と8分近いリードを得ており、さらなる上位進出が見込める状勢に。

© A.S.O./Charly López

このステージ最難関の1級山岳バロン・ダルザスに入ると、ケヴィン・ヴォークラン(ネットカンパニー・イネオス、フランス)のアタックをきっかけに6人が追随。ピドコックらも後に合流して、先頭は9人まで絞られる。頂上が近づいてきた残り31kmではピドコックがアタック。そのまま頂上を1位通過して、長いダウンヒル区間へと突入した。この段階でメイン集団との差は8分15秒。

下りで先頭合流した選手も含め、10人がリードして終盤戦へ。フィニッシュまで16kmとなったところでシュミットとテハダが抜け出して、そのままリードを広げていく。完全にペースに乗った2人は後続を引き離してフィニッシュまでのルートを急ぐ。後方ではヴォークランやマキシム・ファンヒルス(レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ、ベルギー)らがアタックするが、2人までは届かない。20秒ほどのリードを持って、先頭2人はフィニッシュ前へとやってきた。

残り500mでシュミットが前に出て、テハダを見ながら最終ストレートへ。残り200mでテハダが先にスプリントを開始すると、シュミットも反応。両者のマッチアップは、わずかにシュミットが先着。長い逃げを実らせてツール初勝利を挙げた。

© A.S.O./Charly López

ピドコックが大幅に総合順位を上げる

26歳のシュミットは今季好調で、これが5勝目。グランツールの勝利は2021年のジロ・デ・イタリア第11ステージ以来で、ビッグレースでの勝負強さが光っている。

結果的にステージ32位までを逃げた選手たちが占めて、メイン集団は7分32秒差でレースを完了。これらの結果から、逃げてステージ3位で終えたピドコックが個人総合で10位から4位まで急浮上。なお、ポガチャルはきっちりマイヨ・ジョーヌをキープしている。

© A.S.O./Charly López

翌18日に行われる第14ステージもヴォージュ山脈が舞台。4つのカテゴリー山岳のうち、3つが1級山岳の本格山岳コース。総合争いに大きな影響をもたらすであろう1日がやってくる。

ツール・ド・フランス2026 第13ステージ 結果

1 マウロ・シュミット(チーム ジェイコ・アルウラー、スイス)4:06:58
2 アロルド・テハダ(XDS・アスタナ チーム、コロンビア)ST
3 トーマス・ピドコック(ピナレロ・Q36.5プロサイクリング チーム、イギリス)+0’02”
4 マキシム・ファンヒルス(レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ、ベルギー)ST
5 ブランドン・マクナルティ(UAEチームエミレーツ・XRG、アメリカ)
6 ケヴィン・ヴォークラン(ネットカンパニー・イネオス、フランス)
7 ジョルダン・ジェガット(トタルエネルジー、フランス)
8 クレマン・ブラズアフォンソ(グルパマ・FDJユナイテッド、フランス)
9 ティム・ウェレンス(UAEチームエミレーツ・XRG、ベルギー)
10 ルーク・プラップ(チーム ジェイコ・アルウラー、オーストラリア)+0’11”

個人総合成績

1 タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ・XRG、スロベニア)47:18:31
2 ヨナス・ヴィンゲゴー(チーム ヴィスマ・リースアバイク、デンマーク)+3’36”
3 レムコ・エヴェネプール(レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ、ベルギー)+4’06”
4 トーマス・ピドコック(ピナレロ・Q36.5プロサイクリング チーム、イギリス)+4’15”
5 フアン・アユソ(リドル・トレック、スペイン)+4’22”
6 ポール・セクサス(デカトロン・CMA CGM チーム、フランス)+4’35”
7 フロリアン・リポヴィッツ(レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ、ドイツ)+4’44”
8 イサーク・デルトロ(UAEチームエミレーツ・XRG、メキシコ)+5’08”
9 マティアス・スケルモース(リドル・トレック、デンマーク)+5’45”
10 レニー・マルティネス(バーレーン・ヴィクトリアス、フランス)+6’34”

ポイント賞

マッズ・ピーダスン(リドル・トレック、デンマーク)

山岳賞

タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ・XRG、スロベニア)

ヤングライダー賞

フアン・アユソ(リドル・トレック、スペイン)

チーム総合成績

リドル・トレック

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PROFILE

福光俊介

福光俊介

サイクルジャーナリスト。サイクルロードレースの取材・執筆においては、ツール・ド・フランスをはじめ、本場ヨーロッパ、アジア、そして日本のレースまで網羅する稀有な存在。得意なのはレースレポートや戦評・分析。過去に育児情報誌の編集長を務めた経験から、「読み手に親切でいられるか」をテーマにライター活動を行う。国内プロチーム「キナンサイクリングチーム」メディアオフィサー。国際自転車ジャーナリスト協会会員。

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サイクルジャーナリスト。サイクルロードレースの取材・執筆においては、ツール・ド・フランスをはじめ、本場ヨーロッパ、アジア、そして日本のレースまで網羅する稀有な存在。得意なのはレースレポートや戦評・分析。過去に育児情報誌の編集長を務めた経験から、「読み手に親切でいられるか」をテーマにライター活動を行う。国内プロチーム「キナンサイクリングチーム」メディアオフィサー。国際自転車ジャーナリスト協会会員。

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