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地元の星・川口うらら、念願のエリート初優勝!沢田時は2連覇達成|マウンテンバイク全日本選手権XCO

7月20日、第38回全日本自転車競技選手権大会マウンテンバイクの2日目が開催され、待ちに待った瞬間が訪れた。地元たつの市出身の川口うらら(Team TATSUNO)が女子エリートで念願の初優勝を飾り、男子エリートでは沢田時(宇都宮ブリッツェン)が2年連続チャンピオンの座を獲得した。初夏を思わせる暑さの中、各カテゴリーで熱い戦いが繰り広げられ、新たな歴史が刻まれた一日となった。

緊張が漂う朝の会場、選手たちの心境

昨日に比べ雲が多く日差しは抑えられていたものの、それでも初夏を思わせる暑さとなった2日目。朝一番にジュニアやアンダーの選手に今日はどんな感じかと尋ねたところ、「世界選に行ったときより緊張していつもより眠れなかった」といった声を聞いた。一年間の結果を試す場として全日本は格別な場所といった雰囲気が昨日とは違い感じられ、選手たちの真剣な表情からも大会の重要性が伝わってきた。

朝一番のレース、若き才能が躍動

男子U23・ジュニア:圧倒的な走りで勝負を決める

朝一番は男子U23がスタートループ+5周の19.8km、時差出走となる男子ジュニアは4周回となる16.3kmで行われた。スタートと同時に飛び出したU23の副島達海(TRKWorks)、高橋翔(SPEED of sound)、そしてジュニアの野嵜然新(RACING TORQUE)らが後続を離し、一方的なレース展開となった。

男子U23を制したのは4年連続となり、今年がU23最後となる副島達海だった。「大学4年間最後の年で緊張が多かった時間が多く、湯船からも時間が空いたので自分と向き合って追い込んで、いつも以上に気合いは入っていたこともありますが、この緊張感がいつも以上に刺激になってしっかり追い込めたかなと思います」と副島は振り返った。

 

「レース始まるまで不安が勝っていてこの感覚が怖かったのですが、練習だけはやっているといった自信があったのでスタートしたらとにかく自分を信じていつもの走りが出来るようにしました。大事なのは来年からのエリートなので、今日一日は喜びたいと思いますが次を目指して頑張りたいと思います」

2位となった高橋翔は力負けを認めつつも、準備の完璧さを強調した。「スタートから調子は凄くよかったのですが力負けした感じです。コースも事前に合宿できていて完璧にラインも考えて毎周回ちゃんと考えてその通りに出来ていたので、やはり力負けしてしまいましたね」

ジュニアではディフェンディングチャンピオンとなる野嵜然新が2年連続チャンピオンとなった。「今日は負けるわけには行かない、そう思って自分自身を奮い立たせて一周目からとにかく飛ばして結果勝てて本当によかったです」と野嵜は勝利への強い意志を語った。

2位の松山海司(Sonic Racing)は冷静な判断でレースを運んだ。「ハイペースでついて行けなくてダメだなと思い、そこからは自分のペースを崩さず順位を落とさないように心がけました」

女性カテゴリーの充実した戦い、各世代で新たなチャンピオンが誕生

2レース目は女子エリート及び女子U23がスタートループ+4周回となる15.3km、時間差出走となる女子ジュニアは3周回の12km、女子ユースは2周回8.7km、女子マスターは1周回5.4kmで実施された。

女子U23では日吉愛華(中京大学/Teamまるいち)が淡々と自分のペースを維持し、安定した走りで優勝を飾った。女子ジュニアはロードでも定評のある石川七海(MOPS)が頂点に立った。

女子ユースでは終始、日吉彩華(Asia Union TCS Racing Team)と有松鈴々奈(Q-MAX)で競ったが、最終的に有松鈴々奈が優勝。女子マスターでは初出場となる寺本麻衣(and more)が見事に栄冠を手にした。

川口うらら、地元で念願のエリート初優勝

石田唯との一騎打ちを制す

女子メインとなる女子エリートは、地元の雄・川口うらら(Team TATSUNO)と石田唯(TRKWorks)による二人の勝負となった。レースは2周目に一度石田が前方に出る展開となったが、エリート初優勝を懸けた地元でのレース。川口うららが前に出るとジリジリと石田を引き離し、3分55秒差で念願の女子エリートナショナルチャンピオンの称号を手にした。

地元の声援を背に勝利を掴んだ川口は、感激の面持ちでコメントした。「今回地元の方々凄い集まってくださったので、やはり絶対勝たないといけないレースでしたので勝ててよかったです。今後も勝ち続けて海外でも活躍の出来るように自分のレベルを上げていきたいということを、応援に来てくださったみなさんの声を聞いて改めて思いました」

「本当に力を貰えたので今後の活力にして、次のオリンピックを目指して頑張りたいと思います」という言葉からは、さらなる高みを目指す決意が感じられた。

石田唯、挑戦への想いを語る

2位となった石田唯は、積極的な走りを見せながらも実力差を認める潔いコメントを残した。「2周目で川口選手に追いついて前に出ることができ、今までうらら選手の前に出られたことが無かったのですが、やってみなければ前に出続けることは出来ない、そう思い余裕はありませんでしたがアタックしてみました」

「実力の差が出てしまい順位は落としてしまいましたが、今日の負けは必ず今後の成長につながると私は信じています。これからも一歩ずつ成長して行けるように頑張りたいと思います。サポート応援して頂いたみなさんありがとうございました」

沢田時、冷静な戦略で2年連続チャンピオン

23.3kmの長丁場を支配

全日本最後のレースとなる男子エリートは6周回23.3kmで行われ、今大会最長距離での戦いとなった。スタートループにて先行した沢田時(宇都宮ブリッツェン)と北林力(Massi Development Team)ら6人パックで飛び出したが、その後沢田と北林、遅れて竹内遼(MERIDA BIKING TEAM)・松本一成(TEAM RIDE MASHUN)・宮津旭(NESTO FACTORY RACING)・平林安里(TEAM SCOTT TERRA SYSTEM)らでの展開となった。

勝負の分かれ目は4周回を過ぎてから訪れた。ホームストレートで沢田時が飛び出すと、北林力が反応についていけずにタイム差が開いた。ラスト1周回を過ぎたときには56秒差となり、廣瀬佳正GMもこれで行けると感じたのか、ガッツポーズをとる場面も見られた。そのまま冷静に1分07秒まで引き離し、念願の2年連続チャンピオンの座を沢田時が掴んだ。

沢田時「踏めるところはとにかく踏んでいく」

2連覇を達成した沢田時は、戦略的な走りについて詳しく語った。「昨日と今日はコースも内容も全然違うので、昨日勝ったことは一切考えずに今日のことだけに集中していましたが、北林選手は下りが速いのですが自分はこのコース下りが得意じゃないのでどうしても下りで差をつけられる展開に最初から最後までなってしまうと感じたので、踏めるところはとにかく踏んでいく形になるように意識しました」

自分の弱点を理解し、それを補う戦略を立てた沢田の冷静な判断が勝利を呼んだ。

北林力「悔しいの一言しかない」

2位でフィニッシュした北林力は、悔しさを隠さなかった。「悔しいの一言しかないです。時さん戦略や走りがうまく、今回自分暑さに弱いので1周目終わった当たりからとにかく暑くてきつく身体が動かなくて、自分らしい走りが出来なかったのが悔しかったです」

暑さという条件が北林にとって不利に働いた一日となったが、その中でも2位を確保した走りは高く評価される。

3位に入った竹内遼(MERIDA BIKING TEAM)は6分27秒差でゴールイン。表彰台の一角を占めた。

エリート以外にも、、U23、ジュニア、ユース、マスターズで充実した戦い

今回の菖蒲谷大会では、エリートカテゴリーだけでなく、U23、ジュニア、ユース、マスターズと幅広い年代の選手たちが熱戦を繰り広げた。特に副島達海のU23での4連覇や、野嵜然新のジュニア連覇など、将来のエリートを担う若手選手たちの活躍が目立った。

女性カテゴリーでも各世代で新たなチャンピオンが誕生し、日本の女子マウンテンバイク界の層の厚さを印象付けた。初出場で優勝を飾った寺本麻衣をはじめ、各選手が自分の力を存分に発揮した。

地元開催の特別な意味

今回の菖蒲谷での開催は、地元出身の川口うららの念願のエリート初優勝という最高の結果で幕を閉じた。地元の声援が選手にとってどれほど大きな力になるかを改めて証明した大会となった。

川口のコメントにもあったように、地元の方々の熱い応援が選手の背中を押し、普段以上の力を引き出した。これこそがスポーツの持つ魅力であり、地域とスポーツが一体となって生み出す感動だった。

関西地区初開催の成功

第38回全日本自転車競技選手権大会マウンテンバイクの関西地区初開催は、大きな成功を収めた。菖蒲谷森林公園の自然を活かしたコース設計は選手たちから高い評価を受け、観客にとっても見応えのある大会となった。

初夏の暑さという厳しい条件下でも、各選手が自分の力を出し切り、観客に感動を与えた。特に地元選手の活躍は、今後の関西地区でのマウンテンバイク競技普及に大きな弾みとなることは間違いない。

未来への期待

副島達海が来年からエリートカテゴリーに参戦することを明言するなど、日本のマウンテンバイク界は確実に世代交代が進んでいる。川口うららも海外での活躍を目標に掲げ、次のオリンピックを見据えている。

今回の菖蒲谷大会で見せた各選手の走りと精神力は、日本のマウンテンバイク競技の未来に明るい希望を与えてくれた。地元開催の特別な雰囲気の中で生まれた数々のドラマは、長く語り継がれることになるだろう。

第38回全日本自転車競技選手権大会マウンテンバイクは、記念すべき関西地区初開催として、そして地元の星の輝きとして、歴史に刻まれる大会となった。

リザルト

男子エリート(StartLoop 2.10km + 3.50km × 6Laps = 23.10km)

1位 沢田時(宇都宮ブリッツェン) 1時間26分45秒
2位 北林力(Massi Development Team) +1分7秒
3位 竹内遼(MERIDA BIKING TEAM) +6分27秒

女子エリート(StartLoop 2.10km + 3.30km × 4Laps = 15.30km)

1位 川口うらら(Team TATSUNO) 1時間6分56秒
2位 石田唯(TRKWorks) +3分55秒
3位 末政実緒(SANTA CRUZ) +12分14秒

男子U23(StartLoop 2.10km + 3.50km × 5Laps = 19.60km)

1位 副島達海(TRKWorks) 1時間14分3秒
2位 高橋翔(SPEED of sound) +1分36秒
3位 古江昂太(FUKAYA RACING) +7分35秒

女子U23(StartLoop 2.10km + 3.30km × 4Laps = 15.30km)

1位 日吉愛華(中京大学/Teamまるいち) 1時間17分55秒
2位 北都留千羽(Q-MAX) +2分42秒
3位 大蔵こころ(AX MTB team) -1周回

男子ジュニア(StartLoop 2.10km + 3.50km × 4Laps = 16.10km)

1位 野嵜然新(RACING TORQUE) 1時間2分36秒
2位 松山海司(Sonic Racing) +46秒
3位 中山道侑毅(FUKAYA RACING) +3分6秒

女子ジュニア(StartLoop 2.10km + 3.30km × 3Laps = 12.00km)

1位 石川七海(MOPS) 59分55秒
2位 寺本彩玖子(and more) -1周回

女子ユース(StartLoop 2.10km + 3.30km x 2Laps = 8.70km

1位 有松鈴々菜(Q-MAX) 38分52秒
2位 日吉彩華(Asian Union TCS Racing Team) +55秒
3位 小林碧(AX MTB team) +8分54秒  

女子マスターズ(StartLoop 2.10km + 3.30km x 1Laps = 5.40km)

1位 寺本麻衣(and more) 33分19秒
2位 中川左裕里(SOHAYA RACING) +59秒
3位 小林真澄(Team Soleil悠) +1分26秒 

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Bicycle Club編集部

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ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。

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