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ポガチャルがピレネーで43km独走 ヴィンゲゴーに2分38秒差をつける大勝|ツール・ド・フランス2026

タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ・XRG、スロベニア)の伝説がまたひとつ。ツール・ド・フランス2026の第6ステージが現地7月9日に行われて、ピレネーの山々を越える186.2kmのコースをポガチャルが完全攻略。名峰トゥルマレでトップに立つと、フィニッシュまでの43kmを独走。ステージ2位のヨナス・ヴィンゲゴー(チーム ヴィスマ・リースアバイク)に2分38秒差をつけ完勝するとともに、トースタイン・トレーエン(ウノエックス・モビリティ、ノルウェー)との総合タイム7分57秒差をひっくり返して文句なしのマイヨ・ジョーヌ着用となった。

確たる逃げが決まらないまま上級山岳へ

3日ぶりにピレネーへと戻るステージは、コース中に5つのカテゴリー山岳がそびえる。とりわけ、中間地点を通過後に上る1級山岳アスパン(登坂距離12km、平均勾配6.5%)、超級山岳トゥルマレ(17.1km、7.3%)はレースを大きく動かす要素を持つ。これらを越えたら、最後は2級山岳ガヴァルニ・ジェードルの頂上へ。大会第1週最難関ステージとの呼び声だ。

© A.S.O./Thomas Maheux

序盤はヴィクトル・カンペナールツ(チーム ヴィスマ・リースアバイク、ベルギー)のファーストアタックをきっかけとして、3人が逃げる流れ。前々日のステージを制したマッズ・ピーダスン(リドル・トレック、デンマーク)もこの逃げに乗り、59.1km地点に置かれた中間スプリントポイントを1位通過。ポイント加算に成功している。

© A.S.O./Thomas Maheux

その後逃げメンバーはすべて集団へと戻って、70km地点を前に今度は5人がリードを開始。さらに人数が増えて12人となったが、この日2つ目の山岳である3級のコート・ド・モウザンを越えたところでベン・オコーナー(チーム ジェイコ・アルウラー、オーストラリア)の単独走に。中間地点を過ぎ、迎えた1級山岳アスパンの中腹でオコーナーは集団へと引き戻され、プロトンはUAEが主導権を握る。

© A.S.O./Thomas Maheux

レース前半から、レムコ・エヴェネプール(レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ、ベルギー)やフアン・アユソ(リドル・トレック、スペイン)といった総合系ライダーが一時的に後方へと下がる場面があったが、いずれも大きなトラブルとはならず問題なく集団へと復帰している。

フィニッシュまで43kmを残してポガチャルが独走開始

アスパンを越え、ついにやってきた超級山岳トゥルマレ。なおもUAEがつくるペースに、マイヨ・ジョーヌで出走のトレーエンがついていけなくなった。さらには、テイメン・アレンスマン(ネットカンパニー・イネオス、オランダ)やジャイ・ヒンドレー(レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ、オーストラリア)、トーマス・ピドコック(ピナレロ・Q36.5プロサイクリング チーム、イギリス)らが脱落。頂上まで5kmを残した段階で、集団に残ることができているのは約15人。

大きな局面はフィニッシュまで43kmを残したタイミング。トゥルマレ頂上までは4km以上ある段階で、UAEはイサーク・デルトロ(メキシコ)を先頭に送り出して急激なペースアップ。ポガチャルが続くが、ヴィンゲゴーら総合系ライダーが誰も反応できない。

さらに300m進んだところで、満を持してポガチャルが先頭へ。デルトロの発射から一気にペースに乗せると、あっという間に独走態勢に持ち込んだ。

© A.S.O./Thomas Maheux

しばらくは10秒ほどの差でヴィンゲゴーが続いたが、頂上2km手前でポガチャルはさらにペースを上げて、タイム差を拡大。頂上通過時には30秒差とした。

3日ぶりにマイヨ・ジョーヌに袖を通す

ポガチャルの勢いは最終登坂のガヴァルニ・ジェードルに入っても衰えず、フィニッシュまで残り5kmでヴィンゲゴーとの差は2分に。大観衆が待つフィニッシュへと一番にやってくると、高々と両こぶしを掲げてのウイニングセレブレーション。終わってみれば、2位のヴィンゲゴーとは2分38秒差をつけた。

© A.S.O./Thomas Maheux

今大会2勝目、ツール通算では23勝目を挙げたポガチャル。トレーエンがトゥルマレからの下りで激しくクラッシュした影響もあり、総合争いから完全に脱落。代わって個人総合首位に立ち、3日ぶりにマイヨ・ジョーヌを取り戻した。

ポガチャル、ヴィンゲゴーに続き、好アシストのデルトロがステージ3位。同タイムで他の総合系ライダーも続いた。個人総合では、ポガチャルから2位ヴィンゲゴーまでが2分42秒差、同じく3位デルトロまでは3分27秒差で、僅差でレムコやアユソ、ポール・セクサス(デカトロン・CMA CGM チーム、フランス)らが続く。

© A.S.O./Thomas Maheux

翌10日はピレネーに別れを告げて、アジェモーからボルドーまでの175.1kmで争う。平坦コースにカテゴライズされ、スプリンターが主役となるであろう1日と見られる。

ツール・ド・フランス2026 第6ステージ 結果

1 タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ・XRG、スロベニア)4:32:07
2 ヨナス・ヴィンゲゴー(チーム ヴィスマ・リースアバイク、デンマーク)+2’38”
3 イサーク・デルトロ(UAEチームエミレーツ・XRG、メキシコ)+2’57”
4 レムコ・エヴェネプール(レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ、ベルギー)ST
5 ポール・セクサス(デカトロン・CMA CGM チーム、フランス)
6 フロリアン・リポヴィッツ(レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ、ドイツ)
7 フアン・アユソ(リドル・トレック、スペイン)
8 マティアス・スケルモース(リドル・トレック、デンマーク)
9 レニー・マルティネス(バーレーン・ヴィクトリアス、フランス)+3’02”
10 セップ・クス(チーム ヴィスマ・リースアバイク、アメリカ)+3’06”

個人総合成績

1 タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ・XRG、スロベニア)21:11:57
2 ヨナス・ヴィンゲゴー(チーム ヴィスマ・リースアバイク、デンマーク)+2’42”
3 イサーク・デルトロ(UAEチームエミレーツ・XRG、メキシコ)+3’27”
4 レムコ・エヴェネプール(レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ、ベルギー)+3’30”
5 フアン・アユソ(リドル・トレック、スペイン)+3’34”
6 ポール・セクサス(デカトロン・CMA CGM チーム、フランス)+3’55”
7 フロリアン・リポヴィッツ(レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ、ドイツ)+4’00”
8 レニー・マルティネス(バーレーン・ヴィクトリアス、フランス)+4’21”
9 マティアス・スケルモース(リドル・トレック、デンマーク)+4’57”
10 マティアス・ヴァチェク(リドル・トレック、チェコ)+7’10”

ポイント賞

マッズ・ピーダスン(リドル・トレック、デンマーク)

山岳賞

タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ・XRG、スロベニア)

ヤングライダー賞

イサーク・デルトロ(UAEチームエミレーツ・XRG、メキシコ)

チーム総合成績

リドル・トレック

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PROFILE

福光俊介

福光俊介

サイクルジャーナリスト。サイクルロードレースの取材・執筆においては、ツール・ド・フランスをはじめ、本場ヨーロッパ、アジア、そして日本のレースまで網羅する稀有な存在。得意なのはレースレポートや戦評・分析。過去に育児情報誌の編集長を務めた経験から、「読み手に親切でいられるか」をテーマにライター活動を行う。国内プロチーム「キナンサイクリングチーム」メディアオフィサー。国際自転車ジャーナリスト協会会員。

福光俊介の記事一覧

サイクルジャーナリスト。サイクルロードレースの取材・執筆においては、ツール・ド・フランスをはじめ、本場ヨーロッパ、アジア、そして日本のレースまで網羅する稀有な存在。得意なのはレースレポートや戦評・分析。過去に育児情報誌の編集長を務めた経験から、「読み手に親切でいられるか」をテーマにライター活動を行う。国内プロチーム「キナンサイクリングチーム」メディアオフィサー。国際自転車ジャーナリスト協会会員。

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