
オルベアが新型Orca Aeroを発表 ライダーと統合する設計で21W削減を果たした最速マシン|ORBEA
Bicycle Club編集部
- 2026年07月02日
INDEX
スペイン・バスク地方を本拠地とするオルベアが、ブランドの最速を担う旗艦エアロロード「Orca Aero(オルカエアロ)」の新型を発表した。フレーム各部の徹底的なエアロダイナミクス最適化に加え、ライダーのポジションまでを含めた「トータルシステムアプローチ」を採用。これらにより前作から実に21Wもの空気抵抗削減を果たした、次世代の超高速レーシングプラットフォームだ。
限界を打ち破るトータルシステムアプローチ

プロトン全体の平均速度が年々上昇し続ける現代ロードレースにおいて、機材の空力性能はもはや妥協の許されない領域にある。ロット・アンテルマルシェチームとともに数々の勝利を挙げてきた前作のOrca Aeroは、すでにプロトンで最速クラスの1台として評価されていた。しかし、オルベアの開発チームはそれに甘んじることなく、物理法則の限界に挑戦するべく次なるプロジェクトを始動させた。

新型Orca Aeroの開発において中核をなすのが「Total System Approach(トータルシステムアプローチ)」という思想だ。風洞実験やCFD(数値流体力学)解析を駆使して単に”速いフレーム”を作るだけでは不十分であり、実際の走行時にバイクとライダーがどのように相互作用し、いかにシステム全体のCdA(空気抵抗係数)を下げるかに焦点が当てられた。
ミリ単位の最適化でフレーム単体5.1W削減
まずフレーム本体の空力性能を極限まで高めるため、エンジニアは前面投影面積の削減に注力した。フロント周りは、標準的なステアラーコラムを採用しつつ限界まで細く鋭く成形されたヘッドチューブと、タイヤ幅や風のヨー角に関わらずダウンチューブとシームレスに繋がるフォークによって構成される。


解析の結果、気流制御において優位と判明した幅広いダウンチューブは、専用のエアロボトル&フラッシュボトルケージと連携することで高いエアロ効果を発揮。ダウンチューブ下部にはエアロフェアリングとして機能しつつパンク修理キットなどを収納できる「サービスボックス」が設けられ、BB周りへ流れる空気を滑らかに繋いでいる。

リアセクションに目を移すと、前世代よりさらにスリム化されたシートチューブ、そして接合位置を下げ、より細く作られたドロップド・シートステーが剛性と軽量性、快適性を絶妙なバランスで実現。さらに特筆すべきは、ボトムブラケット周辺に新たに採用された「キール(竜骨)構造」だ。この部分で気流の遷移領域を整流し、乱気流の発生を抑えることで大幅なドラッグ低減を達成している。

これらのフレーム形状の刷新に、超軽量な一体型カーボンハンドル「OC RA10」や、フレームとの隙間を最小限に抑える「OC RA11エアロシートポスト」などの専用コンポーネントを組み合わせることで、50km/h走行時にフレーム単体で5.1Wもの空気抵抗削減に成功した。
市場でもっとも低い78mmのBBドロップがライダーとの一体化を加速
新型Orca Aeroがもたらすアドバンテージは、風洞実験室でのデータにとどまらない。「トータルシステムアプローチ」の真骨頂は、システムの一部である”ライダー”の空力までも改善することだ。

その要となるのが、市場で最も低い設計となる「78mm」のBBドロップである。BB位置を下げることでライダー自身の重心が下がり、高速域でのスタビリティとコントロール性が飛躍的に向上。同時に、上体の不要な動きを抑えることで、風にさらされる前面投影面積を直接的に減少させる。

さらに、全13種類のサイズと最大40mmのスペーサー調整が可能なコックピット、そして2種類のオフセット(0〜15mm、15〜25mm)を持つリバーシブルクランプ搭載シートポストにより、ライダーそれぞれに最適なエアロポジションを提供。この結果、平坦路を50km/hで走行した際、ライダーの姿勢最適化による効果だけで約14Wもの空気抵抗削減をもたらした。フレーム単体の効果と合わせ、前世代比でトータル21Wのアドバンテージを生み出すことに成功している。
最大37mmタイヤ対応、現代ロードレースを見据えた拡張性
新型Orca Aeroは単なる平坦番長ではなく、現代の過酷なレースシーンを全方位で戦い抜くための拡張性と走行性能を備えている。特筆すべきはエアロロードでありながら最大37mm幅のタイヤに対応するクリアランスだ。


29〜35mm幅のタイヤ装着時に完全な空力性能を発揮するよう設計されており、パリ〜ルーベに代表される石畳や荒れた路面では、振動損失を抑えることで40km/h走行時に6〜7Wのパワーセーブが可能となる。
また、フレーム重量約900gという軽量性を誇りながら、93Nm/°というクライミングバイクに匹敵する高い剛性を確保。8%の勾配を17km/hで登坂する際、前作比で約2Wの効率向上を実現している。
フレームは電子式コンポーネント専用設計となり、ケーブル類は完全内装。リアエンドには次世代の業界標準であるユニバーサルディレイラーハンガー(UDH)を採用し、ステアリングにはハンドルの切れすぎによるフレームの破損を防ぐ90°の「Spinblock(スピンブロック)」リミッターを装備するなど、細部に至るまで最新のギミックが詰め込まれている。
最高峰の「OMXカーボン」を採用した全6モデル展開
新型Orca Aeroは、フラッグシップの証である「OMXカーボン」を使用したフレームセットをベースに、シマノやスラム、カンパニョーロのコンポーネントをアセンブルした全6モデルが展開される。足回りには、レスポンスとパワー伝達性に優れる自社ブランドの「OQUO(オクオ)」ホイールが組み合わされる。
カラーバリエーションは、グロスやマットを巧みに使い分けたレギュラーカラー4色に加え、オルベアが誇るカラーオーダーシステム「MyO(マイオー)」にも対応。自身だけの特別な1台を仕立てることも可能だ。
Orbea Orca Aero M10i LTD
価格:1,699,000円(税込希望小売価格)

- フレーム&フォーク:Orbea Orca Aero Carbon OMX disc
- コンポーネント:Shimano Dura-Ace Di2 R9250(パワーメーター付き)
- ホイール:Oquo Road Aero RA57LTD
- ハンドルバー:OC SH-RA10 Integrated
- シートポスト:OC Road Aero RA11 Carbon
Orbea Orca Aero M11e LTD
価格:1,699,000円(税込希望小売価格)

- フレーム&フォーク:Orbea Orca Aero Carbon OMX disc
- コンポーネント:Sram Red AXS(パワーメーター付き)
- ホイール:Oquo Road Aero RA57LTD
- ハンドルバー:OC SH-RA10 Integrated
- シートポスト:OC Road Aero RA11 Carbon
Orbea Orca Aero M21e LTD
価格:1,268,300円(税込希望小売価格)

- フレーム&フォーク:Orbea Orca Aero Carbon OMX disc
- コンポーネント:Sram Force AXS(パワーメーター付き)
- ホイール:Oquo Road Performance RP50LTD
- ハンドルバー:OC SH-RA10 Integrated
- シートポスト:OC Road Aero RA11 Carbon
Orbea Orca Aero M20i LTD
価格:1,133,000円(税込希望小売価格)

- フレーム&フォーク:Orbea Orca Aero Carbon OMX disc
- コンポーネント:Shimano Ultegra Di2 R8150
- ホイール:Oquo Road Performance RP50LTD
- ハンドルバー:OC SH-RA10 Integrated
- シートポスト:OC Road Aero RA11 Carbon
Orbea Orca Aero M22 LTD
価格:1,133,000円(税込希望小売価格)

フレーム&フォーク:Orbea Orca Aero Carbon OMX disc
コンポーネント:Campagnolo Record
ホイール:Oquo Road Performance RP50TEAM
ハンドルバー:OC SH-RA10 Integrated
シートポスト:OC Road Aero RA11 Carbon
Orbea Orca Aero M30i LTD
価格:963,600円(税込希望小売価格)

- フレーム&フォーク:Orbea Orca Aero Carbon OMX disc
- コンポーネント:Shimano 105 Di2 R7150
- ホイール:Oquo Road Performance RP50TEAM
- ハンドルバー:OC SH-RA10 Integrated
- シートポスト:OC Road Aero RA11 Carbon
なお、フレームセット単体(ORCA AERO OMX フレームセット)は507,100円(税込希望小売価格)で用意される。※国内価格は2026年6月時点のものであり、予告なく変更となる場合がある。
問:オルベアジャパン https://www.orbea.com/ja-jp
- CATEGORY :
- BRAND :
- Bicycle Club
SHARE
PROFILE
Bicycle Club編集部
ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。
ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。



















