
5月17日、笠置山で岩場のメンテナンスイベントを開催|筆とまなざし#461
成瀬洋平
- 2026年05月06日
クライミングが楽しめる環境を維持することを考える
喜界島の旅から帰ってからしばらくの間、笠置山にボルダー開拓に行っていた。昨年の春から開拓を始めた場所で、既存エリアも含まれている。「こんな立派な岩が手付かずなのか」と思う岩も多く、苔のびっしり生えた岩肌を掃除して登ってみると、じつはすでにトポ図に載っている岩だったりしておどろくことも度々だった。
岩場が公開されてから今年で17年。公開当初に開拓されたエリアでは、人気課題にはいまもチョーク跡が絶えないが、そうでない課題にはすっかり苔が生え、静かに自然に還りつつあるのだった。
岩に再び苔が生えて自然に還ることは否定されることではなく、ボルトを打たないボルダーの最大の魅力だとも思っている。いずれ、ボルダリングがされなくなったとき、人間の痕跡を残すことなく静かにまた悠久の時間が流れ始める。それは美しいことだと思う。人気のない課題が自然淘汰されることは自然なことだ(ただし、YouTubeで取り上げられているか否かによるところも大きい)。とはいえ、クライミングを楽しむ上では、岩場を登れる状態で維持することも大切で、それなりにメンテナンスが必要であることにも気付かされた。登山でいえば、登山道の整備のようなものである。
そんなこともあり、5月17日にアプローチ整備や岩の苔落としを含めた、岩場のメンテナンスイベントを行なうことにした。クライマー自身がクライミングを楽しめる環境を維持しようというものである。
地元の飲食店や特産品のブース出店、ラ・スポルティバとブトラのクライミングシューズ試し履き会、笠置山の散策ツアー、ボルダリングとトップロープクライミングの体験会も企画。クライマーもクライマーではない地元の方々も、改めて笠置山の魅力を再発見し、笠置山をまるっと楽しめる1日になってくれたらと思う。
公開から17年が経ち、地主の方々も高齢化し、ぼく自身も歳をとった。笠置山は新しいフェーズを迎えている。これからもクライミングが楽しめる環境をどのように維持していくのか。そのことをみんなで考えていきたい。
イベントの詳細はこちらから↓
https://www.kasagiclimbing.com/post/20260517
ぜひお気軽に遊びに来てください!
著者:ライター・絵描き・クライマー/成瀬洋平
1982年岐阜県生まれ、在住。 山やクライミングでのできごとを絵や文章で表現することをライフワークとする。自作したアトリエ小屋で制作に取り組みながら、地元の岩場に通い、各地へクライミングトリップに出かけるのが楽しみ。日本山岳ガイド協会認定フリークライミングインストラクターでもあり、クライミング講習会も行なっている。

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