
カラパスが再びアルプスを制す ポガチャルが5度目の個人総合優勝に王手|ツール・ド・フランス2026
福光俊介
- 2026年07月26日
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ツール・ド・フランス第20ステージが現地7月25日に行われて、アルプス3連戦の最後にしてアルプ・デュエズ2連戦の後半に選手たちが挑んだ。序盤から逃げた選手によるステージ優勝争いは、リチャル・カラパス(EFエデュケーション・イージーポスト、エクアドル)が制して今大会2勝目。アルプス3戦中2つで勝利を挙げた。マイヨ・ジョーヌはタデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ・XRG、スロベニア)が盤石の走り。5度目の個人総合優勝を決定的にし、大会最終日へ向かうことになった。
超級山岳を3つ越える今大会最難関ステージ
アルプス3連戦の最後は、今大会のクイーンステージと言われるほどの難関ルート。リアルスタートから10kmもいかないうちに超級山岳コル・ド・ラ・クロワ・ド・フェール(登坂距離24km、平均勾配5.2%)へ。一度下って、中間地点に達しようかというタイミングで1級山岳テレグラフ峠(11.9km、7.1%)、超級山岳ガリビエ峠(17.7km、5.2%)を立て続けに上る。ガリビエの頂上は標高2642m。約30kmに及ぶダウンヒルを経て、4つ目の上りである超級山岳コル・ド・サレンヌ(12.8km、7.3%)へ。2日連続のフィニッシュ地となるアルプ・デュエズへはサレンヌを経由して向かうことになる。レース距離170.9kmで、獲得標高は5450m。最終決戦にふさわしい舞台が用意された。

数人が逃げた状態で最初の上りクロワ・ド・フェールに入ると前線がシャッフル。いったんふりだしに戻ったところから、フアン・アユソ(リドル・トレック、スペイン)の動きをきっかけに15人が先行を開始。山岳賞争いで首位に立つカラパスもジョインし、ねらい通りに山岳ポイントを加算していく。

メイン集団からはポイント賞で首位を走るマッズ・ピーダスン(リドル・トレック)が頂上手前で飛び出して、ダウンヒル区間で先頭グループに合流。66.5km地点に設けられた中間スプリントポイントで1位通過をし、マイヨ・ヴェール獲得に大きく前進した。
先頭グループはテレグラフ峠で人数を絞って、続くガリビエを上る間に4人にまでメンバーを減らす。快調に山岳ポイントを積み重ねるカラパスは、この山でも1位通過をして事実上今大会の山岳賞を決める。あとはパリまでマイヨ・アポワを運べば良い状況に持ち込んだ。

カラパスらから4分30秒後ろを走るメイン集団は、個人総合上位陣だけが残る状態となり、マイヨ・ジョーヌのポガチャルみずから牽引を開始。徐々に先頭とのタイム差を縮めながら、下りをこなして最終登坂のサレンヌへと進んだ。
カラパスが終盤の逆転でステージ優勝
大会を通しても最後の本格山岳となるサレンヌ。3人になった先頭グループでは、セップ・クス(チーム ヴィスマ・リースアバイク、アメリカ)が数度のアタック。カラパスとジャイ・ヒンドレー(レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)がチェックする流れが続く。頂上まで3kmを残したところでクスが仕掛けると、カラパスとヒンドレーは付けず、そのまま独走態勢へ。一方、メイン集団でも動きがあって、イサーク・デルトロ(UAEチームエミレーツ・XRG)がペースを上げたところで、ヤングライダー賞のマイヨ・ブランを争っていたポール・セクサス(デカトロン・CMA CGM チーム、フランス)が遅れた。
トップで頂上を越えてアルプ・デュエズまで逃げ切りたいクスだったが、下り区間で2度にわたり落車。一時は20秒以上のタイム差がついていたカラパスがこの間にクスをパスしてトップに。クスは急いでバイクに戻ったものの、最後までカラパスまでは届かなかった。
逃げ切りを成功させたカラパスは、2日前の第18ステージに続く勝利。ステージ優勝にフォーカスし続け、1勝目の後には「さらに勝利を目指す」とコメントしていたが、有言実行の走りを見せた。

ポガチャルの5度目の大会制覇が決定的に 大会最終日はコース短縮
メイン集団では、残り5kmを切ったところでレムコがペースを上げて追走への意思を見せる。かたやポガチャルはデルトロのペースメイクに回り、レムコを見送る。カラパスを追い上げたレムコだったがステージ優勝までは届かず、ステージ2位。少しおいてポガチャルがデルトロとそろってフィニッシュラインへ。最後は肩を組み、デルトロの名をもじって「トロー(牡牛)」のポーズを演じてみせた。

十分なリードを持って走っていたポガチャルは、危なげなくマイヨ・ジョーヌを守って最終日のパリへ。最終ステージでは総合成績を争わないのが慣例となっており、よほどのことがない限りジャージを失うことはないだろう。最多タイ記録となる5度目の個人総合優勝が近づいてきた。

同時に、レムコの個人総合2位、デルトロの同3位も決定的に。ピーダスンはマイヨ・ヴェール、カラパスはマイヨ・アポワ、デルトロはマイヨ・ブランをそれぞれパリへと運ぶ。
ツール2026は残り1ステージ。最後を飾るのはパリ・シャンゼリゼ。当初は133kmを予定していたが、フランス南西部・ジロンド県で多発している山火事への対応に治安部隊が向かうため、レースは89kmに短縮。シャンゼリゼ通りからスタートが切られることが決まっている。
ツール・ド・フランス2026 第20ステージ 結果
1 リチャル・カラパス(EFエデュケーション・イージーポスト、エクアドル)4:59:39″
2 レムコ・エヴェネプール(レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ、ベルギー)+0’26”
3 セップ・クス(チーム ヴィスマ・リースアバイク、アメリカ)+0’31”
4 タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ・XRG、スロベニア)+1’05”
5 イサーク・デルトロ(UAEチームエミレーツ・XRG、メキシコ)ST
6 レニー・マルティネス(バーレーン・ヴィクトリアス、フランス)+1’07”
7 ジャイ・ヒンドレー(レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ、オーストラリア)+2’15”
8 マティアス・スケルモース(リドル・トレック、デンマーク)+2’55”
9 フアン・アユソ(リドル・トレック、スペイン)ST
10 ポール・セクサス(デカトロン・CMA CGM チーム、フランス)
個人総合成績
1 タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ・XRG、スロベニア)72:53:44
2 レムコ・エヴェネプール(レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ、ベルギー)+6’26”
3 イサーク・デルトロ(UAEチームエミレーツ・XRG、メキシコ)+9’42”
4 ポール・セクサス(デカトロン・CMA CGM チーム、フランス)+11’56”
5 レニー・マルティネス(バーレーン・ヴィクトリアス、フランス)+13’02”
6 マティアス・スケルモース(リドル・トレック、デンマーク)+14’59”
7 フアン・アユソ(リドル・トレック、スペイン)+17’48”
8 リチャル・カラパス(EFエデュケーション・イージーポスト、エクアドル)+20’00”
9 トーマス・ピドコック(ピナレロ・Q36.5プロサイクリング チーム、イギリス)+29’28”
10 ジョルダン・ジェガット(トタルエネルジー、フランス)+33’21”
ポイント賞
マッズ・ピーダスン(リドル・トレック、デンマーク)
山岳賞
タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ・XRG、スロベニア)
ヤングライダー賞
イサーク・デルトロ(UAEチームエミレーツ・XRG、メキシコ)
チーム総合成績
リドル・トレック
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