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ロヴァール・ラピーデスプリント/ラピーデCLXⅢ試乗評価(前編) プロダクトマネージャーに聞く「変化の理由」|SPECIALIZED

スペシャライズド傘下のホイールブランド「ロヴァール」が新たに発表した「ラピーデスプリント」および「ラピーデ CLXⅢ」。その注目作を2回にわたって解説する。前編では、製品の狙い、開発背景、そしてカーボンスポークについて、自転車ジャーナリストの安井行生氏がスペシャライズドのプロダクトマネージャー、クリス・ウィーハン氏へのインタビューと共に掘り下げる。

後編 ロヴァール・ラピーデスプリント/ラピーデCLXⅢの試乗レビューはこちら

ロヴァール・ラピーデスプリント/ラピーデCLXⅢ試乗評価(後編) 追いつけないアタック|SPECIALIZED

ロヴァール・ラピーデスプリント/ラピーデCLXⅢ試乗評価(後編) 追いつけないアタック|SPECIALIZED

2025年07月20日

疑念と期待

「フロントホイールのリムハイトをリヤより高く」―― 自転車の空力性能においてリヤよりフロントのほうが重要であることはとっくに分かっていただろう。

「カーボンスポークを採用し」―― 中国系ホイールメーカーはもう何年も前からカーボンスポークを採用しており、今やカーボンスポークは決して新しいものではない。なぜロードバイクの最前線にいるロヴァールがここまでカーボンスポークを採用するのが遅くなったのか。

「55km/hから1400wで踏んだときに云々」は我々一般人には関係のない領域の話だし、「加速性と高速巡行性の両立」は全ての万能ホイールが目指していることであり、決して新しいコンセプトではない。

かように疑念は大きいが、ロヴァールがついにカーボンスポークを採用したことは同慶の至り。期待も大きい。

気合の入った完全一新

スペシャライズドというバイクメーカーの傘下ながら、いちホイールメーカーとしての地位を確立しているロヴァールは、もともとは1970年代にフランスで誕生したホイールメーカーだった。かなり早い段階から完組みホイールを手掛け、ハブもスポークもリムも完全独自設計だったという。インディペンデント時代のロヴァールはかなり尖ったメーカーだったようだ。2005年にスペシャライズド傘下となり、現在は万能~エアロ系のラピーデと、軽量ホイールのアルピニストという2モデルを主軸としてロード用ホイールを展開する。

2025年6月、高速志向のラピーデシリーズが4年ぶりにモデルチェンジ、スプリントで勝つためのラピーデCLXスプリント、万能レーシングホイールであるラピーデCLXⅢ、価格を抑えたラピーデCLⅢの3モデルが発表された。前々作ラピーデCLX→前作ラピーデCLXⅡではリム形状はそのままに積層の変更のみだったが、今回はリム、スポーク、ハブの全てが一新されるという完全フルモデルチェンジである。

開発時の実験結果や各モデルのスペックなどはバイシクルクラブ編集部によるは既出の記事に詳しいのでそちらを読んでいただきたい。

カーボンスポーク採用の「Roval Rapide ホイール」登場! 「CLX III」に加えスプリントに特化した「SPRINT」も|SPECIALIZED

カーボンスポーク採用の「Roval Rapide ホイール」登場! 「CLX III」に加えスプリントに特化した「SPRINT」も|SPECIALIZED

2025年06月27日

とはいえ設計やスペックについて全く触れないのもいかがなものかと思うので、簡単に解説を。設計上のトピックは大きく2つ。

  1. CLXスプリントはフロント63mm/リヤ58mm、CLXⅢとCLⅢはフロント51mm/リヤ48mmに。数mmではあるが、フロントのリムハイトがリヤのそれより高くなった。
  2. CLXスプリントとCLXⅢがカーボンスポークを採用した。

そんなん常識でしたけど

①については、冒頭に記したように、自転車の空力において後輪より前輪のほうが重要だということなど、何年も前から分かっていたことだ。風が最初にぶち当たるハンドル、ヘッドチューブ、フロントホイールで空力のほとんどが決まる。後輪は、前輪やフレームや、なによりライダーの脚が上下して空気をかき乱すだけかき乱した後の話だ。ある空力の専門家は、「シートチューブや後輪がどんな形をしていても空力にはほとんど関係ない」と言っていたほど。

実際、当のスペシャだってターマックでそういう設計をしている(前半部分を空力的に洗練させ、フレーム後半部分はオーソドックスな形状)。運動性能を考えれば、フロントホイールをディープにして空気抵抗を削減し、リヤホイールをローハイトにして走りの軽さを出す、という組み合わせが正解だ。

なのになぜ今まで前後同ハイト、もしくはフロントが低いほうが多かったのかというと、もちろんハンドリングや横風に対する安定性と駆動効率の向上を狙ったからである。だから今さら「リヤよりフロントのリムハイトを高くするのが最速です」と言われても、そりゃそうでしょうね、という感想しかない。問題は、そのパッケージでホイールとしてどこまで完成度を高めているか、である。

②のカーボンスポークに関しては、中国系ホイールメーカーが10万円台中盤のカーボンスポーク採用軽量ホイールを多数リリースして市民権を得つつあるなか、「ロヴァールがやっとカーボンスポークに手を出したか」と思うと同時に、「後発、かつ高価格での追従となるだけに『カーボンスポークならではの価値』をどこまで出せているか」に注目する。

なお、カーボンスポーク製造の最大手は中国のVONOA社であり、ロヴァールもXC用ホイール(コントロールカーボンワールドカップ)で採用しているが、新型ラピーデで使われたのはアメリカに拠を置く複合素材のスペシャリスト、アリスコンポジット社のものである。しかも出来合いのものではなく、アリス社と共同で開発したロヴァール専用品だという(独占契約)。

とまあこんなことをつらつら書いてもプレスリリースの書き写しにしかならないので適当に切り上げて、新型ラピーデのプロダクトマネージャーであるクリス・リーハン氏のインタビューをお届けする。

プロダクトマネージャークリス・ウィーハン氏との一問一答

クリス・ウィーハン氏

スペシャライズドに15年勤務するプロダクトマネージャー。ロードバイクの開発を経て、ロヴァールでCLX40、CLX60を手掛ける。その後、サプライチェーン担当を経験し、5年ほど前にロヴァール担当に復帰。現在はロヴァールの製品開発のリーダーを務める。

安井:「リヤよりフロントのほうがリムハイトが高い」ということが話題ですが、「リヤよりフロントホイールのほうが空力には大きく影響する」なんてことは昔から分かっていたのでは?

クリス:ある程度は分かっていたことですが、フロントホイールのリムハイトを高くするとハンドリングに悪影響があり、それによって実走行が遅くなってしまうなどの欠点がありました。当時は今ほど空力関連技術が発達していなかったことから、ハンドリングと空力をなんとか両立させようとリヤホイールのリムハイトのほうを高くしていたんです。

安井:ラピーデも前作まではリヤのほうが高かったですね。

クリス:はい。ロヴァールホイールの開発を遡ってみると、15年ほど前はリムの断面データに、シンプルな丸(=タイヤ)を書き加えて、リム単体、ホイール単体でCFDで検証をしていた程度でした。その結果をもとに「前より速くなったな、よし製品化しよう!」という開発をしていたんです。翻って現在は、「リム、ホイール単体での検証には意味がない。ライダーを含めたシステムとして考える必要があるだろう」となり、ライダー込み、しかもペダリング動作をしている状態での検証に変わっています。今回は、脚が動くマネキンを風洞実験やCFDに導入したことが設計に大きく影響しました。

安井:生身の人間を風洞実験に使うと、ペダリング時の前後動やわずかなフォーム変化による誤差が大きくなるので、脚部のみ可動するマネキンを使うんですよね。

クリス:そうです。脚を動かして検証することによって、「自転車の後半は脚によって空気がかき乱されてしまうので、空力に与える影響はそれほど大きくない」ということが明確に分かったんです。なので今回はリヤのリムハイトを低くして軽量化して加速性能を上げ、フロントでエアロ化を狙ったというわけです。

安井:ターマックSL8はフレーム前半がエアロで、後半は大人しい造形ですよね。それもペダリングマネキン導入の効果ですか?

クリス:その通りです。ちなみに、我々は風洞実験だけでなくCFDの中でも可動マネキンを使っています。

なぜこのタイミングでカーボンスポークなのか

安井:では、カーボンスポーク(正式名称はロヴァールコンポジットスポーク)について。剛性や空力はステンレススポークと同等とのことでしたが、カーボンスポークを採用したのは軽さのためですか?

クリス:はい。一番の目的は軽量化です。スチールスポークは剛性や空力には優れていますが、軽量化は難しい。ホイールにおいて軽さは重要で、特に加速時に効いてきます。今回の開発では加速性能も重視したため、スポークのカーボン化に踏み切りました。

安井:しかし、中国系のホイールメーカーはすでにカーボンスポークを採用してかなり経ちます。なぜロヴァールは今まで採用しなかったんでしょうか?

クリス:我々は7年ほど前からカーボンスポークを研究し検討していたんです。その頃のカーボンスポークをメーカーから取り寄せてテストすると、強度不足などの欠点があり、ロヴァールが求めているクオリティには達していませんでした。ロヴァールは現在、年間10万本ほどのカーボンリムを製造しており、世界トップクラスのカーボンホイールメーカーになっていますが、そういう規模になるとスポークが切れるなどのトラブルによる悪影響が非常に大きく、ライダーの信頼を損なうことにもなります。だから安易にカーボンスポークに手を出すことができなかったんです。

安井:ビッグメーカーならではの責任ですか。ロヴァールにはカリカリのレーシングパーツというイメージがありますが、実は一番熱心にアピールしているのは安全性だったりしますよね。

クリス:そうです。あくまでライダーの安全が第一ですから。

なぜVONOA社ではないのか

安井:現在、カーボンスポークの製造といえば中国のVONOA社が筆頭です。ロヴァールもXCホイールのコントロールカーボンワールドカップでVONOA社のカーボンスポークを採用していますし、新型ラピーデもてっきりVONOAだと思ったら、アリスコンポジットという複合素材メーカーのものでした。

クリス:アリス社はコンポジット素材に関するエキスパートですが、エンジニアのトップがサイクリストで、「ターマックSL8が欲しいんだけど」とスペシャライズド社に勤務する友人に相談したことでスペシャライズドとアリス社の関係がスタートしたんです。このロヴァールコンポジットスポークは、出来合いのスポークではなく、ロヴァールとアリスの共同開発品です。

安井:この新型ラピーデのために作られたものなんですね。

クリス:そうです。今回のカーボンスポーク開発では、DTのエアロライト2と同等の剛性と空力を実現しつつ、大幅な軽量化を狙いました。

スポーク開発の苦労とは

クリス:アリス社との共同開発には地理的な利点もありました。スペシャライズドとアリス社は1時間ほどしか離れておらず、午前中にサンプルができたらそれをウーバーでスペシャライズドに届けてもらい、午後にはホイールを組んで試走や風洞実験を行うことができます。それによって開発を効率よく進められました。それでもこのスポークの完成まで2年かかりましたが。

安井:スポークの開発とは具体的に?

クリス:素材の選定、剛性の最適化、耐久性、空力などを煮詰めました。DTスイスのエアロライト2と同等の空力性能になるように薄さを0.8mmとし、ニップルが付く両端の円柱部分を短くしギリギリまでブレード状にしています。通常のカーボンスポークはブレード部分の長さが決まっており、円柱部分の長さでスポーク長の調整をします。しかし、ロヴァールコンポジットスポークはそれぞれのスポーク長で専用の金型を作り、ブレードの長さを最大限にしました。結果、エアロライト2と同等の空力性能と剛性を達成しつつ、1本あたり1.9gまで軽量化することができました。これはエアロライト2の半分以下で、ホイール前後で100g近く軽くすることができます。ここまでたどり着くのは大変でした。

安井:製造は台湾ですか?中国?

クリス:製造は台湾です。ただし最初の3カ月はアリス社の開発拠点で製造を行い、製造プロセスを構築しクオリティを安定させ、その製造プロセスをそのまま台湾に移して品質を担保しています。カーボンスポークを検討しはじめた当初は、取り寄せるサンプル品の一本一本の品質がバラバラで、「これじゃマトモなホイールは作れない」と頭を抱えましたから。

安井:うーむ、なるほど。

中国系ホイールメーカーとの違いとは

安井:では、中国系カーボンスポークホイールとの違いは?彼らの製品は、1200g台と新型ラピーデよりも軽く、しかも大幅に安価です。

クリス:新型ラピーデは、ロヴァールコンポジットスポークに最適化されたリム設計になっています。ホイールも結局、リム、ハブ、スポークのシステムで考えなければいけません。だから既存のリムをそのまま流用して安易にカーボンスポーク採用ホイールを作るわけにはいかず、新たなリムの積層から見直して開発する必要があったんです。

安井:先ほど「エアロライト2と同等の剛性」と言われましたが、スポークの剛性が同じであれば、リムはスチールスポークモデルと一緒でもいいのでは?

クリス:話はそう単純ではないんです。カーボンスポークとスチールスポークでは、負荷がかかったときの振る舞いに違いが出るので、同じリムではいけないと判断しました。でも実際は、CLX3のフロントリムはCLX2チームと同じものなので、流用できるケースもあるんですが。安全性にも違いが出ます。今回はフラットトップビードフックという形状を採用してリム打ちパンク耐性を上げ、耐衝撃性やタイヤ保持力も重視しました。

安井:というと。

クリス:もしパンクしても、ホイールメーカーとしてはタイヤが外れてコントロール不能になる状況は避けたい。だから今回の開発にあたって、チューブレスタイヤを取り付けた状態でのテスト基準を社内で構築しました。

安井:リム単体でのテストではないんですね。

クリス:チューブレスタイヤだと、チューブがないのでパンクしたときにタイヤが外れやすくなるんです。また、シーラントが潤滑剤の役割をしてしまうこともあります。さらに、空気がリム内部に一気に入るとリムが破裂しやすくなるなどの問題も発生し、これまでとは違う基準を作る必要がありました。我々のテストはかなり過酷な条件で、もしリムにクラックが入ってもタイヤが外れずにちゃんとブレーキが効き止まれるような設計にしています。なによりもセーフティー・ファースト。安全性を高めることにかけたコスト、時間、ノウハウ、技術は膨大です。新興メーカーとの違いはそこに出ると思います。今回はたくさん空力や重量の進化の話をしましたが、最も重要なのは安全性。そこがロヴァールが一番誇りにしている部分です。

後編 ロヴァール・ラピーデスプリント/ラピーデCLXⅢの試乗レビューはこちら

ロヴァール・ラピーデスプリント/ラピーデCLXⅢ試乗評価(後編) 追いつけないアタック|SPECIALIZED

ロヴァール・ラピーデスプリント/ラピーデCLXⅢ試乗評価(後編) 追いつけないアタック|SPECIALIZED

2025年07月20日

Roval Rapide CLX Sprint

フロント:193,600円(税込)、リア:290,400円(税込)

  • カラー:Gloss Carbon / Gross White、Satin Carbon / Gloss Black
  • 重量:1,395g
  • リムハイト:フロント63mm / リア58mm
  • 特徴:究極のスプリント性能、エアロコンポジットスポーク、DT Swiss 180ハブ

Roval Rapide CLX III

フロント:193,600円(税込)、リア:290,400円(税込)

  • カラー:Gloss Carbon / Gross White、Satin Carbon / Gloss Black
  • 重量:1,305g
  • リムハイト:フロント51mm / リア48mm
  • 特徴:大幅な軽量化、オールラウンド性能、エアロコンポジットスポーク、DT Swiss 180ハブ

問:スペシャライズド・ジャパン https://www.specialized.com/jp/ja

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ロードバイクからMTB、Eバイク、レースやツーリング、ヴィンテージまで楽しむ自転車専門メディア。ビギナーからベテランまで納得のサイクルライフをお届けします。

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