エポン第七世代最後を飾るモデルが伝統的FWの理由

EVEN 編集部

2025年09月22日

エポンの新作FW『AF-207』は、一昨年夏から順次リリースされてきたエポン第7世代シリーズ最後のモデルだ。オーセンティックな佇まいは実に彼ららしい。

最後のピースがハマった後に

メタルからチタンへ。ウッドの構造に革命が起きた2000年代初頭から、エポンゴルフはドライバーだけでなく、フェアウェイウッドに当時まだオーバースペックなチタン素材を採用してきた。そんな彼らの妥協を許さない姿勢が本作にも継承されている。

エポンの新作『AF-207』は一見、非常にオーセンティックだ。構えたシェイプは小ぶりで短重心。巷のFWに比べ厚みのあるディープバック。実はこのシェイプは、同社の歴代FWで最大のヒット作という『AF-202』をオマージュしたものだという。だが、無論本作は懐古趣味ではない。

ひとたび打てば、偏肉厚構造の鍛造カップフェースは高い反発性を発揮し、内蔵したタングステンによる低重心化で球が上がり易いなど実はシェイプや打感などの感性の部分でなく、AF-202が当時評価された”やさしさ”を異なる構造、素材で同一の見た目のまま実現するという離れ業を成し遂げている。

シャフト脱着の弾道調整スリーブをパーツブランドとして真っ先に標準化したのもエポンなのだが、本作のリリースによりFWにもついに標準化された。わかりやすい変化よりも本質的な深化こそエポンの真骨頂だ。

もう一つ、AF-207が派手な装飾を嫌った理由がある。本作は彼らにとって『AF-007』、第7世代シリーズの最後のリリース作。コスメから性能にいたるまで、本シリーズは徹頭徹尾統一感のあるデザインと感性を両立した。彼らの第7世代とは唯一無二なブランドであることを明確化する試金石なのだ。

EPON AF-207

素材：フェース＝鍛造チタン、ボディ＝チタン　ヘッド体積：184cc（#3）　ロフト角：#3/15°、#5/18°　ライ角：58.5°（#3）※可変スリーブでフェース角±1°ライ角〜+2°調整可　シャフト／クラブ重量（#3）：DEAD OR ALIVE月光 G65（S）／331g（D2）　参考価格：91,300円

エポン伝統形状

トゥヒールを短く、トゥ側を高めに、クラウン後方をやや高くしたディープバックなどコンパクトかつクラシカルなシェイプは、彼らのアーカイブである名器『AF-202』を踏襲、第7世代ドライバーとの繋がりも意識した。

第七世代ここに現出

統一感に秘めし個性

第7世代モデルはシリーズとしての統一感が企画の初期段階で開発チーム内で共有されていたという。それは、仕上げの美しさ、優れた打球感や打球音、構えやすさといった感性の部分にも及ぶ。

旗艦ドライバー『AF-107』は小ぶりな洋梨型ディープフェースだが、短重心な操作性を重視した伝統的シェイプは、新作FW『AF-207』はもちろん、軟鉄鍛造アイアンのAF-Tourシリーズにまで徹底されている。

ウッドシリーズ、DR『AF-157』、FW『AF-257』、HYB『AF-957』はカーボンを用いず、チタンを主素材としてツカマリ、球の上がり易さに加え、弾き感のある打感というコンセプトを一貫して再現している他、複合構造の飛び系アイアン『AF-707』では、番手別に素材やフェース厚を調整することで、打球感と打球音を共通化させた上で、番手ごとのキャリーピッチも揃えるという離れ業を実現。

第7世代モデルは、世界的製造メーカー「遠藤製作所」直系の彼らだからこそ実現したシリーズだ。