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初めてのテント泊は満開のニリンソウのなかで。テントでしか味わえないロケーションの醍醐味

装備を揃え、迎えた初めてのテント泊。 ひとりでテント泊デビューをするのに選んだのは、5月の上高地・徳澤でした。 私がこの場所を選んだ理由と、満開のニリンソウが咲くなか、テントですごした初めての夜に感じたことをお伝えします。

5月の徳澤がテント泊デビューに最適な理由 

ひとりテント泊デビューまでに悩んだのは、“どこでテント泊をするか”ということでした。 

じつは、装備を揃えてからその後、1年半ほどは山でのテント泊ができていませんでした。ひとりでテント泊をすることへの不安と、クマの問題などが重なったことが、大きな理由です。 その間、少しでも慣れようと、2回ほどキャンプ場でテント泊をしていました。 そうしてひとりテントですごしながら導き出した結論は、以下の4つの観点を基準に場所を選ぶということでした。 

1.ひとりでも安心してテント泊できる環境 
ソロ登山をするときもおなじですが、まったく人に会わないというのは(とくに女性は)、かえって怖いものです。そのため、ある程度有名で、平日であってもほかに複数テント泊をする人がいる場所にしようと思いました。また、近くに山小屋や人が常駐する施設があり、なにかあったら相談できる環境の場所を選ぶことに。 

2.寒くない時期に実行すること 
キャンプ場でテント泊をしたのは11月と4月上旬。冬本番ではなかったにも関わらず、夜は少し寒さを感じてなかなか眠りにつけませんでした。そのため、春から秋にまずはチャレンジすることを決めました。 

3.山を登らずにたどり着けるテント場 
食料や水まで含めたテント泊装備一式を詰め込んだバックパックの重さは、14㎏前後になります。 

いままで、その重さを背負って山を登ったことはありません。ただでさえ私は登りが苦手なので、最初のテント泊では装備を背負って登る行程のない場所にしようと思いました。 

4.クマによる事故が近年起きていない場所 
ひとりでテント泊をするときに一番不安なのがこのクマ問題です。少しでも遭遇の確率を減らすために、なるべくクマの目撃情報が少ない場所や、事故が起きていない場所を選ぶことにしました。 

 そして、この4点を考慮して、テント泊デビューの場所に選んだのが5月の徳澤。 

徳澤キャンプ場を運営する山小屋・徳澤園は、キャンプ場の目の前にあります。ここを起点に槍ヶ岳や蝶ヶ岳、穂高連峰などを目指す人が通過する場所にあるため、いつも賑やか。私も何度か山行途中に徳澤園でランチ利用をさせていただいたことがあり、キャンプ場の明るく心地よい雰囲気も知っていました。 

付近ではクマの目撃こそあるものの、徳澤では事故は起きていません。そして、さらに安心だったのが、一緒に行く友人の存在でした。友人はテント場のすぐそばにある徳澤ロッジに宿泊。ひとりになるのはひと晩だけ。心理的な不安が一気に小さくなりました。上高地バスターミナルからほぼ起伏のない道を歩いて約2時間でたどり着く立地も、近すぎず遠すぎず、初心者にはちょうどよい。ニリンソウが満開になる5月中旬に予定を合わせていざ決行! 

衣食住のすべてを背負ってニリンソウ咲く幸せロードと初めてのテント泊 

徳澤がテント泊初心者に良い理由はほかにもあります。上高地バスターミナルからの道中、食事のできる場所が点在しているため、それほど食料を持ち歩かなくてもいいのです。 泊まる日の夜と翌日の朝の2食のみ、クッカーひとつで調理できる食材を持ち、早朝上高地に到着してからの朝・昼ごはんと翌日の昼ごはんは、途中の食堂やカフェで食べることに。個性ある魅力的な食堂が多く、どこで食べようか考えるのも楽しい♪

▲Café do koisyoのバナナのタルト 。

ニリンソウは満開のピーク。歓声を上げつつ、たくさん写真も撮りました。休憩を含めて徳澤までかかった時間はコースタイムの3倍以上!けれど、この日の目的地は徳澤までなので、これで計画どおり。時間に余裕のある行程も、気持ちにゆとりがありよかったポイントです。 

友人に見てもらいながら、テントの設営にかかった時間はおよそ30分。目の前にニリンソウのお花畑が広がるこのロケーションは、今回もっともテント泊をしてよかったと思えること。テントでなければこんなに近くで寝起きすることなんてできません。夜ごはんを作りながら、朝はコーヒーを飲みながら、お花を眺める。それはまさに、至福のときでした。最高の景色のなかに身ひとつですごせる。テント泊の魅力のひとつはこの距離感なのだと思いました。 

▲ニリンソウの目の前に設営したテント。
▲夜ごはんはTSURUYAのグリーンカレーにゆで卵を添えて。

初めて迎えるテントの夜。鳥や動物の鳴き声が夜のあいだずっと聴こえてくることに驚きました。鳥って夜も鳴いているんだ!(フクロウなどもいるのだから当然なのですが)。薄い布越しに感じる、知らなかった夜の山の気配に圧倒され、ほぼ眠ることはできませんでした。 

夜の山は動物の世界で、人がいるべき場所ではないような気さえしてきます。自分の非力さをひと晩中感じるなか、本来、動物の中での人間の強さってそんなものなのかもしれない、と改めて思いました。人が自然を支配できるというような考えは、立ち位置として違っているんじゃないかな……。自然のなかの主人公は、人ではないんだな……。そんなことをぼんやり考えながら夜をすごしました 

 朝、テントの布を通して周囲の明るさを感じます。ファスナーを開けると、朝露をまとったニリンソウが輝いていました。昨日と同じ景色なのに、朝の景色が違って見える。今日も新しい一日がはじまります。 

初めてのテント泊は、ドキドキと幸せが交互に訪れ、気持ちが忙しなく感じました 新たな山との距離感に慣れて、落ち着いて幸せをかみしめられるようになりたいと思います。 

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PROFILE

Mt.ランドネメンバー

Mt.ランドネメンバー

山や自然をこよなく愛し、自分たちの“好き”を共有するコミュニティーサービスの一員。会員限定イベントなどを通じて、山や自然の新しい魅力を見つけたり、自分らしいアウトドアを楽しんでいる。

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