
夏の北アルプステント泊 はじめの一歩と装備計画④「ギア選びの実践基準・調理道具」編|PEAKS 2026年5月号
PEAKS 編集部
- 2026年06月29日
INDEX
山では小型バーナーが基本装備。日帰りでも湯を沸かせれば温かいカップ麺やコーヒーが楽しめ、行動の満足度は大きく変わる。数泊ともなればバーナーなしに山の食は始まらない。
だが「山の食事に正解はありません。仲間との山旅では軽量でおいしい食事を大切にするし、ストイックなソロ山行では火を使わないことも。山はこうあるべきと決めつけず、自分の体力や山行スタイルに合わせて食の楽しみ方を選びましょう。」と時男さんは言う。
文◉福瀧智子
写真◉加戸昭太郎
<教えてくれたのは>
ヨシキ&P2・吉野時男さん
ヨシキスポーツ取締役社長。幼少期から大学までは競技スキーに打ち込み、現在は仕事を含めあらゆる登山スタイルで年間130日近く山に入る。本企画では時男さんと呼ぶ。

<PEAKS読者モデル>
下田 翔さん
職場仲間の誘いで登山を始め、現在6年目。北アルプスを中心に日帰り登山に打ち込んでいたが、テント泊熱が抑え切れず読者モデルに応募。好きなブランドは山と道。

吉野美紀さん
元ワンゲル部で、前穂・奥穂や立山などのほか、海外登山も経験があるが、テント泊は未経験。きっかけづくりに今回応募。使いやすさが一番のモンベル好き。職業は栄養士。

<SHOP INFORMATION>登山者を現場目線で導く「ヨシキ&P2」
千葉県習志野市にある山とスキーの専門店。登山やクライミング、BCスキーなどまで山遊びの道具を網羅し、実践で磨かれた目線で選び抜いたウエアやギアが並ぶ。
通好みの品揃えと確かな提案力で、マニアも唸るお店だ。


住所:千葉県習志野市谷津1-13-17
TEL.047-470-8090
営業時間:11:00~19:00
定休日:火曜日、第2・第4水曜日
アクセス:JR津田沼駅 南口より徒歩約5分
駐車場:なし(近隣にコインパーキング多数あり。商品購入で料金補助もあり)
HP:https://yoshiki-p2.com/
KEYPOINT【1】最初は湯を沸かすだけで十分
「最初は料理をしようと張り切らず、お湯を沸かすだけで十分です」と時男さん。宿泊から自炊まですべてを完璧にこなそうとすると、準備も荷物も一気に増えてしまう。山では風や寒さのなかで長時間の調理は不向き。

まずはインスタントラーメンを煮る、アルファ化米を戻す、レトルトを湯煎するなど、できることから始めればいい。お湯が使えるだけで食の選択肢は広がる。無理なくつづけられる形を探すことが、テント泊を長く楽しむ近道だ。
まず揃えるべきアイテム
テント泊の食事にむけて、まず揃えるべきは、熱効率のいい小型バーナーと軽量コンパクトなクッカー(鍋)。これに最低限のカップや器、折りたたみ式のカトラリーがあればこと足りる。インスタントラーメンやアルファ化米、レトルトの湯煎といった基本的な調理はこなせる。最近では無印良品やカルディなど、クオリティの高いレトルトが充実しているので、へたに作るより満足感の高い食事にすることもできる。また特別な専用品にこだわらなくても、自宅のプラスチック椀などで代用も可能。火を安全に扱えるシンプルな構成が、結果的に軽量化にもつながる。最初は“ミニマムセット”で十分だ。
●バーナー
プリムス/153ウルトラバーナー‥‥¥8,800
●クッカー
エバニュー/Ti U.L.ポット600‥‥¥6,050
●カップ・皿
ウィルドゥ/フォールダーカップ‥‥¥770、ビッグ¥990
●カトラリー
ユニフレーム/カラカト‥‥¥880
ダグ/ウッドスティック‥‥¥1,980
複数人なら‥‥
Ti U.L.ポット600+900‥‥¥12,650
KEYPOINT【2】水の運搬について
テント泊登山では、日帰りと違い行動中の飲み水に加えて調理用の水も必要になるため、水分管理の考え方が大きく変わる。「行動用とテント場用は分けて考えるのが基本です」と時男さん。
Photo / C.Omori
調理には1食あたり500~600mlを目安に、食事中の飲み水も含めると約1Lを見込むと安心だ。ソフトボトルのウォーターキャリーは調理用の真水を運搬するのに適し、中身が減るにつれて圧縮できるので便利。万一に備え浄水器を備えておけば行動の幅も広がる。
水の運搬ソフトボトル
プラティパス/プラティ2Lボトル‥‥¥2,750
浄水器
ソーヤー/ミニSP128‥‥¥5,500
テント場に水場が備わっている場合は、季節によって涸れていないか、煮沸なしで飲めるかなど事前確認を。重い水を大量に担がずに済む浄水器も便利で、雪解け水や沢水も活用できる。
読者モデルの素朴なギモン
【Q】
肉などの生ものはどうやって持って行きますか?
【A】
暑い時期の生ものは基本的にオススメできません。常温保存できる食材が安心。
Photo / C.Omori
基本的に暑い時期に生ものを持っていくのはおすすめしません。重くなるうえ傷みやすく、気温が高いと腐敗のリスクもあり、調理に時間がかかるのも負担です。どうしても持参するなら、肉やソースを凍らせる方法を活用し、食材は必ず初日に消費を。このように生ものは考えることも増えるため、慣れないうちは常温保存できる食材が無難です。

※この記事はPEAKS[2026年5月号 No.177]からの転載であり、記載の内容は誌面掲載時のままとなっております。
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PEAKS 編集部
装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。
装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。






















