
ポガチャルが山岳個人TTで一番時計、ステージ2連勝で総合リード広げる|ツール・ド・フランス

福光俊介
- 2025年07月19日
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ピレネー山脈を走っているツール・ド・フランス2025。山岳3連戦の2日目となる第13ステージは、10.9kmの山岳個人タイムトライアル。個人総合首位の証であるマイヨ・ジョーヌを着て出走したタデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ・XRG、スロベニア)がトップタイムをマークして、2日連続のステージ優勝。2位で終えたヨナス・ヴィンゲゴー(チーム ヴィスマ・リースアバイク、デンマーク)との総合タイム差拡大にも成功し、4分7秒差となった。
最大勾配16%のペイラギュード
今大会2回目の個人タイムトライアルステージ。平坦路を走った第5ステージとは違い、この日は1級山岳ペイラギュードの頂上を目指す登坂力勝負。10.9kmと距離は短いながらも、登坂距離8km・平均勾配7.9%、フィニッシュ前にかけて最大勾配16%のタフな上りが選手たちの前にそびえる。

個人総合下位の選手から順に、麓の街・ルダンヴィエルを出発。しばらくは完走狙いの選手たちがイージーに走り終えていたが、40番出走のルーク・プラップ(チーム ジェイコ・アルウラー、オーストラリア)が24分58秒をマークし、これが基準タイムとなった。

ヴィンゲゴーが復調、レムコは失速
その後、数人がプラップのタイムに迫ったが、トップに立つまでとはならず。その流れのままトップ10ライダーの出走時間を迎え、本格勝負のムードへと移っていった。
まず好ペースを刻んだのが、個人総合7位でスタートしたプリモシュ・ログリッチ(レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ、スロベニア)。3.9km地点に設置された第1計測でプラップと同タイム通過すると、7.6km地点に置かれた第2計測ポイントへ向けてペースアップ。ここでトップタイムを30秒更新すると、さらにスピードに乗せてフィニッシュタイムは24分30秒。多くの選手がロードバイクで出走した中、TTバイクでコースへ出た効果を示した。

ログリッチのチームメート、同4位のフロリアン・リポヴィッツ(ドイツ)も続く。こちらもTTバイクで走ると、ログリッチから10秒前後の差でペーシング。終盤は少し苦しんだが、それでも35秒差でまとめ、この段階で2番時計。
個人総合3位のレムコ・エヴェネプール(スーダル・クイックステップ、ベルギー)も、TTバイクでコースへ。この種目の世界王者らしく前半から飛ばすが、第1計測通過後にペースダウン。さらに登坂中にチェーントラブルに見舞われ、一時的ながら失速。
そのレムコを、2分後にスタートしたヴィンゲゴーが追った。第1計測はログリッチから3秒遅れたが、中腹から一気に加速。第2計測でトップタイムを29秒更新すると、視界にレムコを捉えた。最終のストレートでスパート。フィニッシュ直前でレムコをパスすると、勢いのままTTバイクで突き進む。フィニッシュタイムは23分36秒。ログリッチのタイム差を44秒更新しトップへ。あとは、最終走者のポガチャルを待つのみとなった。

ポガチャルが快勝、総合リード広げる
いよいよ真打ち、ポガチャル。エアロロードバイクでコースへと飛び出すと、序盤から異次元の走りを披露してみせた。上りの入口からグイグイと踏み込むと、第1計測で早くもトップタイム。ペースが落ちる気配はまったくなく、第2計測ではヴィンゲゴーが更新したばかりの中間タイムを23秒上回る。沿道からの歓声を受けながら急坂を突き進み、最終のストレートへとやってきた。注目のフィニッシュタイムは23分ちょうど。ヴィンゲゴーを36秒上回って、2日連続のステージ優勝を決める。フィニッシュラインを通過すると同時に、右拳を力強く握った。

この結果で、ポガチャルとヴィンゲゴーの総合タイム差は4分7秒まで拡大。一層のポガチャル優勢ムードが高まっている。また、ポガチャルから個人総合3位のレムコまでが7分24秒差。大会中盤戦でありながら、大差がつく状況となっている。

ピレネーでのステージは残り1つ。翌19日に行われる第14ステージは、トゥールマレー、アスパン、ペイルスルードとツールではおなじみの山々を連続登坂。そして最後は、スキーリゾート地・シュペルバニエールへ。その難易度は今大会ナンバーワンとの呼び声もある。優位に立つポガチャル、追うヴィンゲゴーやレムコらがどのような立ち回りを見せるのか注目したい。レース距離は182.6km、獲得標高は4950mを数える。
ツール・ド・フランス2025 第13ステージ 結果
1 タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ・XRG、スロベニア)23:00
2 ヨナス・ヴィンゲゴー(チーム ヴィスマ・リースアバイク、デンマーク)+0’36”
3 プリモシュ・ログリッチ(レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ、スロベニア)+1’20”
4 フロリアン・リポヴィッツ(レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ、ドイツ)+1’56”
5 ルーク・プラップ(チーム ジェイコ・アルウラー、オーストラリア)+1’58”
6 マッテオ・ジョーゲンソン(チーム ヴィスマ・リースアバイク、アメリカ)+2’03”
7 オスカー・オンリー(チーム ピクニック・ポストNL、イギリス)+2’06”
8 アダム・イェーツ(UAEチームエミレーツ・XRG、イギリス)+2’15”
9 レニー・マルティネス(バーレーン・ヴィクトリアス、フランス)+2’21”
10 フェリックス・ガル(デカトロン・AG2Rラモンディアール チーム、オーストリア)+2’22”
個人総合成績
1 タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ・XRG、スロベニア)45:45:51
2 ヨナス・ヴィンゲゴー(チーム ヴィスマ・リースアバイク、デンマーク)+4’07”
3 レムコ・エヴェネプール(スーダル・クイックステップ、ベルギー)+7’24”
4 フロリアン・リポヴィッツ(レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ、ドイツ)+7’30”
5 オスカー・オンリー(チーム ピクニック・ポストNL、イギリス)+8’11”
5 ケヴィン・ヴォークラン(アルケア・B&Bホテルズ、フランス)+8’15”
7 プリモシュ・ログリッチ(レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ、スロベニア)+8’50”
8 トビアス・ヨハンネセン(ウノエックス・モビリティ、ノルウェー)+10’36”
9 フェリックス・ガル(デカトロン・AG2Rラモンディアール チーム、オーストリア)+11’43”
10 マッテオ・ジョーゲンソン(チーム ヴィスマ・リースアバイク、アメリカ)+14’15”
ポイント賞
ジョナタン・ミラン(リドル・トレック、イタリア)
山岳賞
タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ・XRG、スロベニア)
ヤングライダー賞
レムコ・エヴェネプール(スーダル・クイックステップ、ベルギー)
チーム総合成績
チーム ヴィスマ・リースアバイク
- CATEGORY :
- BRAND :
- Bicycle Club
- CREDIT :
- TEXT:福光俊介 PHOTO: A.S.O / Billy Ceusters A.S.O / Charly Lopez
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