
今年のギアをEVENお馴染みの3人が総括|EVENオブ・ザ・イヤー2025より
シミズ
- 2025年12月15日
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年末の恒例企画「EVENオブ・ザ・イヤー」再び!ということで、ゴルフギアからアパレル、シューズ、ゴルフ場やショップ、車まで、様々なジャンルのNo.1を編集部や識者が“独断と偏見”で選出しました。2025年を振り返りつつ、物欲を刺激する総力特集です。
GOLF GEAR OF THE YEAR 2025-2026
2025年は2月1週にピンが『G440』、テーラーメイドが『Qi35』、そしてキャロウェイが『エリート』をほぼ同時発売するところからギアが動き出した。ゼロトルクパターという新ブームが広がり、海外メーカーは続々とフォージドアイアンを発売。2025年を3人に振り返ってもらった。
鹿又芳典 -「今年はアイアンの当たり年。『USフォージド』が躍進した。」

プロゴルファーから著名人、トップアマまで幅広いゴルファーのクラブを担当するカリスマフィッター。20年以上にわたりゴルフメディアで活躍してきた、日本を代表するゴルフクラブの有識者。
石井良介-「調整機能やフィッティングが進化した1年。」

PGAティーチングプロA級の資格をもち、トラックマンを活用した試打コンテンツが人気。YouTubeチャンネル「試打るTV」が大人気になり、「令和の試打職人」と呼ばれている。
編集シミズ-「より多様化するニーズに応える技術革新のスピード感に感嘆」

EVEN編集部イチの飛ばし屋で、「かっ飛びシミちゃんのドラコンクエスト」でおなじみ。編集者としてあらゆるゴルフメーカーの新製品や動向をチェックしている。
2025年ゴルフクラブ戦争 勝者はなぜピンだったのか
鹿又 今年はピン、テーラーメイド、キャロウェイという3大メーカーの争いが注目されましたが、結果から言えばピンの圧勝でした。
石井 ドライバーはもちろん、フェアウェイウッド、ユーティリティ、アイアンまで一人勝ちでしたね。
鹿又 ウッドカテゴリーに関してはテーラーメイドとキャロウェイを足しても、ピンにおよばないと言われています。
清水 なぜ、ピンに人気が集中したのでしょうか?
鹿又 性能はもちろんですが、コンセプトがずっと同じだからわかりやすい。〝慣性モーメントを大きくして、やさしいクラブを作る〞ということとフィッティングを重視するというスタイルを貫いているので、購入する方も安心感があります。
石井 フィッティングの効果は大きかったと思います。今、物価高になってきて、ドライバーで10万円以上、アイアンセットになると15万円から20万円近くします。その金額を出してゴルフクラブを買うならフィッティングして自分に合ったモデルを買いたいというお客さんが増えたのではないでしょうか。
清水 今はゴルフショップで最新の計測器を使いながら、フィッティングできますからね。
石井 他のメーカーもフィッティングに力を入れはじめていますけど、ピンとは歴史が違う。
鹿又 ピンは1960年代からずっとフィッティングと言い続けていて、フィッティングのノウハウもありますし、フィッティングを前提としてクラブ開発をやっているので、歴史や設備が違う。
FW、UTの移り変わり
清水 フェアウェイウッドやユーティリティで新しいトレンドってありましたか?
鹿又 明らかに変わってきたのは番手選びですね。フェアウェイウッドだと昔は3番ウッドが1番売れていましたが、ここ数年は5番ウッドが1番人気。今年は4Wとか3HLみたいなロフトがよく売れるようになりました。
石井 4Wと7Wを組み合わせるゴルファーが増えましたね。
鹿又 そこにもピンの影響力はあって、『G440 MAX』ではじめてロフト17度の4Wをラインナップ。今まで3Wと5Wで迷っていた人が、4Wを買うようになりました。
石井 ユーティリティも徐々に下の番手が売れるようになってきて、今年は6Uの需要が伸びてきたのが新しい動きだと思います。
多くの2025年モデルはZXi5をベンチマークにしてきた
清水 アイアンに関してはどうでしょうか?
鹿又 アイアンは2024年に発売した『スリクソン ZXi5(以下、ZXi5)』がロングセラーになっていて圧倒的に人気があります。2025年は日本メーカーも海外メーカーも『ZXi5』をベンチマークにしたアイアンを出してきました。
石井 カテゴリーで言えばフォージドアイアンで、やさしいタイプですよね。
清水 たしかにそういうアイアンが増えましたね。キャロウェイの『XフォージドMAX』とかテーラーメイドの『P8CB』、タイトリストの『T250』、ブリヂストンの『258CBP』とか。
鹿又 米国だと〝ディスタンスフォージド〞というカテゴリーです。数年前までは日本メーカーの軟鉄鍛造アイアンが人気でしたけど、今年は〝USフォージド〞が躍進した1年でした。
石井 個人的に、今年はアイアンセットをたくさん買ってしまった。秋以降だけで5セットくらい買ってしまって、まだエースが決まらない(笑)。だから今回のギア・オブ・ザ・イヤーもアイアンが1番難しかったです。
鹿又 今年はアイアンの当たり年だったので、1、2本にしぼるのが難しい。
清水 その気持ちは分かります。ウッドは海外メーカーが人気でしたが、アイアンは日本メーカーも頑張っていますね。
石井 スリクソンはもちろんですけど、ブリヂストンやミズノは間違いなくアイアンのシェアを伸ばしてきていると思います。
鹿又 円安の影響も大きかった。アイアンセットの価格で考えると、海外メーカーは1本当たり3万円を超えてきています。でも、日本メーカーは2万5000円前後に抑えることができているので、5本、6本セットになると、金額の差は約3万円くらい違う。コストパフォーマンスの面で日本メーカーが優位になってきました。
清水 かつては『ゼクシオ』などの日本メーカーの方が高いことが当たり前だったのに、今は逆転しましたね。
鹿又 大手メーカーの中だと、昔はピンが1番安かった。日本メーカーと海外メーカーの価格が逆転しているのも一つのトレンドです。
続きは本誌で!
シャフトやパターなど、更に深く今年のギアを語りまくった気になる続きは是非EVEN1月号巻頭特集「EVENオブ・ザ・イヤー2025-2026」にて!ギア好きなら、これはもう必読。
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