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グレーターしまなみ・えひめ探訪 Vol.2【ゆめしま海道〜尾道編】信号機のない離島をつなぐ橋とフェリー

尾道から始まった1泊2日の「グレーターしまなみ・えひめ」再発見の旅。

王道のブルーラインを走った初日を終え、2日目はさらなる深淵へ。目指すは、愛媛県上島(かみじま)町が誇る「ゆめしま海道」だ。

2022年の「岩城橋」開通によって全線がつながり、今サイクリストから熱い視線を浴びているこのエリア。信号機がひとつもない(!)という離島ならではの快走路、絶景のヒルクライム、そして島グルメ。

旅の後半戦は、フェリーを駆使したアイランドホッピングから幕を開ける。

島の朝は「アジの開き」から

大三島の料理旅館「富士見園」で迎える朝。

長距離を走るサイクリストにとって、朝食は一日のパフォーマンスを決める重要な儀式だ。

食卓には、脂の乗ったアジの開きが鎮座している。焼くと香ばしい香りが食欲をそそり、ご飯が進む。さらに愛媛名物「じゃこ天」も並ぶ。魚のすり身の旨味が凝縮されたこの一品は、プロテイン補給にも最適だ。

しっかりとエネルギーを充填し、宿を後にした。

まずは多々羅大橋を渡り、再び生口島(いくちじま)へ戻る。

昨日は島の北側、サンセットビーチ方面を経由したが、今日は南側の国道317号ルートを選択する。朝の光を浴びながら海沿いの平坦路を快走し、島の南東にある「洲江(すのえ)港」を目指した。

わずか5分の船旅で「青いレモンの島」へ

洲江港に到着し、海を眺めながらしばし待つ。

しばらくすると、対岸からフェリーが波を分けて近づいてくるのが見えた。「三光汽船」のフェリーだ。

目指すは対岸に見える「岩城島(いわぎじま)」。海を隔てているとはいえ、距離にして数百メートル。所要時間はわずか5分ほどだ。

しまなみエリアの魅力は、こうした生活航路が充実しており、自転車をそのままデッキに乗せて気軽に島を渡れることにある。

潮風に吹かれながら一息ついていると、あっという間に岩城島の「小漕(おこぎ)港」に接岸した。

「青いレモンの島」のキャッチフレーズで知られる岩城島。防腐剤・ワックスを使わない「いわぎレモン」は皮まで食べられる逸品として有名だ。また、島の周囲には造船所が点在しており、のどかな柑橘畑の風景と、巨大なタンカーが建造されているダイナミックな光景が同居する、独特の景観が魅力の島である。

天女の羽衣、積善山ヒルクライム

岩城島に上陸すると、地元「上島サイクリングチーム」の皆さんが笑顔で迎えてくれた。ここからは彼らの強力なアテンドのもと、ゆめしま海道のハイライトへと向かう。

目指すは島の中央にそびえる「積善山(せきぜんざん)」。標高約370mのヒルクライムだ。

その美しい山容から「岩城富士」とも呼ばれる名峰。山道には約3000本もの桜が植えられており、春の開花時期には山肌がピンク色の帯をまとったように見えることから「天女の羽衣」と称される。桜の季節はもちろん、新緑や紅葉の季節も素晴らしい景観を誇る場所だ。

登り口に差し掛かると、私は居ても立ってもいられなくなり、自分のペースでペダルを踏み込んだ。

アタックというほどではないが、身体が登りを求めている。息を切らしながら先行して登り、一度頂上まで行きUターン。下って再びアテンドの方とあむちゃんに合流し、今度はみんなで景色を楽しみながら登り直した。素晴らしい坂は、二度味わうのも悪くない。

頂上の駐車場に私は自転車を停め、あむちゃんは自転車を担ぎ、最後は自身の足で階段を登る。石碑を越えて展望台にたどり着いた瞬間、視界が一気に開けた。

「うわぁ……!!」
そこには360度の大パノラマが待っていた。

眼下にはこれから走るゆめしま海道の島々が箱庭のように浮かび、遠くにはしまなみ海道の多々羅大橋や生口橋、天気が良ければ四国山地まで見渡せる。

ここまでの疲れが吹き飛ぶほどの絶景だ。

橋でつながった4つの島々

山を下り、2022年に開通したばかりの「岩城橋」へ。

この橋の完成により、岩城島・生名島・佐島・弓削島の4島が完全に陸路でつながった。これが新生「ゆめしま海道」である。

真新しいアスファルトの上を滑るように走り、生名島(いきなじま)へ渡る。

因島(土生港)からのフェリーが発着する立石港があり、ゆめしま海道の玄関口としての役割を担う生名島。

島にある「いきなスポレク公園」には、自転車のホイールをモチーフにしたような巨大なモニュメント「YUMESHIMA CIRCLE」がある。

青い空と海をバックに、みんなで記念撮影。

ちなみにこのモニュメント、実はこのエリアに全部で3箇所設置されているらしい。気になる人はぜひコンプリートを目指して探してみてほしい。

いきなスポレク公園

住所:愛媛県越智郡越智郡上島町生名4528
営業時間:9:00〜19:30
定休日:火曜
電話:0897-74-0906
URL:https://www.sporec.jp/

信号のない島で「Uターン」を楽しむ

続いて、美しい斜張橋「生名橋」を渡り、佐島(さしま)へ。

ゆめしま海道を構成する有人島の中で最も小さい島。信号機もコンビニもなく、あるのは静かな集落と美しい海だけ。しかし、この「何もなさ」こそが佐島の贅沢だ。

ここで、地元サイクリストの方にお気に入りの場所へ案内してもらった。

島の南端へ向かってブルーラインを進んでいくと、道は行き止まりになるのだが、路面に大きく「Uターン」のマークが描かれた「ブルーラインUターン場」が現れる。

「ここで行き止まりなんですが、ここで海を眺めながら黄昏れるのが最高なんですよ」

その言葉通り、波の音しか聞こえない静寂の空間が広がっていた。ただ引き返すためだけに来る価値がある。効率を求める旅では出会えない、贅沢な時間がここには流れていた。

弓削島で味わう「レモンポーク」の衝撃

来た道を戻り、弓削大橋を渡って最後の上島町エリア、弓削島(ゆげじま)へ。

上島町の役場があり、行政・経済の中心地。古くは京都・東寺の塩の荘園として栄え、歴史的な史跡も多い。弓削商船高等専門学校があるため、島には若者の活気も感じられる。

ちょっと遅めのランチタイム。港の近くにある「しまでcafe」にピットインした。
島のお母さんたちが切り盛りする、アットホームな雰囲気が魅力のお店だ。
私は「レモンポークソテー」、あむちゃんは「レモンポークカレー」を注文。

レモンポークとは、岩城島の特産品で、「青いレモンの島」ならではの銘柄豚。搾汁した後のレモンの皮(レモンポークの素)を飼料に混ぜて育てられている。

運ばれてきたソテーを一口頬張る。

「……甘い!」

脂身が驚くほど甘く、それでいて柑橘由来なのか、後味はさっぱりとしていてしつこさがない。柔らかい肉質にソースが絡み、ご飯が止まらない。

あむちゃんもカレーを頬張りながら、「美味しい!」と満面の笑みを浮かべていた。スパイシーな香りの中に、レモンポークの旨味がしっかり溶け込んでいるようだ。

しまでcafe

住所:愛媛県越智郡上島町弓削下弓削830-1
営業時間:9:30〜17:00
定休日:火曜
電話:0897-77-2232
URL:https://www.shimano-kaisha.co.jp/cafe/

旅の終わりは、夕暮れのソロライド

ランチの後は「上島サイクリングチーム」の方たちをお別れし、県道172号で島の北側を回る。

食後の身体には少しハードなアップダウンが続くが、変化に富んだ海岸線は走っていて飽きない。

丘を越え、島の北端にある「上弓削港」に到着した。

ここからは「家老渡(かろうと)フェリー」に乗り込み、因島(家老渡港)へ。

因島に上陸したところで、時間の都合によりあむちゃんとは一旦お別れ。彼女はここから車で向島の兼吉桟橋までワープすることになった。

ここからは私一人、旅の締めくくりとなるソロライドである。

因島に入ってからのルートは行きとは異なる走りごたえのあるルート、因島の東側を走る県道366号、通称「因島水軍スカイライン」だ。
かつて村上海賊が見張りをしていたであろう海沿いの高台を行くこの道は、その名の通りアップダウンの連続だ。しかし、苦労して登った先には、視界いっぱいに広がる瀬戸内の多島美が待っている。因島大橋を渡って再び向島へ。

向島に入ってからも、行きに通った西側の国道ではなく、県道377号を使って南東へと進むルートを進んだ。

夕暮れが迫り、空が茜色に染まる。島の真ん中を貫く道を淡々と踏みしめ、最後は兼吉(かねよし)桟橋へたどり着いた。

行きは富浜からの渡船だったが、帰りはここから尾道へ渡る。

尾道渡船のデッキから、夕日に照らされた尾道水道を眺める。千光寺山のシルエット、坂の街の灯り。この景色を見ると、長い旅が終わる寂しさと、無事に帰り着いた安堵感が入り混じる。

尾道駅前にゴール。

2日目の走行距離は約90km、獲得標高は1480m UP。

積善山のヒルクライムを含め、走りごたえのあるルートだったが、それ以上に記憶に残ったのは、橋でつながった小さな島々の個性と、そこで出会った風景や味覚だ。

王道のしまなみ海道から一歩踏み出した「グレーターしまなみ・えひめ」。そこには、サイクリストの冒険心をくすぐる、まだ見ぬ世界が広がっていた。

上島コースMAP

赤色がDay1、青色がDay2のルートを示す

グレーターズしまなみ・えひめ公式WEB

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Bicycle Club編集部

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ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。

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