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夏の北アルプステント泊 はじめの一歩と装備計画②「ギア選びの実践基準・山岳テント」編|PEAKS 2026年5月号

前回の「テント泊装備の基本構成」編でテント泊装備の全体像をつかんだら次は選び方。失敗しないための実践基準を時男さんから学び、北アルプスに通用する重要装備を見極めよう。本記事ではテントの選び方を紹介!

文◉福瀧智子
写真◉加戸昭太郎

山岳テントの選び方

山岳テントは、広大な自然のなかで自分を守る“山の家”だ。強風や雨にさらされるような環境でも安心して眠り、休息をしっかり取れるかどうかは、翌日の行動も左右する。

設営のしやすさや耐候性、サイズ感など、選び方次第で快適さも大きく変わる。ここからは時男さんの視点を交えながら、その基準を具体的に整理していこう。

KEYPOINT【1】設営が直感的かどうか

初めてのテント泊では、設営のしやすさがテント選びの大きな判断基準になる。疲れて到着したテント場や、風雨のなかでも迷わず立てられるかどうかは、安全性にも直結するからだ。ポールの通し方や手順が複雑なモデルは、慣れないうちは思う以上に時間がかかることも。「設営は直感的にできることが大事。体力が落ちているときほど差が出ます」と時男さんが話すように、ファーストテントは扱いやすさを優先したい。

Photo/C.Omori

ポールを交差させて吊るタイプや、本体のスリーブ(筒のような部分)にポールを通すタイプが基本。

KEYPOINT【2】高い耐風・耐候性

北アルプスでは天候変化が早く、強風や雨にさらされる場面も少なくない。

Photo/T.Fukutaki

こうした環境で安心して一夜をすごすには、耐風性・耐候性の高いテント選びが不可欠。とくに初めてのテント泊では、フライと本体の二重構造で雨や結露に強いダブルウォールが扱いやすい。

一方、生地一枚で軽量なシングルウォールは携行性に優れるが、結露対策や設営場所の見極めも重要。過酷な環境下で確実に身を守れるかを基準に選びたい。

KEYPOINT【3】出入り口と前室の使い勝手

出入り口の位置や前室の広さは、テント内の居心地を左右する重要な要素。短辺側に出入り口があるタイプは構造がシンプルで軽量、省スペースで設営できる反面、出入りの際に奥へ潜り込む必要がある。一方、長辺側に出入り口があるものは出入りが容易で、前室も広く取れるため快適性が高い。「室内にいる時間が長い雨の日ほど、前室の使いやすさが効いてきます」と時男さん。

<短辺タイプ>
短辺側に出入り口を設けた軽量設計。混雑したテント場でも隙間に張りやすいのが利点だが、荷物の出し入れはやや手間。日本の稜線テント場で主流のテントレイアウト

<長辺タイプ>
長辺側に設けた出入り口が大きく開く設計。開口部が広く開放感が高い。また前室も広く取れるため荷物置き場や雨天時の調理にも使いやすい。設営面積はやや広めに必要となる

KEYPOINT【4】人数表記を鵜呑みにしない

テントに表記されている「1人用」「2人用」といった人数は、あくまで最低限のスペースを基準にしたもの。

実際に快適にすごせるかは体格や荷物の量、どれだけ空間に余裕を持ちたいかで変わる。「ソロでも2人用を使う人もいますし、1人用で十分な人もいる。寝返りのしやすさや荷物の置き場を考えると、気持ちに余裕が生まれる広さが大切」と話す。数字にとらわれず、自分に合ったサイズを見極めよう。

<ソロ>
室内幅約90cmは一般的なソロ用テントのサイズ。体格の大きい男性にはやや窮屈に感じる場合もある

<広めのソロ>
室内幅広めの設計。荷物置き場や雨天停滞を見越すなら広めのソロ(または2人用)の余裕が安心だ

読者モデルの素朴なギモン

【Q】
キャンプ用のテントは登山でも使えますか?

【A】
使えないことはありませんが、登山には推奨されません。山岳テントを買いましょう!

2人用のキャンプ用テント(左)と山岳テント(右)の収納サイズ比較。写真はモンベル/クロノスキャビン2とステラリッジ2

キャンプ用テントが登山に向いていないのは、居住性を重視しているため重くかさばり、背負って長時間歩くには負担が大きいから。強風や雨など山の厳しい環境への耐性も山岳用ほど高くなく、設営スペースが限られる場所では張れないこともあります。自立式・吊り下げ式などすばやく設営できる点も大切。登山ではやはり山岳用テントを選びましょう。

 

<教えてくれたのは>

ヨシキ&P2・吉野時男さん

ヨシキスポーツ取締役社長。幼少期から大学までは競技スキーに打ち込み、現在は仕事を含めあらゆる登山スタイルで年間130日近く山に入る。本企画では時男さんと呼ぶ。

<PEAKS読者モデル>

下田 翔さん

職場仲間の誘いで登山を始め、現在6年目。北アルプスを中心に日帰り登山に打ち込んでいたが、テント泊熱が抑え切れず読者モデルに応募。好きなブランドは山と道。

吉野美紀さん

元ワンゲル部で、前穂・奥穂や立山などのほか、海外登山も経験があるが、テント泊は未経験。きっかけづくりに今回応募。使いやすさが一番のモンベル好き。職業は栄養士。

<SHOP INFORMATION>登山者を現場目線で導く「ヨシキ&P2」

千葉県習志野市にある山とスキーの専門店。登山やクライミング、BCスキーなどまで山遊びの道具を網羅し、実践で磨かれた目線で選び抜いたウエアやギアが並ぶ。
通好みの品揃えと確かな提案力で、マニアも唸るお店だ。

住所:千葉県習志野市谷津1-13-17
TEL.047-470-8090
営業時間:11:00~19:00
定休日:火曜日、第2・第4水曜日
アクセス:JR津田沼駅 南口より徒歩約5分
駐車場:なし(近隣にコインパーキング多数あり。商品購入で料金補助もあり)
HP:https://yoshiki-p2.com/

 

夏の北アルプステント泊 はじめの一歩と装備計画③「ギア選びの実践基準・寝袋&マット」編|PEAKS 2026年5月号

夏の北アルプステント泊 はじめの一歩と装備計画③「ギア選びの実践基準・寝袋&マット」編|PEAKS 2026年5月号

2026年06月26日

※この記事はPEAKS[2026年5月号 No.177]からの転載であり、記載の内容は誌面掲載時のままとなっております。
※最新の情報を直接ご確認の上ご計画ください。

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装備を揃え、知識を貪り、実体験し、自分を高める。山にハマる若者や、熟年層に注目のギアやウエアも取り上げ、山との出会いによろこびを感じてもらうためのメディア。

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