
テント泊をするなら知っておきたい!テント場のルール&マナー|PEAKS 2026年9月号
PEAKS 編集部
- 2026年08月12日
守るべき規則としての「ルール」と、守ったほうがよい作法としての「マナー」。どちらも、より多くの人が気持ちよくすごすための工夫であり、麓の社会と同じようにテント場にも、守っておきたいルール&マナーがある。快適なテント泊時間をすごすために。要チェックの9つ+αをチェックしておこう!
文◉編集部
イラスト◉石川真悠
教えてくれた人:finetrack パートナーズオフィサー・平川陽一郎さん

高校・大学の山岳部で登山を学び、長らく登山業界に従事したのち登山ガイドとして独立。安全登山啓発を活動テーマとして、finetrack TOKYO BASEを拠点に数々の登山講座を開催する。日本山岳ガイド協会の正団体、マウンテンガイド協会会長。
安全と公平な利用のために守るべきルール
公平性を担保するための予約ルールや、周辺の自然にダメージを与えないための使い方ルール。多くの人が利用するテント場には、麓の社会空間と同様に守るべき規則がある。秩序ある空間を守るためのルールをみていこう。
ルール1 予約ルールを守る

予約の要/不要、電話やWebといった予約方法はテント場によって異なる。そのため山行を計画する際は、テント場を管理する山小屋のホームページなど公式情報の確認が必須だ。予約方法では近年、先着順のWeb予約も増加している。また、遅くとも15時までには到着するように行動し、大幅な遅れやキャンセルの場合は、必ず山小屋の直通電話に連絡を入れる。
ルール2 指定地の区画に設営する

到着後は、山小屋や受付所での手続きと料金支払いを先に済ませる。テント場は“指定地”。つまり、エリア内はOKだがエリア外の幕営は原則NGだ。テント場ごとに定められた指定地エリアを確認したうえで空いている区画に設営し、通路となっているスペースへの設営は極力避ける。高山植物や樹木、動物といった、テント場周辺の自然環境を守るように心がけよう。
ルール3 トイレと水場の使い方

テント場に設置されているトイレには、維持・管理への協力金を支払うチップ箱が設置されているところも。場所ごとのルールに応じて、定められた使用料を入れるようにする。また、下水処理設備がないテント場は、水をそのまま山に還すため、化学物質を含んだ石鹸や歯磨き粉は基本的に使用不可。もちろん、水場に生ゴミや残り汁、油を流すのも厳禁だ。山の水資源は貴重なので、節水にも意識を!
ルール4 火気の扱いに注意しよう

地面の上で焚き火をする直火は、原則禁止。火を使って調理する場合は、軽量でコンパクトにパッキングできるガスバーナーを持参すると便利だ。調理時は、一酸化炭素中毒やテント火災などのリスクを防ぐため、屋外で調理するといい。あるいは、雨天や強風時には換気を徹底したうえで前室のスペースで調理するなど、火による事故リスクを減らしながらテント泊ご飯を楽しもう。
+α ルール ゴミの密閉は防臭袋が有効

テント泊での悩みのひとつが、ゴミをどう持ち帰るか問題。テント場にゴミ箱はないため、食材の生ゴミや行動食のパッケージといったゴミは自分で持ち帰るが、コンビニで購入できるビニール袋やチャック付き保存袋でも完全には密閉できない。そこでおすすめなのが、オムツ用の防臭袋。袋の口をねじって結ぶことで内容物を密閉でき、ニオイ漏れの防止に有効なアイテムだ。
マナー 心地いい共用空間をつくるためのマナー
ルールのように強制力はないが、意識することでより多くの人が心地よくすごせる、マナー。ほかのテント泊者への思いやりや、隣人トラブルを未然に防ぐための注意ポイントなど、テント場にいるみんなで守りたい作法だ。
マナー1 スペースの譲り合い

写真は白馬岳頂上宿舎のテント場のようす。人気が高い山域、それもハイシーズンともなると大勢の登山者がテント場に集う。このような混雑時は間隔を詰めて設営する、ガイラインを広げすぎない、などを意識してスペースを譲り合いたい。また、“トナラー”のようなぴったり横付け設営は極力控え、パーソナルスペースの確保や、女性ソロハイカーへの配慮など、みんなでリラックスしたひとときを共有できるように心がけよう。
マナー2 夜と朝は“音”に注意!

トラブル事例でよくあるのが、“音”にまつわるトラブル。早出早着が基本のテント泊登山は、夕食後は早めに就寝し、朝は早く出発するのがセオリー。周囲が静まっている時間帯は、自分が出す音に気を配ろう。家やホテルとは違い、テントは内外へ音が筒抜けなので、たとえばビニール袋のガサガサ音やポールの撤収音などにはとくに注意。熊鈴は消音、起床アラームはボリュームダウン。また、早朝に出発する場合は、前夜にパッキングをあらかた済ませておくなど、“音”への意識は忘れないように。
マナー3 ヘッドランプの“光”にも意識を

“光”もあるあるのトラブル。街灯や照明のないテント場の必須アイテム、ヘッドランプをむやみに振り向けてしまう迷惑行為だ。アウトドア仕様のモデルは光量が大きいためとくに注意。ほかのテント泊者の顔に向けてしまったり、テントを強い光で照らしたりすると、不快感につながるうえ安眠を妨げてしまうことも。ヘッドランプを首から提げる、あるいは手で持つことで自分の足元だけを照らし、マナーアップを図りたい。
マナー4 気持ちのいいコミュニケーション

登山中にすれ違う人へ「こんにちは」と挨拶するように、隣人へ声掛けができるとなおよし。混雑するテント場で、先着している人のすぐ近くに張らざるを得ないときは、「お隣に失礼します」などとひと声かけられるとベター。会話が弾んで思わぬ出会いとなることも。一方で山の時間はひとりでいたい、という人も。ほど良い距離感を探りつつ、リラックスした時間を共有しよう。
マナー5 来た時よりも美しく

テント場を発つときは原状復帰を意識しよう。ペグの抜き忘れはないか、ゴミの落とし物はないか?などを念入りにたしかめ、ペグ跡を消したり、動かした石をもとの位置に戻したり。最後は、テントサイトの土や小石を軽くならして次の人に譲りたい。テントはもちろん、すべての持ち物をパッキングできているか最終チェックし、その日の目的地へLet’s GO!
+α マナー 睡眠トラブルを防ぐために……

不眠は大敵。睡眠不足で翌日の体力や集中力が低下し事故リスクも高まってしまう。“光”のトラブル対策となるアイマスク、話し声やいびきなど“音”のトラブル対策となる耳栓。いざという時の自衛手段として持っておくと安心だ。
※この記事はPEAKS[2026年9月号 No.180]からの転載であり、記載の内容は誌面掲載時のままとなっております。
※最新の情報を直接ご確認の上ご計画ください。
**********
▼PEAKS最新号のご購入はAmazonをチェック
- BRAND :
- PEAKS
- CREDIT :
-
文◉編集部 Text by PEAKS
イラスト◉石川真悠 Illustration by Mayu Ishikawa
SHARE
PROFILE
PEAKS 編集部
装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。
装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。
RECOMMEND ITEM
[ 公式オンラインショップおすすめアイテム ]




















