
ポガチャルは5度目の大会制覇へ ヴィンゲゴーらも絡む各賞争いをプレビュー|ツール・ド・フランス2026
福光俊介
- 2026年07月02日
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世界最大のサイクルロードレース、ツール・ド・フランスの2026年大会が7月4日に開幕する。既報の通り、スペイン・バルセロナをスタートしたのちにフランスへ。ピレネーや中央山塊、ヴォージュ山脈を越え、最終決戦地となるアルプスへ。そのコースセッティングは、例年以上に壮観で、それでいて難易度が高いと言われている。要所で待つタイムトライアルステージも、個人総合争いをよりハードなものにすることだろう。
そこで、熾烈を極めるであろう最高栄誉のマイヨ・ジョーヌをかけた戦いや、スプリンターの栄光マイヨ・ヴェールなど、各賞候補たちをピックアップ。真夏の大一番を占うべく、注目ポイントを挙げてみる。
ポガチャルはメルクスやイノーと並ぶツール5勝目なるか
トップに立った者だけが着用できるマイヨ・ジョーヌを賭けた戦いは、タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ・XRG、スロベニア)が一番手で文句はないだろう。今大会を勝てば2024年大会から3連覇、通算では5勝目となる。

今シーズンは3月にシーズンインし、ここまでレース数こそ16日間と少なめだが、13勝を挙げる驚異的なアベレージ。直近ではツール・ド・スイスで個人総合優勝を果たしているが、第1ステージで72kmを独走する離れ業を演じている。山岳はもちろんだが、タイムトライアル能力の高さや、タイミングを問わないアタックで独走に持ち込むスタイルなど、手持ちのカードは他のグランツールレーサーを凌駕している。
展開によっては、第1ステージからマイヨ・ジョーヌに袖を通す可能性さえある。バルセロナでの第1ステージは、19.6kmのチームタイムトライアル。今回はチーム内一番手ライダーのフィニッシュタイムが有効となる変則スタイルで、各チームがエースライダーを真っ先にフィニッシュさせるべく躍起になるはず。UAEもおそらくポガチャルを全力で発射させることだろう。チーム力も充実し、大会初日から機能するとその後のステージが俄然有利になっていく。
3年ぶりのツール制覇に燃えるヴィンゲゴー
ポガチャルの勢いを食い止めるとするならば、やはりヨナス・ヴィンゲゴー(チーム ヴィスマ・リースアバイク、デンマーク)となってくる。

5月にはジロ・デ・イタリアを初制覇し、ツールを勝てば「ダブル・ツール」の偉業達成だ。今シーズンは春からステージレースを中心に走っており、パリ~ニースとボルタ・ア・カタルーニャで快勝。その後のジロへとつなげている。
ジロを終えてからここまでの間は調整に充て、上々のコンディションでバルセロナへと乗り込む。絶対的なアシストとなるはずだったワウト・ファンアールト(ベルギー)が怪我の影響で参戦を諦め、チーム力としても大きな痛手となっているが、そんな状況をも打開して3年ぶりのツール制覇に向かっていけるか。まずは、ジロからの回復がきっちりなされているかチェックしていきたい。
19歳セクサスは初のツールで躍動なるか

開催地フランスが大きな期待を寄せるのは、“ワンダーボーイ”ポール・セクサス(デカトロン・CMA CGM チーム、フランス)。プロ2年目、19歳にしてツールのトップが見える位置まで躍進を果たしている。今シーズンはイツリア・バスクカントリーで個人総合優勝し、直後のラ・フレーシュ・ワロンヌでは難攻不落のユイの壁を征服。上りの緩急を問わない爆発的な加速力が魅力で、それを活かした攻撃的な走りをツールでも見せたい。
直前のツール・オーヴェルニュ・ローヌ・アルプでは落車負傷。ツール本番が危ぶまれたが、先ごろの検査で問題がないとの診断が下り、晴れて大きな舞台へのデビューが決定した。すでに「将来のツール王者」との見方も強く、初出場の今回はどこまでトライできるかを確かめる機会にもなりそうだ。
レムコは総合表彰台返り咲きへ

2年前に個人総合3位となったレムコ・エヴェネプール(レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ、ベルギー)は、ツールへの強い野望を走りに表せるか。昨年は途中リタイアに終わり、そのリベンジにも燃える。タイムトライアルだけ見れば、ポガチャルやヴィンゲゴーをも上回るが、山岳での爆発力といった面で劣る印象だ。上位進出のカギは、やはり個人タイムトライアルでどれだけタイムを稼げるか。チームには、前回個人総合3位のフロリアン・リポヴィッツ(ドイツ)も控えており、共闘体制をどこまでキープするかも見もの。
デルトロやアユソらが絡むマイヨ・ブラン争いも熱い
アウトサイダーになろう選手たちにも目を向けておこう。

イサーク・デルトロ(UAEチームエミレーツ・XRG、メキシコ)は、ポガチャルに不測の事態があった場合の“Bプラン”になるとチーム首脳陣も認めている。前哨戦ツール・オーヴェルニュ・ローヌ・アルプでは、鮮やかな個人総合優勝。ツール本番でも、ポガチャルを盛り立てつつ総合表彰台を狙って走ることができそうだ。

フアン・アユソ(リドル・トレック、スペイン)は、現チームに加わっての初のグランツール。昨年まではUAEの一員としてポガチャルらを盛り立てる側だったが、今度は晴れて総合エースに。セクサスやデルトロらと並んでヤングライダー賞のマイヨ・ブランの有資格者であり、若い選手たちによる争いも今大会の見どころのひとつである。
マイヨ・ヴェールはよりスプリンター有利のシステムに
ポイント賞のマイヨ・ヴェールは、スプリンター中心の争いになるとみられる。今大会からコースレイアウトに応じたポイント配分となり、スプリントフィニッシュが見込まれる平坦ステージでの配点がより高くなるようセッティングされる。
前回大会でこの賞を獲ったジョナタン・ミラン(リドル・トレック、イタリア)が出場しないため、今年はマイヨ・ヴェール返り咲きか初受賞を目指す選手たちによる争いに。

受賞経験者では、2023年のヤスペル・フィリプセン(アルペシン・プレミアテック、ベルギー)と、2024年のビニヤム・ギルマイ(NSNサイクリングチーム、エリトリア)が参戦。
前回大会でステージ優勝を挙げているティム・メルリール(スーダル・クリックステップ、ベルギー)や、ここへきて調子を上げているオラフ・コーイ(デカトロン・CMA CGM チーム、オランダ)も有力。ドリアン・ゴドン(ネットカンパニー・イネオス・フランス)は、自国開催のグランツールで花を咲かせられるか。
スプリント、逃げともに強さを発揮するマッズ・ピーダスン(リドル・トレック、デンマーク)は、その気になればあらゆる局面でポイント加算ができる。マチュー・ファンデルプール(アルペシン・プレミアテック、オランダ)も本来であれば有力視されるところだが、まずはフィリプセンの発射台として動くことだろう。実際にポイント賞を狙うとなれば、昨年のようにフィリプセンにアクシデントなど事情が変化したときだろう。
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- Bicycle Club
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- TEXT:福光俊介 PHOTO: A.S.O./Billy Ceusters A.S.O./Jennifer Lindini A.S.O./Gaëtan Flamme Unipublic/Rafa Gómez/Sprint Cycling Agency
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