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高尾山で食べる「リボリータ~乾物出汁のコールドソーク仕立て~」│天上のレストラン

「天上のレストラン」は、山がつくり出す“最高のコンディション”で味わうグルメ体験を届ける企画です。最高の景色、澄んだ空気、歩いてきた温度──味わう人の状態そのものが整う場所だからこそ、料理はより深く響きます。

MOUNTAIN GOURMET LAB.がお届けするのは、そんなロケーションと調和するひと皿。景色 × コンディション × シェフの工夫が重なるとき、このレストランは静かに開店します。

冷えた体に沁みわたる、熱々の煮込みスープ

湯気の立つリボリータをひと口。ベーコンとトマトの旨みに、白インゲンの甘み。黒キャベツのほろ苦さ。スープを吸ったパンがとろりとほどけ、冷えた体にじんわり温かさが広がります。この日の高尾山は、あいにくの霧雨。「今日はしっとりした山歩きになりそうですね」と田嶋シェフ。こんな天気の日は、温かい料理がいっそう楽しみになります。

田嶋シェフのバックパックには、ドライトマト、切り干し大根、乾燥キノコを水に浸したタッパー。歩いているあいだにゆっくり戻り、ちょうどいい出汁になる“歩きながらの仕込み”です。霧に包まれた木々からぼたぼたと雫が落ち、足音だけがゆっくり響く。

雨の日の高尾は、森の気配がいつもより近く感じられます。頂上では思いがけず人も少なく、記念写真もゆっくり撮れました。本当は、もみじ台でランチの予定でした。山頂から少し足を伸ばすだけでぐっと人が減る、気持ちのいい場所です。でもこの日は霧雨。そこでさらに先の一丁平まで歩き、東屋へ向かいました。

テーブルにクロスを広げ、田嶋シェフが鍋に火を入れる。それだけで、休憩所がダイニングに変わります。仕上げにオリーブオイルをひと回し。冷えた体には、この一皿が本当にありがたい。晴れた日の絶景ランチもいい。でも、霧雨の山で食べる温かい料理も悪くない。この日もまた、天上のレストランでした。

山で食べるリボリータ 乾物出汁の ~コールドソーク仕立て~

「トスカーナの家庭料理リボリータは“煮直して食べる”料理です。今回は山で仕上げることを前提に、タマネギ・ニンジン・セロリを細かく刻み、オリーブオイルでじっくり炒めた香味野菜のベース(ソフリット)に紅芯大根と黒キャベツを加えてくたくたに煮炒めしておきました。乾物はコールドソークで戻しながら登り、現地で再加熱。下ごしらえと山の合理性を重ねた煮込みです」(シェフ田嶋)

材料(3人分)

◎コールドソーク出汁

・ドライトマト 20~30g

・乾燥キノコミックス 10~15g

・切干大根 15g

・水 450~500ml

※登山中に復水

◎事前仕込み(自宅)

・ニンニク 1片

・玉ねぎ 約70g

・ニンジン 約40g

・セロリ 約40g

(以上でソフリット約150g)

・紅芯大根(葉付き) 約140gくらい(カブや大根などでも可)

・黒キャベツ 約100g(葉野菜なら代用可)

・オリーブオイル 適量

◎山で仕上げ用

・白インゲン豆(水煮パック) 1パック(約250g・液体ごと使用)

・余った生ハムまたはベーコン 適量(あれば)

・固くなったパン 100?150g

・オリーブオイル 適量(仕上げ多め)

・塩・黒胡椒 適量

※材料は基本あるものでいいんですが、ソフリットと、白インゲン、あとはなんか葉野菜をくたくたに煮るのが基本です。

作り方

◎事前仕込みの工程(自宅)

①ニンニク、 玉ねぎ・ニンジン・セロリをみじん切りにする。

② オリーブオイルで弱火から中火でじっくり炒め、甘みを引き出してソフリットを作る。

③ 紅芯大根は小さめの角切りにし、葉は刻む。

④ ソフリットに紅芯大根を加えて炒める。

⑤ 最後に黒キャベツを加え、全体がくたくたになるまで煮炒めする。

⑥ 粗熱を取って保存。

※すべて適宜刻んで煮炒めしておく!と覚えておけばOKです。

◎山での作り方

① ドライトマト・乾燥キノコ・切干大根を水に入れ、登山中にコールドソークする。

② 鍋に余った生ハムまたはベーコン(あれば)を入れて軽く炒め、脂を出す。

③ 事前に煮炒めしておいた野菜を加え、その脂で温め直す。

④ 白インゲンを液体ごと加え、温まったところで半量ほど潰してとろみをつける。

⑤ コールドソーク出汁を乾物ごと加えて温める。

⑥ 塩で味を整え、ちぎったパンを加えて軽くなじませる。

⑦ 仕上げにオリーブオイルをたっぷり回しかけ、黒胡椒を挽く。

ポイント

・白インゲンは先に温めてから潰すと扱いやすく、自然なとろみが出る。

・乾物は歩きながら戻すことで時短と旨味抽出を両立。

・事前に野菜を煮炒めしておくことで運びやすく、味がまとまる。

・仕上げのオリーブオイルがコクと満足感を高める。

お茶、最高です!

山ごはんを作る前に一息。温かいがウーロン茶を飲むと、体と心がほっとします。

Boundless Voyage Outdoorのチタン製茶器と、トランギアのアルミケトル。茶器はスタッキングできるのが◎。

高尾山 (東京都・八王子/標高599m)

東京都民にもっともなじみ深い山といったらこちらでしょう。バリエーション豊かなルート、季節や天気によって見せてくれるさまざまな表情。何度登っても発見がある名峰です。にぎやかな山頂を避けて、奥高尾方面に少し歩けば、もみじ台、一丁平といった静かなランチスポットが。

 

Access

車: 圏央道・高尾山ICから約5分。高尾山口駅周辺に駐車場はありますが、土日祝は混雑しやすいため、早めの到着がおすすめ。公共交通機関: 京王線「高尾山口駅」下車。駅から高尾山ケーブルカー清滝駅までは徒歩約5分で、ケーブルカーまたはリフトを利用して中腹まで上がることも。土休日には座席指定列車「Mt.TAKAO号」も運行しています。 

山行

歩行時間: 高尾山口駅~清滝駅(ロープウェイ)~高尾山駅~ 1号路~山頂~紅葉台~一丁平/約2時間。

MOUNTAIN GOURMET LAB.

「山でこそ“本当においしいもの”を」。この信念のもと、マウンテングルメラボは誕生しました。バックパックに収まる軽さで、味はレストランクオリティ。調理効率と携行性を両立させたクラフト登山食ブランドとして、素材の選定から香り立ての演出まで、ひと皿ひと皿にこだわりを詰め込んでいます。登るからこそおいしい──その体験を、荷物を軽くしても、味の満足を妥協せずに。山頂で味わう特別な“時間”を、あなたへ届けます。

仕掛人 三好さん

クリエイティブ/ブランディングを手掛ける 株式会社パーク 代表取締役。山と食をこよなく愛し、「山をレストランに変える」という発想のもと、“運べるレストラン”という概念を提唱。食いしん坊としての視点から、登山時の荷物・調理・味のバランスに真摯に向き合っている。

シェフ 田嶋さん

東京・三宿「namida」オーナーシェフ、フードディレクター/namida works主宰。ソムリエ・唎酒師・ふぐ調理師、バンドマンなど多彩な顔をもつ。クリエイティブなレシピ開発にも取り組み、山で食べる“ごちそう”としての登山食を再構築。「ライムと筍のグリーンカレー」は味の変化と演出を意図して設計。

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ランドネ 編集部

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自然と旅をキーワードに、自分らしいアウトドアの楽しみ方をお届けするメディア。登山やキャンプなど外遊びのノウハウやアイテムを紹介し、それらがもたらす魅力を提案する。

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