
高校生の81.3%が自転車の基本ルールを知らない、大阪・兵庫・福岡でヘルメットメーカーが調査

Bicycle Club編集部
- 2025年07月28日
ヘルメットメーカーのオージーケーカブトが実施した大規模調査で、自転車通学時にヘルメットを着用し始めた高校生の意識や行動に、顕著な前向きな変化が見られたことが分かった。大阪府、兵庫県、福岡県の4,440人の高校生を対象にしたアンケートでは、85%以上が「交通安全への意識が高まった」と回答した一方で、基本的なルールを81%以上が「知らない」といった衝撃の事実がわかった。
ヘルメットがもたらす意識と行動の変化をヘルメットメーカーのオージーケーカブトが調査
この調査は、オージーケーカブトがヘルメットを寄贈した大阪府、兵庫県、福岡県の高校に通う生徒4,440名を対象に、2025年4月から6月にかけて実施された。
調査結果によると、「交通安全に対する意識が高まったか?」との問いに対し、「とてもそう思う」(40.5%)と「ある程度そう思う」(44.7%)を合わせて85.2%の生徒が意識の高まりを実感。「慎重な自転車運転を心がけるようになったか?」という質問には、合計87.9%が「とてもそう思う」(47.9%)、「ある程度そう思う」(40.0%)と回答し、ヘルメット着用が具体的な行動変容を促していることが明らかになった。
また、ヘルメットの有効性についても、「頭部を守るために有効だと思う」と94.7%が回答し、「自転車に乗るときの安心感が増した」と感じる生徒も74.5%に上った。自由回答では、「車が横を通り過ぎる時も安心」「転倒したが無事だった」「交通ルールを意識するようになった」など、実体験に基づいた声が寄せられた。
着用の課題は少なく、基本的な交通ルールの認知度に課題
着用に対するハードルも低いことが示された。「ヘルメットを着用する上での課題はありますか?」という質問に対し、90%が「ない」と回答。実際に着用してみることで、事前のイメージよりも抵抗感が少ない実態がうかがえる。課題が「ある」と答えた生徒からは、「髪型が崩れる」「暑い・蒸れる」といった物理的な問題や、「周りが着用していないので恥ずかしい」といった心理的な意見が挙がった。
一方で、交通ルールの認知度には課題も浮き彫りになった。自転車運転中の「ながらスマホ」などに対する罰則強化(2024年11月~)については85%が認知していたものの、基本的なルールである「自転車安全利用五則」については、81.3%が「知らない」と回答。安全運転の土台となるルールの周知徹底が今後の課題と言えそうだ。
ヘルメット着用率が低い地域では社会全体での着用雰囲気の醸成へ
今回の調査は、高校生の交通事故の約8割が自転車乗用中に発生し、死亡事故の半数以上が頭部の致命傷であるという深刻な社会課題を背景に実施された。
オージーケーカブトは、「調査結果から、ヘルメット着用が安全意識の向上に効果的であることがわかった。着用への課題が少ない一方で、『周りが着用していないから恥ずかしい』という声もあることから、社会全体で着用していく雰囲気を創っていくことが重要」としている。同社は、大阪府の「ジテシラProject」への参画や、兵庫県との連携協定、福岡県警主催のコンテストへの協力など、各自治体と連携した着用率向上への取り組みを継続しており、今後も社会課題の解決に努めていく構えだ。
警察庁の資料によると2024年7月の各府県のヘルメット着用率は大阪府5.5%、兵庫県7.7%、福岡県10.5%となっており、今回同社が対象とした3県は全国平均の17.0%より低い結果が出ていることからも、「ヘルメットを被りにくい空気がある」ことが予想される。
こうした調査結果は、ヘルメット着用努力義務化の意義を改めて示すとともに、今後の交通安全教育のあり方を考える上で重要なデータとなりそうだ。
問:オージーケーカブト https://www.ogkkabuto.co.jp/
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