
元世界王者アラフィリップが現役引退—宇都宮でも愛されたロード界のスター
Bicycle Club編集部
- 2026年08月22日
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フランスの元世界チャンピオン、ジュリアン・アラフィリップが2026年8月21日、現役引退を発表した。一部報道などで引退のうわさが報られていたなか、所属チームのチューダプロサイクリング公式サイトで本人が正式表明。「悲しみとしてではなく、限りない感謝とともに」という彼らしい言葉で、2度の世界選手権優勝を果たしたロードレース界のスターが競技人生に幕を下ろす。
「本能に従った」——なぜいま、引退なのか

フランス・レキップ紙などで引退のうわさは数週間前から報じられていたが、本人からの正式な発表は今回が初めてとなる。決断のタイミングについて、アラフィリップは自身のレーススタイルと重ね合わせて語った。 「私はいつも本能でレースをしてきた。数値に指示されてではなく、脚が燃えているときにアタックしてきた。引退の決断もそれと同じだった。トレーニングキャンプのある朝、『これが自分の最終年だ』——そう感じたんです」 今後は「メディア出演や追加声明は行わない」という方針を示し、「平和と静寂」を求めていると語る。とりわけ、息子との時間を大切にしたいという。
2度の世界チャンピオン——輝かしい戦績

アラフィリップの最大の勲章は、2020年イモラと2021年ルーヴェンで手にした世界選手権の2連覇だ。世界王者の証であるアルカンシエル(虹色ジャージ)を身にまとった姿は、多くのファンの記憶に刻まれている。 そのほかの主な戦績は以下のとおり。
- ミラノ~サンレモ(イタリア) 優勝(2019年)
- ストラーデビアンケ(イタリア) 優勝(2019年)
- フレーシュ・ワロンヌ(ベルギー)3度優勝(2018・2019・2021年)
- ツール・ド・フランス(フランス) マイヨジョーヌ着用 計14日間(2019年)
愛される世界チャンピオン——「早すぎたガッツポーズ」

華々しいキャリアの一方で、アラフィリップが最大の後悔として振り返るのは、2020年のリエージュ~バストーニュ~リエージュ(モニュメントのひとつ)でのフィニッシュだ。
「(笑)2020年のリエージュだ。腕を上げて、早すぎるガッツポーズをしてしまった。あれで一つのモニュメント(優勝)を失った。でも、それも私という人間なんだ」と、いかにもアラフィリップらしいコメントを残している。
日本でも愛された選手——ジャパンカップでの雄姿

日本のファンにとって忘れられないのが、2023年に宇都宮で開催されたジャパンカップサイクルロードレースでの姿だろう。虹色ジャージで古賀志林道の激坂を軽やかに登り、観客を沸かせたアグレッシブなレーススタイルは、日本の自転車ファンから絶大な人気を集めていた。
大怪我と困難な時期——「そばに残ってくれた人たち」への感謝

キャリア後半には、落車事故による大怪我と、成績不振で外野から厳しい声を浴びる苦しい時期もあった。
「肺を貫かれ、肋骨が折れ、肩甲骨も折れた。そしてその後の2年間、誰もが私の成績について意見を言った。それは時に、落車事故よりも痛かった」 そんな苦難を経てなお、彼の言葉には感謝があふれていた。
「私は持てるすべてを注ぎ、自転車競技は私にそのすべてを返してくれた。だからこそ、笑顔でこう言える——『私は引退する』と。悲しみとしてではなく、限りない感謝とともに。あらゆる登坂で私を押し上げてくれたすべてのファンへ——ありがとう。すべてに、ありがとう」 アラフィリップは、この引退が自分だけのものではないと語り、「この別れは、彼ら(ファン)のものでもある」と感謝を示した。
次のステージへ——「250日家を離れる生活とはお別れ」

2024年から所属したチューダプロサイクリングでは、若手選手の指導や、レース展開の読み方を伝える役割にも注力していた。今後は家族との時間、とりわけ息子との時間を優先していくと表明している。 引退後の生活について、彼はユーモアを交えてこう明かした。
「今のうちにひとつだけ言える——年間250日も家を離れる必要がなくなること、これだけは絶対に恋しくならない」 そして最後に、彼はこう言葉を締めくくった。 「これだけだ——私はしばらく、話すことも止めるつもりだ」 そう語り、今後はメディアや表舞台から距離を置くことを明らかにした。とはいえ多くのファンは、彼が競技文化に残したもの、そしていつの日か、別のかたちで自転車界に戻ってきてくれることを期待している。
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ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。
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