
5月5日は自転車の日、青切符導入で改めて自転車の楽しさに注目した「サイクルドリームフェスタ2026」開催
Bicycle Club編集部
- 2026年05月06日
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青切符導入により自転車の交通ルールへの関心が高まるなか、国土交通大臣も会場を訪れた注目の自転車イベントを現地レポート。BMXパフォーマンスや多彩な試乗体験、交通安全教室、レース文化を紐解くトークショーまで、多角的なプログラムを通じて、自転車を「移動手段」と「文化」の両面から体感できる一日の模様を伝える。
青切符で注目された警視庁の「ピーポ君の自転車交通安全教室」

警視庁や国土交通省、東京都、自転車文化センターなどの団体ブースも並び、自転車を取り巻く多様な側面に触れることができた。青切符制度の影響で注目されている自転車の安全啓発や社会的な取り組み、シェアサイクルの紹介など、単なる“モノ”にとどまらない情報が得られるのも印象的だ。
ステージ冒頭で行われたのは、警視庁交通総務課の協力による「ピーポ君の自転車交通安全教室」。来場者に向けて、自転車利用時の基本的な交通ルールや、近年始まった制度についての分かりやすい解説が行われた。
この中で特に強調されたのが、自転車の交通違反を装った詐欺への注意だ。配布資料と口頭説明の双方で、「警察官がその場で現金を受け取ることは一切ない」という原則が明確に示された。現地で違反金の名目で現金の支払いを求められた場合、それは明確に詐欺行為であり、たとえ相手がお巡りさんを名乗っていたとしても、その場で110番通報するようにと伝えられた。

正規の手続きは、後日、警察から交付される納付書を用い、金融機関の窓口で行うもの。制度を正しく知ることが、被害を防ぐ最も確実な方法であることが、穏やかながらもはっきりと示されていた。
このほか警視庁四谷警察署による白バイやパトカーの展示エリア。もあり、ここでは実車と一緒に記念撮影ができるとあって、子どもたちの人気記念撮影スポットとなった。

一般社団法人グッド・チャリズム宣言プロジェクトブースでは、さらに踏み込んだ自転車実践クイズを実施。○△✕で答える内容となっており、かなり難しい内容となっていたが、同会としてはルールの正答率を調べることを目的としているという。自転車利用者には分かりづらい自転車のルールについて、整理していく必要を感じる内容となった。
金子恭之自転車国土交通大臣も試乗体験

今回、政府の自転車活用推進本部長である金子恭之国土交通大臣も会場を訪れ、各ブースを回り、さらに試乗体験も行った。主催する一般財団法人日本自転車普及協会の小泉昭男会長らとともに外苑のコースを2周、自転車で走った。国土交通省自転車活用推進本部もブース出展し、ナショナルサイクルルートやVelo-city 2027 Ehimeを紹介していた。
タンデム自転車の試乗体験もできるオーバルコース

試乗エリアは終日賑わいを見せていた。サイクルドリームフェスタでの注目はタンデム自転車(2人乗り自転車)の試乗だ。東京都内ではタンデム自転車の公道走行が解禁されたのは2023年7月。それ以前からこのイベントではタンデム自転車を体験できることで人気のコンテンツだ。バイシクルクラブ編集長の山口も試乗体験を楽しんだ。

試乗ブースではロードバイクを中心に26社のブースが並んでいた。BROMPTONをはじめ、スチールバイクなどロードバイク以外のブランドも出展しており、スポーツ自転車好きのみならず、自転車全般に興味を持つ来場者が絶えない様子だった。

GOKISOブースでは、ブロンプトン&GOKISOハブを使ったホイールに乗るヴァイオリニストの古川知佳さんが生演奏を披露した。

BOMAブースでは最新グラベルバイク「UT」が注目を集め、軽快な走行性能を体感できる機会となっていた。

M6が人気のウィンスペースブース。ウィンスペースの技術監督をしているマイク・プライド氏も来場し、ユーザーと交流を深めた。

CHERUBIMの今野真一氏やイラストレイターのリンネさんの来場もあり、来場者との交流が生まれるシーンも印象的だった。
栗村修さん、小俣雄風太さんによるツール・ド・フランストーク

この「日常の安全確認」を受ける形で続いたのが、自転車ジャーナリストの小俣雄風太氏と、ツアー・オブ・ジャパン組織委員会委員長の栗村修氏によるトークショー「本場における自転車レースの人気とその変遷」だ。
自転車レースの起源は、19世紀後半のフランスに遡る。当初のレースは競技というよりも「自転車がどこまで走れる乗り物なのか」を示す実証実験だった。やがて距離は伸び、街から街へ走るロードレースが誕生する。1903年に始まったツール・ド・フランスは、新聞社の販促企画という側面を持ちながらも、地方を結び、国を一体化する物語として受け入れられていった。
1910年に本格的な山岳ステージが導入されると、ツールは大きく性格を変える。ただ勝つだけでなく、過酷な峠を越え、完走すること自体が英雄視されるようになったのだ。一方で、その歴史は常に順風満帆だったわけではない。強すぎる王者の出現や、1998年のドーピングスキャンダルによって人気が失墜した時代もあった。
それでも現在、ツール・ド・フランスは再び多くの観衆を集めている。その理由は、クリーンな競技環境の徹底と、合理性一辺倒ではない「攻める走り」を評価するレースづくりにある。見る者の感情を揺さぶる走りこそが、ロードレースを文化として成立させてきた――トークはそう示唆して締めくくられた。
BMXパフォーマンスが会場のボルテージを一気に引き上げる

イベントのスタートを飾ったのは、全日本フリースタイルBMX連盟によるRyuga MatsumuraさんとRen Oshimaさんのパフォーマンスショー。Ren Oshimaさんが繰り出すジャンプやトリックに、観客の視線が集まる。
空中で自転車を操る姿に、思わず息をのむ瞬間も。技が決まるたびに大きな歓声が上がり、会場全体が一体感に包まれていた。

子どもも大人も楽しめる体験コンテンツ

さらに足を進めると、「おもしろ自転車試乗会」が展開されていた。一般財団法人日本サイクルスポーツセンターの協力によるこのコーナーでは、普段公道では乗ることができないユニークな自転車がずらりと並ぶ。独特な形状や動きに戸惑いながらも、実際に乗ってみると自然と笑顔がこぼれる。自転車の“遊び”としての一面を強く感じるエリアだった。
一方で、体験を通じて学びにつながるコンテンツも用意されている。「発電自転車体験」では、自転車を漕ぐことで電気を生み出し、恐竜のエアバルーンを膨らませたり、シャボン玉を発生させたりと、エネルギーの仕組みを体感的に理解できる仕掛けが施されていたほか、大人向けには俊敏性テストなどの体験コンテンツもあった。
子ども向けには、安全に配慮された「自転車試乗コーナー」も用意されている。サイクルスポットと東商会の協力によるこのスペースでは、小さな子どもでも安心して自転車に触れることができ、家族連れの姿が絶えなかった。
ほか、「親子で楽しく学べる自転車教室」では、まだ自転車に乗れない子どもが少しずつ成長していく様子が見られた。

井手川直樹さん三瓶将廣さんによる MTB・スポーツバイク子ども乗り方教室も開催され、よりアクティブなライディングに挑戦する子どもたちの姿も。世代を問わず楽しめる構成となっていた。
5月は自転車月間、ツアー・オブ・ジャパンにも注目

今回のイベントは、自転車普及協会が5月5日の自転車の日にちなみ、自転車の楽しさを多角的に体験することを目的として開催。さらに同協会では5月を自転車月間として、5月24日から31日まで開催される自転車ロードレース「ツアー・オブ・ジャパン」も実施する。会場ではレースを盛り上げるための告知などが行われた。
イベントの締めくくりとして用意されていたのが、アンケート回答者向けのガチャガチャ企画。来場者全員が参加できるとあって、多くの人が列を作っていた。特別賞には、Tour of Japanのコースを走るオフィシャルカーへの乗車体験という豪華な特典も用意されており、最後までワクワク感が続く仕掛けとなっていた。
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編集:バイシクルクラブ編集部 写真と文井上和隆
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