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2030年冬季五輪へ新自転車競技シクロクロスとグラベルの採用が見送りに。IOCが雪と氷の原則を堅持

国際オリンピック委員会(IOC)は、2030年にフランス・アルプス地域で開催される冬季オリンピックにおいて、シクロクロスやグラベルといった「通年競技」の採用を見送ることを決定した。「冬季五輪は雪と氷の競技に限定する」という基本原則を堅持する方針で、期待されていた自転車競技の冬季五輪デビューは2034年大会以降へ持ち越しとなった。

雪と氷の原則を堅持 2030年フランス・アルプス大会での採用は見送り

5月7日、スイス・ローザンヌで行われたIOC理事会後の記者会見にて、2030年冬季オリンピックにおける競技プログラムの基本方針が発表された。一時、正式採用の可能性が報じられていたシクロクロスやグラベル、そしてトレイルランニングといった夏系・通年型の「クロスオーバー競技」について、IOCは明確に導入を見送る姿勢を示した。

記者会見に登壇したIOCのカースティ・コベントリー氏は、「6月に競技プログラムの投票が行われるが、夏季競技および通年競技を含めないことはすでに決定している。雪と氷の競技のみとなる」とコメント。冬季五輪のブランドと存在意義を保守する方針を強調した。

背景にあった「フランス・アルプスの地の利」

自転車ファンにとって、シクロクロスの冬季五輪種目化は長年の悲願だった。そして今回の2030年大会では、開催地となるフランス・アルプスの地形的特性を最大限に生かすアイデアとして、その機運がかつてなく高まっていた。

2030年大会の責任者を務めるエドガー・グロスピロン氏は昨年12月、雪のない低地エリアの活用策として、グラベルやシクロクロス、トレイルランニングといったアウトドア競技の追加を提案していた。

「標高1,000mから2,500mのエリアには雪があり、すべてのリゾートが揃っている。しかし、標高0から1,000mのエリアには素晴らしいフィールドがあるにもかかわらず、五輪で活用できるものがない。だからこそ、そこでアウトドア競技の実施を考えていた。その側面を世界に見せないのは本当に惜しいことだ」とグロスピロン氏は語り、広大なアルプスの自然をアピールする絶好の機会だと捉えていた。

さらに、これらの競技は既存のインフラや自然の地形を活用できるため組織コストが低く抑えられるメリットがあった。また、雪国の環境を持たないため冬季競技のメダル獲得が難しい国・地域の参加を促し、オリンピック全体の人気と参加率向上に繋がるとIOC内部でも期待する声があったという。

既存連盟の反発と、2034年ソルトレイクシティ大会への「含み」

しかし、この革新的な提案に対し、既存の冬季競技連盟は強く反発した。夏季競技や通年競技が導入されることで「冬季オリンピック」というブランド自体が希薄化することへの懸念に加え、UCI(国際自転車競技連合)やワールドアスレティックス(世界陸連)といった巨大な競技連盟と、限られた収益を分配しなければならなくなることが大きな障壁となったと報じられている。

一方で、今回の方針はあくまで「2030年大会」に限定された判断だ。コベントリー氏は「どのような形で革新的な新競技や種目をプログラムに組み込むべきか、引き続き検討する必要がある」と述べ、2034年に開催されるアメリカ・ソルトレイクシティ大会での採用の可能性については「十分にあり得る」と将来への含みを持たせた。

ただし同時に「大会規模がこれ以上肥大化し続けることは答えではない」とも釘を刺しており、今後の道のりが決して平坦ではないことを示唆している。

ロードレースやマウンテンバイク、BMXに続く新たな五輪種目として、冬の祭典でシクロクロスやグラベルレーサーたちが熱戦を繰り広げる日は来るのか。2034年大会に向けた今後のIOCおよびUCIの動向に、引き続き注目が集まる。

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Bicycle Club編集部

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ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。

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