
オーガニックアクセサリーを再生!|練馬の自転車店で40年ぶら下がっていたランドナー|【西山自転車商会EX】ガチランドナーで行く旅〈後編〉
ニシヤマ
- 2025年11月06日
自転車はスポーツではなくホビーと言い張るいじってなんぼのレストア編集者の手記
◉編集部・西山 貴之
どんな自転車に乗っているか聞かれて「ランドナー」と答えるとだいたい引かれる。気軽なランドナーを提唱しているが、偏屈なイメージを助長しているかも。最近は偏見なくランドナーを選ぶ若者も増えうれしい
ランドナーという自転車との戯れ
帆布バッグにコットンバーテープ、革サドルとかランドナーはやたらオーガニックなアクセサリーが多い。
天然素材しかない時代から、古き良きスタイルというものを継承してきた結果、ランドナーなど向けって感じでアイテムが生き残っている。こういったものがまだ手に入るのが素晴らしい。
手間暇かけてランドナー作り、というと聞こえはいいが、タイパが悪い遊びかもしれない。
それも、カビに浸食されたフロントバックを柿渋染めにするとか、リユースともいえるけど、誰得?って感じではある。
そんなのやめなよって心の声が制止しつつも、気づくと柿渋液の入ったバケツの中に、バッグを沈めている自分がいる。
やめられない、この古臭いランドナーという自転車との戯れ。タイパ無視のムダな時間浪費こそ、甘美な贅沢といえよう。
だいぶ手間かけたバッグ装着
【1】帆布バッグを柿渋染め
柿渋染めはカンタンだ。溶液を水で薄めて浸すだけ、浸して乾かすを4~5回繰り返すと、レトロな風合いに仕上がる。日本で古来から使われる染料で、防虫、防腐、除菌、防水効果もある。また布を補強するのでバッグに最適だ。紫外線でもっと茶色く変色していくようだ。使い古したようなエイジング感だ。



【2】ワンタッチ着脱機構に挑戦
かなり小ぶりなフロントバッグだ。ハンドルよりかなり下に来てしまうので、固定ベルトが使えない。なので、簡易なバッグサポーターを考えた。ミノウラのワンタッチ汎用台座クランプを使えば着脱もワンタッチ。高さのクリアランスには、懐かしのライトホルダー「ヤジロベー」を使った。




ハンドル仕上げ&その他のアクセサリー
オールドフレンチスタイルにのみ残るコットンバーテープのセラックニス仕上げ。コットンバーテープを長持ちさせるための樹脂コーティングみないなものだ。合成樹脂のない時代の、天然ニス仕上げみたいなもの。
セラックは、ラックカイガラムシという虫の体液を集めたものだ。写真で見るとピンク色のフナ虫みたいなやつで、木にびっしり付いている姿は、虫が嫌いな人はぜったい見ないほうがいいやつ。
今でもセラックは、高級家具の仕上げほか、天然成分なので食品としても使われており、たとえばマーブルチョコやキシリトールガムのパリッとした外側の食感はセラックでしか出せないとか。など、たかがバーテープの仕上げでここまでネタを語れるアイテムは少ない。
革サドルは、最近の製品が薄いのはサドル用の分厚い革を捕れる成熟した牛は、狂牛病の影響で育てられなくなったからとか。天然ネタは尽きず。聞いた話なので、どこまでホントかは不明。
【3】コットンテープをセラックニス仕上げ
コットンバーテープは、風雨にさらされると濡れるし傷みやすい。そこでコーティングする技術がセラックニス仕上げ。昔のフランス車でよく行われていた。最近セラックニスはホームセンターにないので通販で購入。乾燥したフレーバーをアルコールで溶かすタイプの製品もある






【4】TPUチューブ導入で軽い走りに
天然素材じゃないけど、最近流行りのTPUチューブを導入。このランドナーのママチャリ26インチ(26×1-3/8 650A)にも使えそうなサイズをテムで発見。27.5(650B)×1.35-1.95だから、650Aとの違いくらいいけるはずと踏んだ。これでママチャリのタイヤまわりを片側100gも軽くできる恩恵はでかい。


【5】やっぱりナチュラル革サドル
ランドナーには、やはり革サドルが一番似合う。イデアルの#88を選んだ。イデアルはフランス製の現行モデルも入手できる。こちらはひと頃出回ったマレーシア製と噂される怪しいイデアル(でもその昔、長谷川自転車商会で買った)。表皮が乾いてきたのでオイルでケアしてメンテナンス




※この記事はBicycle Club[2025年11月号 No.463]からの転載であり、記載の内容は誌面掲載時のままとなっております。
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