
サバイバル戦の信州飯田でダーティが圧巻の今大会3勝目!山本元喜は逃げて山岳賞奪取|TOJ2026
せいちゃん
- 2026年05月28日
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「8 PIECES, ONE FUTURE.」をコンセプトに掲げる第28回「ツアー・オブ・ジャパン(TOJ)2026」。大会5日目となる5月28日(木)は、総合優勝争いの本格的な始まりを告げる第5ステージ「綿半 信州飯田ステージ」。起伏に富むサバイバルコースの終盤、メイン集団からアタックを決めた総合リーダーのトンマーゾ・ダーティ(チームUKYO、イタリア)が3名でのスプリントを制覇。今大会3勝目を挙げるとともに、ポイント賞(ブルージャージ)でもトップに立った。
2万人の大観衆が詰めかけたサバイバルコース

下久堅小学校前をスタート&フィニッシュ地点とし、オープニングラップを経た後に1周12.2kmの周回コースを9周する120.9kmのレース。コース内には急勾配の登りと、細かなコーナーが連続する名物「TOJコーナー」が待ち受けており、レースは常に消耗を強いるサバイバルな展開となる。

曇り空で気温27℃と蒸し暑さを感じるなか、沿道には2万人もの大観衆が集結。ホームチームに認定されているチームUKYOや、山田拓海(シマノレーシング)など地元出身選手の走りに熱い声援が送られた。
15名の大きな逃げ。山本元喜が執念の山岳ポイント獲得

個人総合時間賞だけでなく、総合の山岳賞やポイント賞を争う上でもこの信州飯田ステージは重要な一戦。レースは序盤から激しく動き、各チームのさまざまな思惑が交錯するなかで15名の大きな逃げ集団が形成された。
この中には、41秒遅れの総合5位で山岳賞ジャージを着るジャコモ・ガラヴァーリャ(スワットクラブ、イタリア)のほか、50秒遅れで総合10位につけるマティアス・ブレンホイ(トレンガヌサイクリングチーム、デンマーク)、山岳賞ジャージ奪取に燃えるキナンレーシングチームの山本元喜らが顔を揃えた。

山岳賞を直接争うスワットクラブが3名を逃げに送り込む数的不利な状況のなか、山本元喜は孤軍奮闘する。2周目に設定された最初の山岳ポイントで、スワットクラブの包囲網を打ち破り見事先頭通過を果たして7ポイントを加算する。
先頭集団はメイン集団に対して最大2分30秒ほどのリードを得て逃げ続けるが、周回を重ねるごとにその差は徐々に減少していく。続く5周目の山岳ポイントでも山本が先着し、この日を終えての山岳賞ジャージ(レッドジャージ)獲得を確実なものに引き寄せた。
レース後、山本は「今日のステージが山岳ポイントの配点が一番大きいので、ここで獲れなければ最終的な可能性も無くなります。スワットクラブの2人も逃げに入っていたので、最初の山岳ポイントは全開でもがきました。今日は全体的にうまくいきました」と、執念の走りを振り返った。
シンシェックの独走と、ダーティの決定的なアタック

レース後半に入ると逃げグループの協調体制は乱れ始める。7周目の山岳ポイントを前に、リーニンスターのニルス・シンシェック(オランダ)が単独でアタック。3度目の山岳ポイントを先頭で通過し、そのまま独走を開始する。
ツール・ド・熊野では2度の逃げ切り勝利を挙げた力強いペダリングで逃げ続けるシンシェックは、単独先頭のまま最終周回へ突入。一方、後方では周回を重ねるごとにタイム差を減らしたメイン集団がバラバラになった逃げの選手たちを次々と飲み込み、30名弱にまで絞り込まれていた。

勝負が動いたのは最終周回の登り区間。メイン集団から、総合リーダーのグリーンジャージを着るトンマーゾ・ダーティが強烈なペースアップを敢行する。このアタックに反応できたのはマッテオ・ファッブロ(ソリューションテック・NIPPO・ラーリ、イタリア)のみ。驚異的なスピードで坂を駆け上がったダーティとファッブロは、最後の山岳ポイント手前で逃げていたシンシェックに追いつき、先頭は3名となった。

ダーティが今大会3勝目!グリーンとブルーの二冠に

メイン集団は追走の体制を組むことができず、勝負は先頭3名によるスプリントに持ち込まれる。最後は、ここまで圧倒的なスピードと勝負強さを見せつけているダーティが危なげなくスプリントを制し、今大会3勝目をアピールしながら余裕のフィニッシュ。後続のメイン集団に対し11秒のリードを奪い、総合での優位をさらに確固たるものにした。

このステージ優勝により25ポイントを加算したダーティは、ポイント賞(ブルージャージ)でもベンジャミ・プラデス(VC福岡、スペイン)を逆転してトップに浮上し、グリーンとブルーの二冠となった。

圧倒的な力を見せたダーティは「ずっとステージ優勝を狙ってきていますが、頑張れば総合優勝も狙えるんじゃないかと言われています。自分自身、本当に狙えるのかわからないのですが、明日はできる限り追い込んで走ってみて、それで前にいられるようならトライしてみたいと思います。誰かがものすごく調子が良ければ、明日ジャージを失う可能性もありますから、一日一日ベストを尽くすのみです。まだステージ優勝を獲りたい気持ちもありますが、チームメイトに勝ってほしいとも思っています」と、翌日のクイーンステージへ向けて冷静に意気込みを語った。
また、新人賞(ホワイトジャージ)は、メイン集団の厳しいペースアップを耐え抜きステージ19位でフィニッシュしたウィル・ヒース(シーキャッシュ X ボディラップ、オーストラリア)がキープ。「今日は逃げがステージ優勝を争うと思っていました。一日の大半は走りやすかったですが、最後の数周はとてもハードでした。2人の飛び出しにはついていけませんでしたが、登りを全力で走り、集団に残れたことはよかったです」と、若き才能の粘り強さを見せた。
翌日は、今大会の総合優勝の行方を決定づける第6ステージ「スルガ銀行 富士山ステージ」。平均勾配10%、最大勾配22%の激坂「ふじあざみライン」を舞台にした過酷な山頂フィニッシュで、究極のクライミングバトルが幕を開ける。
リザルト
1位 トンマーゾ・ダーティ(チームUKYO、イタリア) 2時間59分16秒
2位 マッテオ・ファッブロ(ソリューションテック・NIPPO・ラーリ、イタリア)
3位 ニルス・シンシェック(リーニンスター、オランダ)
4位 オスカー・ギャラガー(シーキャッシュ X ボディラップ、オーストラリア) +11秒
5位 ニコロ・ガリッボ(チームUKYO、イタリア)
6位 レオネル・キンテロ(ヴィクトワール広島、ベネズエラ)
7位 ファーガス・ブラウニング(トレンガヌサイクリング チーム、オーストラリア)
8位 ベンジャミ・プラデス(VC福岡、スペイン)
9位 フェデリコ・イアコモーニ(チームUKYO、イタリア)
10位 マティアス・ブレンホイ(トレンガヌサイクリングチーム、デンマーク)
個人総合時間賞(グリーンジャージ)

1位 トンマーゾ・ダーティ(チームUKYO、イタリア) 8時間59分44秒
2位 フェデリコ・イアコモーニ(チームUKYO、イタリア) +31秒
3位 ベンジャミ・プラデス(VC福岡、スペイン) +49秒
4位 マッテオ・ファッブロ(ソリューションテック・NIPPO・ラーリ、イタリア) +50秒
5位 ニコロ・ガリッボ(チームUKYO、イタリア) +52秒
6位 マティアス・ブレンホイ(トレンガヌサイクリングチーム、デンマーク) +1分5秒
7位 ファーガス・ブラウニング(トレンガヌサイクリングチーム、オーストラリア) +1分9秒
8位 ニコロ・ペッティーティ(スワットクラブ、イタリア) +1分11秒
9位 谷順成(Astemo宇都宮ブリッツェン、日本) +1分14秒
10位 エドアルド・セプルベダ(リーニンスター、アルゼンチン) +1分16秒
ポイント賞(ブルージャージ)

トンマーゾ・ダーティ(チームUKYO、イタリア)
山岳賞(レッドジャージ)

山本元喜(キナンレーシングチーム、日本)
新人賞(ホワイトジャージ)

ウィル・ヒース(シーキャッシュ X ボディラップ、オーストラリア)
チーム総合成績
チームUKYO
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PROFILE
せいちゃん
稲城FIETSクラスアクト所属のJプロツアーレーサー。レースを走る傍ら、国内外のレースや選手情報などを追っている。愛称は「せいちゃん」のほか「セイペディア」と呼ばれている
稲城FIETSクラスアクト所属のJプロツアーレーサー。レースを走る傍ら、国内外のレースや選手情報などを追っている。愛称は「せいちゃん」のほか「セイペディア」と呼ばれている



















