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セオリーを軽やかに飛び越える、山荘飯島・田窪 朗の自由な道具選び | Life × Nature あの人の「スタイル」

道具は「スタイル」の象徴だ。アウトドアとの向き合い方と、日々の暮らしが溶け合うあの人のスタイルを探り、愛用品を紹介する本連載。

第4回は、アウトドア好きの間で注目を集める登山用品店、山荘飯島を営む田窪 朗さんに話を聞いた。

編集◉宮﨑真里江 Edit by Marie Miyazaki
写真◉熊原美惠(スタジオ)

「登山でもやってみる?」軽いノリから始まった、意外な山歴

小田急線・経堂駅と京王線・桜上水駅の真ん中あたり。駅から離れた落ち着いた趣の住宅街に、山荘飯島は店を構える。決して便利とはいえない立地だが、ファッションとアウトドアを横断するその感性に惹かれ、休日ともなれば熱心なファンが絶えず足を運ぶ。

田窪さんが登山に出合ったのは2012年のこと。20代半ば、転職の合間にふと訪れた1カ月ほどの休暇がきっかけだったという。

「地元・栃木の友人とBBQをしたり川で遊んだりしていた延長で、『ちょっと山登りでもしよう』という本当に軽いノリだったんです」

▲2025年9月に4日間の休みを取得し、旅した北海道。田窪さんいわく「登山を始めたころの楽しさを思い出した。今年もまた足を運びたい」。写真:本人提供

当時はこれといった趣味もなく、ただ「なにかアクティブなことをしたい」という漠然とした思いだった。大した登山も経験もないままに、最初に向かったのは、都内のハイカーたちにとってもなじみ深い御岳山。

「1回目からすごく楽しくて、そこから月1・2回のペースで通うように。その次に登った塔ノ岳の道中で『富士山のほうが楽だよ』なんて声をかけられて、その気になってじゃあ行ってみようかと。当時はまだ若かったこともあって、いきなり標高0m(※)から登りました」

その夏には、絶景の稜線で知られる白馬三山を縦走。雲海の美しさやテント泊の醍醐味に触れ、田窪さんは山の世界へと引き込まれていった。

※富士登山で主流なのは、バスなどで移動して吉田口(5号目。標高約2,300m)から登り始めるもの。

【田窪さんの愛用品①】パストルノヴァのウールTシャツ。「生地が別格。世界一のウールTシャツだと思っています。1年前に購入してから、繰り返し着用して何度も洗っていますが、全然よれない。ウールの混率が95%と高く、生地も少し厚みがあるので、山ではミドルレイヤー的に着るのもおすすめです」

初心者時代の「めちゃめちゃな道具」が、スタイルの原点に

山荘飯島ならではのユニークなセレクションをおもしろがり、店にはデザイナーや音楽関係者など、スタイルにこだわりをもつ人々も常連として顔を出す。そんな独自の空気感の根底には、登山を始めたころの田窪さんの自由すぎる「初期スタイル」がある。

「登山を始めたばかりのころは、ネットオークションで買った、背面長も合っていないバックパックを背負ったり、普通のコットンTシャツで登ったり。いま思うと登山服選びのセオリーからは完全に外れた『変な格好』でしたね」

ファッション系のセレクトショップで山で使えそうな服を探したり、エスニックなタイパンツにゲイターを合わせて山を歩いたこともあった。一見すると「めちゃくちゃ」なその試行錯誤こそが、いま山荘飯島の店作りの核になっている。

「登山ってこれくらいの格好でもイケるんだな、というあのころの感覚が山荘飯島の原点なんです。ルールに縛られすぎなくてもいい。その実体験が、この店の自由なアイテム選びにも繋がっていると思います」

【田窪さんの愛用品②】迷迭香の別注コマンドキルトスカート。「登山を始めたころに見かけたアウトドア用のスカートが、ずっと忘れられなくて。いまの時代ならお客さんにも受け入れてもらえるかもと、迷迭香のデザイナーに相談して作ってもらいました。ユニセックス仕様だし、どう着るかも自由。バックスタイルのプリーツを、あえて前に少しずらして穿くのもいいと思います」
▲2026年2月、秋田の樹氷平にて。別注スカートの下にはプリマロフトのパンツを。道具は現地でレンタルし、この日はスノーハイクを楽しんだ。

理屈よりも直感。アイテム選びの基準は「かっこよさ」

田窪さんは山荘飯島をオープンする以前に、オーダーメイド服の生地商社と、トラッドに定評があるアパレルメーカーでのキャリアを歩んできた。この経歴こそが、現在の店作りにおける揺るぎないベースとなっている。

「前職の経験があるからこそ、ファッションブランドとの別注アイテムなど、自分の背景を素直に活かした山荘飯島ならではの提案ができているのだと思います」

田窪さん自身、山の服と街の服をシームレスに捉えており、好きなもの、嫌いなものがないと笑う。学生時代のストリートから始まり、古着、イタリアンシックと、あらゆるファッションを通過してきたからこそ、山荘飯島のセレクトには決まったスタイルがない。いい意味で柔軟に「ブレる」こと。それがこの店の個性であり、強みだ。そんな柔軟なスタンスを支える基準は、じつは驚くほどシンプルである。

「結局は、それが本当に『かっこいいか』、そして『自分が着たいか』という直感。理屈で考えるよりも、自分の感覚を信じて選ぶことが、結果として山荘飯島らしい提案になっている気がします」

【田窪さんの愛用品③】山荘飯島のオーダーメイドシャツ。「生地はもちろん、襟型やポケットなどを選べるパターンオーダー。僕の私物は、コットン60%・ナイロン40%の生地。速乾性がありつつ、素肌に着ても気持ちいい。すぐ乾くので匂いも残りにくい。山でも街でも、年中着ています」
【田窪さんの愛用品④】BAL(バル)の別注ソフトシェルパンツ。「裏地のウール混起毛素材が優秀で、スノーハイク程度なら、これ一枚でいけるほど保温性が高い。街着としても、すっとなじむデザイン。BALとの別注は3作目ですが、自分でも納得のいく仕上がりになって、お客さんからの評判もいいですね」

山に向き合う2026年。この場所を大切に、群れずにやりたい

アルプス縦走などハードな登山経験を経て、現在は「気軽なテンションの山」が好きだという田窪さん。たまの自由な休日には、日帰りが可能で、運動がてらに登れるような都内近郊の山へ出かける。山が生活のすべてではなく、マイペースに楽しむのが彼のスタイルだ。

「昨年、北海道や東北など、遠方の山を旅したことでリフレッシュできた。今年は個人的にも店としても、いまよりもっと山に向き合いたい。登山でしっかり使えるギアも増やしていこうかなと。山でお米を炊くのが好きなので、クッカーなどの基本的な道具を改めて提案するのもおもしろいかもしれません」

【田窪さんの愛用品⑤】ディガウェルの別注ベスト。「個人的に大好きだったディガウェルのベストを、生地を変えて別注。短丈で身幅がタイトすぎず、ユニセックスで着られるデザインが気に入っています。裾のコードを絞って着るとウエストポーチがしやすいというメリットも。お客さんからの評判もとてもいい一着です」

注目を集める店だけにイベントへの誘いも多いが、今年はホームである世田谷での活動に集中したいという。

「登山ブームのいまだからこそ、いい意味で群れずに、この場所を大切にしながら実力を培っていきたい。しっかりやっていきたいですね」

「かっこよさ」を入り口に、独自の視点で選ばれた道具たち。田窪さんの軽やかな挑戦は、セオリーという枠を超え、私たちの山歩きをより自由なものへと広げてくれる。

  • 山荘飯島
    東京都世田谷区船橋5丁目20-14 パル千歳 1C
    Instagram:@sanso_iijima

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PROFILE

VINAVIS 編集部

VINAVIS 編集部

アウトドアフィールドへ誘うメディア、そして自然のなかにいるような心地よさと冒険心をもって生きる人々を応援する新メディア。厳しい自然環境で磨かれた「機能美」や「哲学」を、都市生活というフィールドにマッチするシーンにを訴求します。またアウトドアで使われる機能やアイテムに触れることで、意識せずに自然とフィールドへと近づいていく気運を醸成します。

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