
「TOKYOBIKE PORTER」に乗ってわかった運べる楽しさ。eカーゴバイクの可能性
eBikeLife編集部
- 2025年12月16日
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都市の暮らしは一見シンプルだが、実際には“荷物をどう運ぶか”という問題がつきまとう。買い物、子どもの送り迎え、アウトドア道具の運搬、ちょっとした仕事道具の移動。クルマを使うほどでもないのに、普通の自転車では心許ない。その“中間領域”を埋めてくれる存在として、電動アシスト付きのカーゴバイクが注目されている。
TOKYOBIKE PORTER

今回乗った TOKYOBIKE PORTER は、その解決策として非常にバランスの取れた一台だった。カーゴバイクの実用性と、トーキョーバイクが得意とする“街に寄り添う空気感”が同居していて、生活をゆるやかに広げてくれる。
トーキョーバイクは、創業以来“速さ”ではなく“街を楽しむための自転車”を作ってきたブランドだ。細身でシンプルなフレーム、柔らかいカラー、風景に溶け込む佇まい。
自転車を単なる移動手段ではなく、生活そのものを形づくる道具として捉えている。
ただ、従来のラインナップはあくまで“身軽な街乗り”が中心で、大きな荷物や子どもを乗せるシーンへの対応は少し弱かった。そこに登場したのがTOKYOBIKE PORTERだ。
もとより電動アシスト化の要望も少なからずあったというトーキョーバイク。とはいえ、シンプルなスタイルにバッテリー&モーターはちょっと違う。もとより街中なら十分軽快なので、アシストは必要なかったといえる。

そこで、運ぶというキーワードに注目した。ちょうど、副社長の田代勇輔さんの家の洗濯機が壊れ、ランドリーに大量の洗濯物を運ばなくてはならなかった。「大きなフロントラックを装着して運んだ時に、通常のトーキョーバイクだとバランスが悪く、そんな時に欲しいと思った自転車を作りました」と田代さん。
トーキョーバイクの世界観を崩さずに、“運べる”という新しい軸を加えたモデル。
街を楽しむためのツールとしての自転車を、より実用の領域まで拡張する挑戦と言える。
PORTER に乗って感じたこと「荷物を積んでも普通に走れる」という安心感

TOKYOBIKE PORTERを走らせてまず驚いたのは、荷物を積んだときの安定感だ。
大量の荷物をフロント側に載せると重量がハンドルに伝わり、ふらつくイメージが強い。だが TOKYOBIKE PORTERはフロントキャリアがフレーム側に固定されているため、ステアリングへの影響が驚くほど少ない。アウトドア用品やまとめ買いした買物を積んで走ってみても、操作感は普段の自転車と変わらない自然さがある。

始動では電動アシストがしっかりと仕事をしてくれ、荷物の重さを忘れる。特に boost モードは荷物運びのストレスをかなり軽減する。カーゴバイク自体の重みもあるので、アシストはパワーアップというよりは、アシストによってより普通の自転車に近づいている

内装3段の変速も使える。使ってみた感想では、平坦な道では2速のままで大丈夫。急な上り坂では、1速。下り坂は、3速と使い分けは明確だ。

ディスクブレーキの制動は積載時でも安心感が高く、ストップ&ゴーが多い都市部でもストレスが少ない。
デザインが生活に馴染む“カーゴっぽさ”を感じさせない軽さ

カーゴバイクはどうしても業務用ツールのような重たい存在感が出やすい。だがTOKYOBIKE PORTER はそれがない。
フレームは細身で、カラーは柔らかく、全長も一般的な子ども乗せ自転車とほぼ同等。フロントラックやガードは、メッキ仕上げでクラシックな佇まいでもある。巨大な荷物も積める能力を持ちながら、街中のカフェに停めてあっても違和感がない。

大容量のバッテリーも重さを感じにくく、また安定した絶妙な位置に配置されている。操作モニターは、最小限の小ささでハンドルまわりのスッキリさを残している。ある意味eバイクらしさも少ない。シンプルデザインのレベルの高さは、トーキョーバイクならでは。

カーゴバイクが広げる生活、できることが増える
TOKYOBIKE PORTERはただ荷物が運べる機械ではなく、生活の選択肢そのものを増やしてくれる存在だと感じた。たとえば
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まとめ買いが楽になる
米、水、野菜、日用品。今まで「重いから今日は無理だな」と遠慮していた買い物が気軽になる。 -
外出の自由度が上がる
例えば子供との週末。おもちゃ、レジャーシート、着替えなど“公園セット”をまるごと載せられる。 -
クルマなしの生活がより現実的になる
都市部で駐車場代を払う必要もなく、移動の自由度が格段に上がる。 -
趣味や仕事のフィールドが広がる
カメラ機材、キャンプ道具、スケボー、工具バッグなど、意外なほど何でもいける。
平日は「暮らしの相棒」、休日は「遊び道具」に変わる。そんな二面性を自然に切り替えられるのがこのバイクの魅力だ。
用途が合えば最強だが、合わなければ重さが気になる

もちろん、万能ではない。
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車体重量はそれなりにある
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独特なハンドリングなので最初は慣れが必要
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スピードやロングライドには向かない
ただ、TOKYOBIKE PORTERは生活速度での実用をしっかり想定して作られているため、使い方のイメージが合っている人にとっては圧倒的に力強い相棒になるだろう。
TOKYOBIKE PORTER は「暮らしをちょっと自由にするツール」
実際に乗って感じたのは、TOKYOBIKE PORTERはただ「荷物が運べる自転車」ではなく、暮らしのを変える存在かもということだ。
クルマほど大げさではなく、自転車の延長として自然に使える。
それでいて、今まで自転車では無理だと感じていた領域にも踏み込める。
トーキョーバイクの持つ“街に寄り添うデザイン”と、カーゴバイクの実用性がほどよく溶け合った一台。都市生活の中に新しい自由度をもたらしてくれる。
カーゴバイクを検討している人、クルマを持たずに暮らしたい人、日常をちょっと拡張してアップデートしたい人。
TOKYOBIKE PORTERはそんなライフスタイルの道具として間違いなく魅力的だ。
問:トーキョーバイク
【TOKYOBIKE PORTER スペック】
価格 29万7000円(税込)
重量 約22.5kg(バッテリー・キャリア含む)
適応身長 155〜180cm
モーター 250W センターモーター
バッテリー 36V/14Ah
航続距離目安 eco:約85km / normal:約70km / boost:約45km
タイヤ 前:16×1.95、後:20×1.95
ブレーキ 機械式ディスク(前後)
フロントキャリア耐荷重 設計50kg(公道では30kg以内推奨)
全長 約183cm
- BRAND :
- eBikeLife
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