
アルプス2連戦初日はオコーナーが逃げ切り ポガチャルは総合リード拡大に成功|ツール・ド・フランス

福光俊介
- 2025年07月25日
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ツール・ド・フランス2025は最終決戦地アルプスへ。2連戦の初日となる第18ステージは、標高2000m級の山々を3つ上る最難関コース。ステージ優勝は逃げメンバーの中から抜け出したベン・オコーナー(チーム ジェイコ・アルウラー、オーストラリア)が勝った。ツール通算は2勝目。マイヨ・ジョーヌ争いは、ヨナス・ヴィンゲゴー(チーム ヴィスマ・リースアバイク、デンマーク)のアタックに対処したタデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ・XRG、スロベニア)がカウンターでリード。9秒先着し、総合リード拡大に成功している。
ミランが中間スプリントでポイント加算
マイヨ・ジョーヌをかけた戦いは、いよいよ最終局面を迎える。今大会のすべてが決まるのは、アルプス山脈。第18ステージからの2日間はともに山頂フィニッシュが設定された。

連戦初日は、獲得標高が今大会最高の5450m。スタートから40kmを過ぎたところから本格的な山岳ルートへに入り、1つ目の超級山岳コル・デュ・グランドン(登坂距離21.7km、平均勾配5.1%)へ。頂上からは22kmに及ぶダウンヒルで、下り終えたらすぐに2つ目の超級山岳コル・ド・ラ・マドレーヌ(19.2km、7.9%)を登坂。今度は25kmのテクニカルな下りが待っていて、それからしばらく平坦路を走って最後の砦、コル・ド・ラ・ロズに立ち向かう。
ロズの頂上に向かっては、26.4kmを上る。平均勾配は6.5%だが、部分的に10%近い急勾配も控える。フィニッシュ前4kmは11%を超える。ロズはツールで上った直近2回、2020年と2023年にそれぞれポガチャルが苦戦。特に後者ではヴィンゲゴーとの勝負に敗れ、マイヨ・ジョーヌが遠いものとなった。あれから2年、今度はどんな結末が待つだろうか。

このステージでは未出走が2人出て、162人がコースへ。序盤はリドル・トレックが、23.7km地点の中間スプリントポイントに向かって徹底的にプロトンをコントロール。ジョナタン・ミラン(イタリア)をねらい通りに1位通過させて、マイヨ・ヴェールに向けてポイント加算を成功させている。
ヴィンゲゴーがアタックもポガチャルがすかさずチェック
中間スプリントポイント通過後にアタックが散発し、ティム・ウェレンス(UAEチームエミレーツ・XRG、ベルギー)のアクションをきっかけに先頭グループが形成される。1つ目の超級グランドンに入ると先頭ライダーがシャッフルしながら進み、やがてウェレンスとアレクセイ・ルツェンコ(イスラエル・プレミアテック、カザフスタン)が先行。個人総合5位につけるプリモシュ・ログリッチ(レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ、スロベニア)が集団からアタックし、その後も数人が追随。中腹で先頭グループは最大の12人に膨らんだ。

グランドンの頂上は、ポガチャルに代わり山岳賞のマイヨ・アポワを着るレニー・マルティネス(バーレーン・ヴィクトリアス、フランス)が1位通過。
ダウンヒルでマッテオ・ジョーゲンソン(チーム ヴィスマ・リースアバイク、アメリカ)とテイメン・アレンスマン(イネオス・グレナディアーズ、オランダ)が新たに先行したが、2つ目の超級マドレーヌで追っていた6人が合流。ログリッチやオコーナーのほか、個人総合7位フェリックス・ガル(デカトロン・AG2Rラモンディアール チーム、オーストリア)といった面々が含まれた強力な逃げとなった。
約3分差で続くメイン集団は、チーム ヴィスマ・リースアバイクがペーシング。その流れから、頂上まで5kmを残してヴィンゲゴーがアタック。ポガチャルがすぐに追い、さらに個人総合3位フロリアン・リポヴィッツ(レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ、ドイツ)もテンポで続く。すると1kmほどでヴィンゲゴーとポガチャルが先頭グループに合流。そのまま頂上に到達して、ヴィンゲゴーが山岳ポイントを1位通過した。

オコーナーが独走で山岳ステージ制覇
マドレーヌ頂上からの下りを終えたところで、オコーナーとエイネル・ルビオ(モビスター チーム、コロンビア)がアタック。少しおいてジョーゲンソンも追いつく。3人を見送ったポガチャルやヴィンゲゴーらは牽制状態となり、のちに合流したリポヴィッツが間隙を縫って単独アタック。マドレーヌ登坂後に形成された集団では個人総合4位オスカー・オンリー(イギリス)を盛り立てるべく、チーム ピクニック・ポストNLがペースメイク。猛烈な勢いで追い上げて、フィニッシュまで25kmでポガチャルやヴィンゲゴーらを引き戻した。

先にロズ登坂を始めた先頭3人では、まずジョーゲンソンが後退。10kmほどオコーナーとルビオが先頭交代を繰り返しながら進んだが、残り16kmでオコーナーがアタック。ルビオに対応する隙を与えず、あっという間にその差が広がった。
メイン集団は、長く単独追走状態にあったリポヴィッツを残り9kmでキャッチ。そこからはヴィスマ、UAEとが入れ替わって集団を牽引。着実に人数を絞り込んでいく。すると、残り5kmでリポヴィッツが遅れ始める。アダム・イェーツ(UAEチームエミレーツ・XRG、イギリス)の牽きで残ったのは、ポガチャル、ヴィンゲゴー、オンリー、ログリッチだけだった。
後方での激しい展開をよそに、オコーナーはひとりで頂上に向かって突き進んだ。雨が強まる中、沿道の大観衆の声援を受けながらフィニッシュへ。ツールを勝つのは2021年大会の第9ステージ以来。今大会では序盤こそ上位が見える位置を走っていたが、徐々に後退。しかし、ここで持ち前の登坂力を生かして大きな勝利をつかんだ。

ポガチャルがヴィンゲゴーを突き放しリード広げる
緊張感高まる集団は、残り2kmでヴィンゲゴーが再びアタック。ここもポガチャルが対応。オンリーも粘り、3人で最後の1kmへ。すると今度はポガチャルがカウンターで仕掛けて食らいつくヴィンゲゴーを引き離す。最後の500mはひとりで駆け上がって、ヴィンゲゴーに9秒差をつけてのフィニッシュ。それぞれステージ2位と3位で終えた。

これらの結果により、マイヨ・ジョーヌのポガチャルは総合リードを広げることに成功。ステージ2位のボーナスタイム6秒も生かし、ヴィンゲゴーとの差を4分26秒とした。トップ10ライダーに幾分の変動があり、ガルとケヴィン・ヴォークラン(アルケア・B&Bホテルズ、フランス)が入れ替わって個人総合6位と7位。ステージ優勝のオコーナーが同10位に浮上している。
翌25日は、今大会最後の山岳ステージ。コース変更があり、129.9kmから95kmに短縮される。最後に上るのは超級山岳ラ・プラーニュで、マイヨ・ジョーヌ争いの大勢が決することとなる。

ツール・ド・フランス2025 第18ステージ 結果
1 ベン・オコーナー(チーム ジェイコ・アルウラー、オーストラリア)5:03:47
2 タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ・XRG、スロベニア)+1’45”
3 ヨナス・ヴィンゲゴー(チーム ヴィスマ・リースアバイク、デンマーク)+1’54”
4 オスカー・オンリー(チーム ピクニック・ポストNL、イギリス)+1’58”
5 エイネル・ルビオ(モビスター チーム、コロンビア)+2’00”
6 フェリックス・ガル(デカトロン・AG2Rラモンディアール チーム、オーストリア)+2’25”
7 プリモシュ・ログリッチ(レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ、スロベニア)+2’46”
8 アダム・イェーツ(UAEチームエミレーツ・XRG、イギリス)+3’03”
9 トビアス・ヨハンネセン(ウノエックス・モビリティ、ノルウェー)+3’09”
10 セップ・クス(チーム ヴィスマ・リースアバイク、アメリカ)+3’26”
個人総合成績
1 タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ・XRG、スロベニア)66:55:42
2 ヨナス・ヴィンゲゴー(チーム ヴィスマ・リースアバイク、デンマーク)+4’26”
3 フロリアン・リポヴィッツ(レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ、ドイツ)+11’01”
4 オスカー・オンリー(チーム ピクニック・ポストNL、イギリス)+11’23”
5 プリモシュ・ログリッチ(レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ、スロベニア)+12’49”
6 フェリックス・ガル(デカトロン・AG2Rラモンディアール チーム、オーストリア)+15’36”
7 ケヴィン・ヴォークラン(アルケア・B&Bホテルズ、フランス)+16’15”
8 トビアス・ヨハンネセン(ウノエックス・モビリティ、ノルウェー)+18’31”
9 ベン・ヒーリー(EFエデュケーション・イージーポスト、アイルランド)+25’41”
10 ベン・オコーナー(チーム ジェイコ・アルウラー、オーストラリア)+29’19”
ポイント賞
ジョナタン・ミラン(リドル・トレック、イタリア)
山岳賞
タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ・XRG、スロベニア)
ヤングライダー賞
フロリアン・リポヴィッツ(レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ、ドイツ)
チーム総合成績
チーム ヴィスマ・リースアバイク
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