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リドレーのエアロロードノアファスト、ノアに試乗、その違いを検証してみた|RIDLEY

猫も杓子もエアロエアロな現在だが、ベルギーのリドレーはそこいらの猫や杓子とはちょっと違う。エアロロードが一般化する前から空力に関するアプローチを続けており、翼断面チューブやカムテール断面チューブなどの定番の手法に加え、ディンプル状のテープ、フレームに刻まれたスリット、フォーク&シートステー内蔵ブレーキキャリパーなど、さまざまな技術的チャレンジをしてきた。

ここではエアロロードのグレード違いであるノアファストとノアを試乗した安井行生、バイシクルクラブ編集長山口がその差をお伝えする。

風洞をいち早く採用したリドレーが生んだノア

メーカーとして大きかったのは、自社風洞実験施設だろう。2013年、5つの企業(リドレー、ヘルメットメーカーのレーザー、ウエアメーカーのビオレーサー、自動車産業知識センターのフランダース・ドライブ、空気力学スペシャリストのフォックスデール)が提携し、共同開発を行う目的でバイクバレーと呼ばれる団体を創立、研究開発施設を建立するのだが、2020年にリドレーはそのバイクバレーを買収、風洞実験施設を自社所有としたのである。これはエアロロードの開発において非常に大きい。

風洞実験施設をわざわざ自社で持たなくても、既存の施設を借りることはできる。しかし、その都度莫大なコストと時間がかかる。準備や移動を考えると数時間の実験のために数日が潰れてしまう。自社の風洞施設があると時間やコストに縛られることなく、いつでも思う存分実験が可能になる。

しかも、飛行機・自動車・オートバイなどを想定に入れた既存の風洞施設は高速域に特化されており、自転車に必要な数十km/hという速度域での測定精度が確保できないこともある。さらに、自転車では数ワットという精度の計測を必要とするが、既存の風洞施設のセンサーではそこまで細かい計測ができない。バイクバレーの風洞実験施設を見ると、おそらく自転車に最適化された設備だと思われる。

CFD技術が発達した今でも、前提条件の設定などによって現実世界と解析結果が大きく乖離することは珍しくない。今も風洞実験は有効であり、空力技術を磨くうえでその自社所有は非常に有利だろう。

ノアファスト3.0

74万8000円(フレームセット、ハンドルセット付属)

そんなリドレーのエアロロードがノアシリーズ。トップモデルのノアファスト3.0は、2021年に改訂されたUCIルールの規定ギリギリまで使い、前後に長いヘッドチューブ、ボトル使用を前提とした太いダウンチューブ、一体型ハンドル「ニンバスエアロコックピット」など、リドレーの空力学的知見を全部乗せした一台。基本的にはフレーム販売となり、価格は74万8000円(ハンドルセット付属)。

ノア3.0

46万2000円(フレームセット、ハンドルセット付属)

セカンドグレードとしてノア3.0も用意される。フレームの基本形状はノアファスト3.0を受け継ぐが、フレーム素材、ヘッド周りの形状、ハンドル形状が異なる。メーカーによると「ノアファスト3.0と比較してフレーム単体の重量増を160g(Sサイズ)に抑えながらも、同レベルのエアロダナミクスと剛性を実現した」とのこと。こちらは46万2000円(ハンドルセット付属)である。

踏みやすさはノアシリーズの系譜、ノアファストとノアの差は僅差

ノア3.0

山口:ノアファスト3.0とノア3.0ですが、乗られてどうですか。違いって感じました?

安井:僕にはサイズがちょっと大きかったので話半分にしていただきたいですが、乗り味は相当似てると思います。

山口:そうですよね。

安井:今回乗ったなかでこれが一番性能差が小さいかもしれない。踏んだ感じはほぼ一緒。ポジションとホイールを完全に一緒にしてブラインドテストしたら、平地では分かんないかもしれない。

ノアファスト3.0
ノア3.0

山口:パーツ含めての重量差があるので、上りでは若干差を感じるかな……くらい。

安井:そうですね。

山口:フレームもホイールもエアロなので、時速40kmからどんどん加速して伸びていく。

安井:はい。ザ・エアロロードって感じ。突き抜けてていいです。

ノアファスト3.0

山口:あと、下りが絶品ですよ。下りの高速コーナーが本当に気持ちいい。よくオン・ザ・レールと言いますが、まさにそれ。これなら下りをガンガン攻められます。

安井:リドレーって、ベルギーの大男とか石畳のイメージがありますが、フレームはガチガチじゃないんですよね。

山口:確かに。今回のノアも、2台とも硬すぎることはないです。

ノアファスト3.0
ノア3.0

安井:リドレーは昔からそうなんです。今回のノア2台を見ても、BB周りのボリュームがすごいのでどんだけ硬いのかと思ったら、そんなに硬くない。だから最後まで踏み倒せる。

山口:そうですね。レースレベルの負荷でもずっと踏み続けられます。

安井:パワーをガンガンかけても許容してくれるというか、跳ね返してこないんですよ。だから、ここまでエアロ一辺倒に見えて、上りでもペダルを回しやすい。

山口:確かに。ペダリングの3時以降にちょっとタメがあるというか。スカスカしないというか、スプリントが得意じゃなくてもいいスプリントができそうな感じ。

安井:そうなんです。リムブレーキの時代から、リドレーはどのモデルに乗っても踏みやすいんですよ。リドレーには久々に試乗しましたが、そこは今でも変わってないんだなと。その一貫性こそメーカーとしてのアイデンティティです。

ノアファスト3.0

ノアファスト3.0

1,006,500円 (シマノ・アルテグラ R8100 Di2仕様 ※バイククラフト)

  • 特徴:軽量かつ高剛性なエリートカーボンフレームとフルカーボンフォークを採用した、トップレベルのオールラウンドレーシングモデル。電動専用設計(シマノ DI2/スラム AXS/カンパニョーロ EPS対応)により、クリーンな外観と高い信頼性を実現。最大34mmタイヤに対応し、レースからロングライドまで幅広く対応する。フォルツァ ニンバス エアロ インテグレーテッド コックピットと専用コンピューターマウントが付属
  • コンポーネント:シマノ アルテグラ DI2
  • ホイール:シマノ・WH-R8170 C50
  • コックピット:フォルツァ ニンバス エアロ インテグレーテッド コックピット(ワンピース フルカーボン、ニンバス エアロ コンピューターマウント付属)

RIDLEY公式サイト

ノア3.0

655,600円 (シマノ・105 Di2仕様 ※バイククラフト)

  • 特徴:軽量かつ高剛性なエッセンシャルカーボンフレームとフルカーボンフォークを採用したオールラウンドレーシングモデル。メカニカルおよび電動変速に対応。最大34mmタイヤに対応し、レースからロングライドまで高い汎用性を備える。フォルツァ シーラス プロ ロード インテグレーテッド コックピットと専用コンピューターマウントが付属
  • コンポーネント:シマノ 105 DI2
  • ホイール:シマノ WH-RS710 C46
  • コックピット:フォルツァ シラス プロ ロード インテグレーテッド コックピット(フル内装対応、ファスト コンピューターマウント付属)

RIDLEY公式サイト

問:ミズタニ自転車 https://ridley-bikes.jp

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PROFILE

安井行生

安井行生

大学卒業後、メッセンジャー生活を経て自転車ジャーナリストに。現在はさまざまな媒体で試乗記事、技術解説、自転車に関するエッセイなどを執筆する。今まで稼いだ原稿料の大半を自転車につぎ込んできた。

安井行生の記事一覧

大学卒業後、メッセンジャー生活を経て自転車ジャーナリストに。現在はさまざまな媒体で試乗記事、技術解説、自転車に関するエッセイなどを執筆する。今まで稼いだ原稿料の大半を自転車につぎ込んできた。

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