
登山初心者必見のゴアテックス解説&最新ゴアテックスレインウエア5選【2025年】

平野美紀子
- 2025年07月25日
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登山中上級者はもちろん、「登山を始めたいけれど、どんなレインウエアを選べばいいか分からない」そんな悩みを持つ初心者にとって、もっとも頼れる素材がGORE-TEX(ゴアテックス)。急な雨、長時間の行動、寒暖差といった登山特有の過酷な環境下でも、衣服や体をドライに保ってくれる防水透湿素材の代表格です。
本記事では、そんなゴアテックスの仕組みについて解説しつつ、編集部が厳選したおすすめ5製品を紹介します。
編集◉PEAKS
文◉平野美紀子
写真◉熊原美惠(製品)
ゴアテックスが登山初心者に最適な理由とは?
低体温症のリスクを防ぐ
そもそもレインウエアはなぜ必要なのか。登山において、「濡れる」「蒸れる」は大敵です。衣服内の蒸れによって汗が乾きにくく、不快感を引き起こすだけでなく、体が濡れることで体力の消耗や低体温症のリスクも高まります。そのため、登山の際は防水透湿性に優れるレインウエアの携行は必須です。
防水透湿素材の代表格「ゴアテックス」
ゴアテックスは、アメリカのWLゴア&アソシエイツ社が開発・製造する、防水透湿性素材の商標名。雨などの水滴を内側へ通さず、汗の蒸気は外へ逃がす特殊なメンブレン構造により、非常に優れた防水性能を備え、衣類内をつねに快適に保ってくれます。いわゆる雨合羽のようなナイロンやポリウレタンのみの素材と比べても透湿性に優れ、悪天候や長時間行動時でも安心です。
- 水は通さず、汗の蒸気は外に逃がすメンブレン構造
- 透湿性が高く、長時間行動でも蒸れにくい
- 他素材に比べて快適性・安全性のバランスが良い
ゴアテックス以外にもさまざまな防水透湿素材がありますが、防水性能と耐久性を兼ね備えるゴアテックスの信頼性は抜群。登山における濡れ・蒸れをしっかり防ぐことを考えると、登山初心者でもゴアテックス素材のレインウエアを選ぶのがおすすめです。
ゴアテックスレインウエアの選び方|用途に応じて選べる豊富なバリエーション
構造・素材の両面で豊富なバリエーションをもち、使用環境に応じた最適な選択ができるのもゴアテックスの魅力です。登山初心者から上級者まで、目的とスタイルに応じた「ベストな一着」が選べます。
レイヤー構造の種類
構造 | 特徴 | メリット |
2.5層 | 表地+メンブレン+内側コーティング加工 | 裏地がないぶん、軽量かつコンパクトに収納可能 ePEメンブレンモデルでは展開なし |
3層 | 表地+メンブレン+裏地を強固に一体化 | 防風・防水性に加え、耐久性にも優れる 裏地があるため着心地がいい |
素材の種類
素材 | 特徴 | 想定シーン |
GORE-TEX | スタンダードモデル 防水性・透湿性・耐久性のバランスが非常に高く、無雪期の登山に最適 |
春のハイキングから夏のアルプス縦走。冬季も森林限界を越えない標高帯での登山にはマッチする |
GORE-TEX PRO | ハードな環境を想定した高位モデル おもに雪山向けモデルに採用。裏地がマイクログリッドバッカーとなり、ゴアテックスよりも高い耐久性を備える |
おもに森林限界を越える雪山や残雪期の高山。氷と岩が混ざるアルパインエリア、バックカントリーなど |
GORE-TEX INFINIUM | 裏地の縫い目をカバーするシーリングテープ処理されていないため、ゴアテックスよりも高い透湿性を備えた快適素材 | 通気性重視のウエアや、シビアな環境を想定せずに済むタウンユースなど |
次世代「ePEメンブレン」は環境にもやさしく進化
ePEメンブレンの特長
- PFCを使用しない環境配慮型素材
- 従来と同等の防水・透湿性能を維持しつつ、メンブレンのみの質量は軽くしなやかに
- リサイクル素材やPFCフリーの表地との組み合わせで、よりサステナブルな製品に
近年のゴアテックス製品では、従来のePTFE(延伸ポリテトラフルオロエチレン)素材から、新素材ePE(エコ・ポリエチレン)メンブレンへの切り替えが進んでいます。
従来素材のePTFEは高性能である反面、環境中で分解されにくく、長期にわたって残留し、生態系や人体に悪影響を及ぼす可能性を拭いきれないPFC(フッ素加工物質)を使用しており、環境に配慮したプロダクトとしては課題がありました。
ePEモデルではその課題をクリアし、高い防水・透湿性能はそのままに、環境への負荷を大幅に軽減、さらに軽さとしなやかさまで進化しました。そのためアウトドア業界の“PFCフリー”を象徴する存在として、高い注目を集めています。現在はまだ過渡期ですが、2025年の冬までにすべてのゴアテックス製品がePEメンブレンへ移行される予定です。
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編集部が厳選!ゴアテックスレインウエアおすすめ5選
1. Arc’teryx(アークテリクス)/ Beta Jacket(ベータ ジャケット)
過酷な環境下でも快適さを保つ、高性能オールラウンダー
立体デザインに磨きをかけた動きやすさと、裏地のC-KNITバッカーにより滑らかな肌触りを両立。フードや袖口、裾の調整機能も充実しており、雨風の侵入をしっかり防ぎます。軽量・コンパクトながら、タフな山行でも頼れるハイスペックな一着です。
- 軽量かつ耐久性の高い3層構造の80デニール GORE-TEX ePEを採用
- アークテリクス独自の立体裁断パターンにより、腕の可動域を妨げずクライミングや縦走登山に最適
- ストームフードや止水ファスナーなど、悪天候時の使用を想定したディテールが充実
価格 | ¥68,200(税込) |
素材 | 表地80デニール、GORE-TEX ePEメンブレン(3層) |
重量(サイズ) | 約375g(Mサイズ) |
サイズ | XS〜XL |
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Arc’teryx(アークテリクス)/ Beta Pant(ベータ パンツ)
同シリーズのパンツにもGORE-TEX ePEを採用。タフな山行で頼れになる防水パンツは、登山靴を穿いたままでも着脱しやすい3/4サイドジップ仕様など、ディテールにも抜かりなし。縦走や悪天候の山行に対応した信頼性の高い一本です。
価格 |
¥49,500(税込)
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素材 | 表地80デニール、GORE-TEX ePEメンブレン(3層) |
重量(サイズ) | 約308g(Mサイズ) |
サイズ | XS〜XL |
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2.MAMMUT(マムート)/ Crater 4 HS Hooded Jacket(クレーター 4 ハードシェル フーデッド ジャケット AF)
環境配慮と堅牢性を兼備。“アルプス基準”を軽快にまとう新世代シェル

PFCフリーの GORE-TEX ePE 3層に、表裏とも100%リサイクルポリエステルを採用。裏地には染色時の水の使用量を抑えるソリューションダイを施してサステナビリティへも強化されています。補強シールド付きヘルメットフードや脇下ベンチレーションなど本格装備を揃えつつ、街でも映えるバイカラーと初・中級者にも親しみやすいデザインも魅力です。
- 表地は100%リサイクルポリエステル表地&裏地はソリューションダイで環境負荷を低減
- 補強シールド付きヘルメット対応フード、脇下ベンチレーション、止水ツインポケットなど、アルパイン仕様を網羅
- レギュラーフィット、478 g(M)で取り回し良好。タウンユースにもフィットする洗練デザイン
価格 |
¥69,300(税込)
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素材 | 表地75デニール、GORE-TEX ePEメンブレン(3層) |
重量(サイズ) | 約478g(Mサイズ) |
サイズ | XS〜XXL |
3. THE NORTH FACE(ザ・ノース・フェイス)/Mountain Rounder Jacket(マウンテンラウンダージャケット)
登山だけでなくストリートでも使いたいスタンダードモデル

ザ・ノース・フェイスらしい特徴的なバイカラーデザインが目を引く、GORE-TEX ePE採用のジャケット。ヘルメット対応フードやファスナー付きハンドポケットなど本格的な登山仕様ながら、ボックスシルエットのためタウンユースにもマッチ。表地は適度な厚みの50デニールのリサイクルポリエステルで、透湿性と強度のバランスを両立しています。
- スポーティすぎないボックスシルエット
- ファスナー付きハンドポケット、ヘルメット対応フードなど、しっかり登山仕様も盛り込まれている
- スタッフサック付きでコンパクトに携行可能
価格 | ¥42,900(税込) |
素材 | 表地50デニール、GORE-TEX ePEメンブレン(3層) |
重量(サイズ) | 約370g(ウィメンズLサイズ) |
サイズ | S〜XXL |
THE NORTH FACE(ザ・ノース・フェイス)/Mountain Rounder Pant(マウンテンラウンダーパンツ)

ジャケット同様、GORE-TEX ePE素材を使用した3層構造の防水パンツ。靴を履いたままでも着脱がしやすいよう裾のファスナーがヒザ上まであり、歩行時の動きも考慮したパターンにより裾が上がりにくい仕様です。動きやすいのにタイトすぎないシルエットも魅力で、トールサイズとリラックスサイズの幅広い展開があるのもポイント。
価格 | ¥29,700(税込) |
素材 | 表地50デニール、GORE-TEX ePEメンブレン(3層) |
重量(サイズ) | 約270g(ウィメンズLサイズ) |
サイズ | S〜XL、TS〜TL、RS〜RL |
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4.mont-bell(モンベル)/テンペストジャケット
軽量・高性能・高コスパで初心者にもおすすめ

縫製箇所を極限まで減らした独自のパターン「K-Mono カット」を採用しており、防水性と動きやすさ、軽さを両立。そうした国内ブランドならではのていねいな作りに加えて手頃な価格帯も特長で、コストを抑えつつ安心感のある国内ブランドで選びたい方におすすめです。週末のハイキングから本格登山まで、幅広いシーンで活躍する頼れる一着です。
- 裏地はゴアC-KNITバッカーテクノロジーを採用し、肌触りなめらか
- 独自パターンにより、動きやすさや軽量性を備える
- 高コストパフォーマンスで、手が届きやすい価格帯
価格 | ¥35,200(税込) |
素材 | 表地20デニール、GORE-TEX ePEメンブレン(3層) |
重量(サイズ) | 約223g(ウィメンズMサイズ) |
サイズ | S〜XL |
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5. Haglöfs(ホグロフス)/ L.I.M Airak GTX Jacket(L.I.M エアラック GTX ジャケット)
ファストパッキングにも◎。超軽量でストレスフリーな一着

高機能かつシンプルなデザインで仕上げたL.I.Mシリーズらしい一着は、しなかやかでいて驚きの軽さを誇ります。裏地はゴアC-KNITバッカーテクノロジーによって肌触り滑らか、さらに立体パターンによって体の動きも妨げません。ファストパッキングや軽量志向の登山にもぴったりです。
- 約290g(Lサイズ)の超軽量設計。透湿性としなやかさに優れる
- シームレス設計とミニマルなデザインで摩耗リスクを低減し、快適な着心地を実現
- 袖のベルクロ、裾のドローコード、ヘルメット対応のフードのコードなど、フィット感を高める細やかな仕様
価格 | ¥66,200(税込) |
素材 | 表地15デニール、GORE-TEX ePEメンブレン(3層) |
重量(サイズ) | 約290g(Lサイズ) |
サイズ | S〜XL |
Haglöfs(ホグロフス)/ L.I.M Airak GTX Pant(L.I.M. エアラック GTX パンツ)
同シリーズのパンツにも15デニールのリサイクル GORE-TEX 3層(ePEメンブレン+C-KNITバッカー)を採用。フルレングス2WAYファスナーで着脱とベンチレーションを両立し、ケブラー補強のレッグエンドがブーツとの擦れをガード。反射ロゴで夜間視認性も確保し、山行から自転車通勤まで幅広く活躍してくれます。
価格 | ¥49,500(税込) |
素材 | 表地15デニール、GORE-TEX ePEメンブレン(3層) |
重量(サイズ) | 約270 g(Lサイズ) |
サイズ | S〜XL |
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ゴアテックスのメンテナンス方法
なぜメンテナンスが必要?
ゴアテックスは、雨や泥などで外側に汚れが付くと撥水性が低下し、そこから水が広がることで透湿性が失われてしまいます。また外側だけでなく、内側にも汗や皮脂が付着すると、縫い目に施された止水テープが剥がれやすくなります。性能維持のためにも、定期的なメンテナンスが重要です。

ゴアテックス素材の洗濯の方法|中性洗剤+熱処理で撥水回復
メンテナンスといっても簡単。洗濯をすればOKです。まずは洗濯表示を確認し、それに従って洗濯しましょう。洗濯の際は、表面の汚れをしっかり落とすことが大切。首元や脇、袖まわりなど汗や皮脂で汚れがたまりやすい箇所は念入りに洗い、洗剤残りがないようにしっかりすすいで落とします。
また乾燥後に、低温アイロンまたは乾燥機の熱を軽く加えることで、撥水加工が再活性化しやすくなります。
- 専用洗剤で洗い、十分にすすぐこと
- 粉洗剤より、液体洗剤のほうが汚れを落としやすい
- 柔軟剤や漂白剤は使用NG
撥水性が落ちたときの対処法

水を弾かなくなったと感じたら、専用の撥水スプレーや洗濯添加剤で補うことも可能。とくに袖や肩など、摩耗しやすい箇所を重点的にすると効果的です。撥水性が復活すれば透湿性も戻り、蒸れにくい状態をキープできます。
ePE素材のメンテナンス方法
最新のePEメンブレン採用モデルも、基本的なメンテナンス方法は従来品とほぼ同じです。ただし油汚れに弱くやや撥油性に劣るため、皮脂汚れなどが付着しやすいデメリットも。洗濯をすることで皮脂汚れは落ちるので、こまめに洗濯をしましょう。
最初の一着、そして買い替えに後悔しないゴアテックスのレインウエア
ゴアテックスは、天候の急変が多い登山において、信頼できる高機能素材。選ぶ際は、レインウエアの構造や素材タイプを、使用シーンや自分のスタイルに合わせて見極めることが満足度の高い選択に繋がります。自分に合った一着を選び、きちんと手入れをしながら長く付き合っていきましょう。
- BRAND :
- PEAKS
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編集◉PEAKS
文◉平野美紀子
写真◉熊原美惠(製品)
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PEAKS / 編集・ライター
平野美紀子
アパレル会社から出版社へ転職し、6年間ファッション誌の編集を担当。現在はフリーの編集・ライターとして活動している。趣味は登山、トレイルランニング、スノーボード。2023年夏には、北アルプスの黒部五郎小舎にて念願の小屋番も経験した。
アパレル会社から出版社へ転職し、6年間ファッション誌の編集を担当。現在はフリーの編集・ライターとして活動している。趣味は登山、トレイルランニング、スノーボード。2023年夏には、北アルプスの黒部五郎小舎にて念願の小屋番も経験した。