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30周年を迎えたマムートのハイエンドライン「アイガーエクストリーム」。アンバサダーが開発の内側を語る

マムートのハイエンドラインとなる「アイガーエクストリーム」。オレンジとブルーの特徴的なデザインはマムートの象徴となっており、あまりマムートに詳しくない人でもその存在は知っているだろう。

そのアイガーエクストリームシリーズが、今年2025年に登場から30周年を迎え、同時に、6世代目として生まれ変わった。

開発に関わったステファン・ジークリスト氏に、最新アイガーエクストリームの裏側を聞いた

編集◉PEAKS編集部
文◉森山憲一

▲右が、今シーズンモデルチェンジした最新の「アイガー ノードワンド プロ ハードシェル フーデッドジャケット」。左は1995年に登場した初代のエクストリームシリーズ。当時は「マムートエクストリーム」という名称だった。

アイガーは僕の庭だ

▲Stephan Siegrist 1972年、スイス・ベルン近郊のマイキルヒ生まれ。世界的に名の知れたクライマーである。https://stephan-siegrist.com

ジークリスト氏はスイスのアルパインクライマー/山岳ガイド。ヨーロッパを代表するトップクライマーのひとりで、有名なところでは、ウーリー・ステック氏と組んだアイガー北壁での新ルート開拓が知られているほか、ヒマラヤやパタゴニアなどでも膨大な登攀実績をもっている。とくに地元のアイガー北壁は庭というほどに知り尽くしており、これまでに38回も登っている。

ジークリスト氏はマムートのアンバサダーでもあり、アイガーエクストリームなどのハイエンド製品を中心に、製品開発にも深く関わってきた。マムートには、アルパイン分野の国際アンバサダーが9人いるが、ジークリスト氏はそのリーダー格で、各アンバサダーからの要望を取りまとめる存在でもあるという。

「クライマーの要望と一般製品としてのニーズは必ずしも一致しないんです。それをどこでバランスを取るかということにはいつも頭を悩ませていますね」

ジークリスト氏は開発の苦労をそう表現した。たとえば、ジャケットやバックパックはできるだけシンプルなものをクライマーは好むが、あまりにもシンプルすぎると一般的には売りづらいものになってしまう。カラーリングにしてもそうだ。シリアスクライマーが望む色と一般登山者が好む色は異なる。その天秤をどこでバランスさせるか。それは永遠の課題なのだという。

▲最新のアイガーエクストリームについて、開発の裏側を説明してくれるジークリスト氏。

それでも、どうしても重要だと感じたときは、開発陣の抵抗を押し切ってでもクライマーとしての要望を通すこともあるそうだ。今シーズンのプロダクトでいえば、ダウンジャケットのダンプポケット。ジャケット内側に付く大容量のポケットのことだが、当初、開発陣はこれを省略しようとしていた。しかしジークリスト氏が強く要望して備えることになったのだという。

「グローブを外したときに一時的に入れておけるポケットは現場ですごく重宝するんです。これは外すわけにはいかないな、と」

ほかにも、パンツの裾にはベルクロは使わず、ファスナーのみを使用するようにするなど(ベルクロはほかのウエアに張り付いたりしてわずらわしいのだそうだ)、随所にジークリストの要望が生かされている。

▲「たとえばここが……」と、パンツの裾について細かなポイントを熱心に解説。

ステファン・ジークリスト Favorite Gear

さてここでは、ジークリスト氏がとくにお気に入りだというギアを紹介しよう。

まずはバックパック。「アイガー ノードワンド 28」というモデル。見るからに玄人向けという感じの、研ぎ澄まされたバックパックだ。

「とにかくシンプルで壊れないバックパックがほしかったんです。これは本体素材にダイニーマを使っていて、ちょっとやそっとじゃ破れたりしない。なのにとても軽いんです」

次にブーツ。エキスパート用ウインターブーツ「タイス プロ ハイ GTX」の進化形となる「アイガー ノードワンド アドバンスド ハイ GTX」。2024年のISPOアワードも獲得したこのブーツは、冬用とは思えない軽さに、ソックスのような構造をした、マムートらしいラジカルな一足である。

「前作は履きづらいという難点があったので、ファスナーを設けて少し履きやすくしました。それからソールのカーブも最適化して、よりクランポンとの一体感が上がるように調整しています」

最後にロープ。「アルパイン コア プロテクト ドライ」というモデルで、これは今シーズンの新作というわけではないが、とくに気に入っているのだという。

「アラミド繊維という非常に強度の高い素材を使っています。尖った岩などにこすれたときに、ほかのロープに比べてはるかに切れにくくなっていて、安心感が絶大です」

著名なクライマーでありながら、とても謙虚な姿勢が印象的なジークリスト氏。彼の知見が注ぎ込まれた最新アイガーエクストリーム。店頭などで現物を手に取る機会があれば、ぜひ彼がこだわったポイントにも注目してみてほしい。

伝統と革新が交差するマムートの第6世代アイガーエクストリームコレクション

伝統と革新が交差するマムートの第6世代アイガーエクストリームコレクション

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PROFILE

森山憲一

PEAKS / 山岳ライター

森山憲一

『山と溪谷』『ROCK & SNOW』『PEAKS』編集部を経て、現在はフリーランスのライター。高尾山からエベレストまで全般に詳しいが、とくに好きなジャンルはクライミングや冒険系。個人ブログ https://www.moriyamakenichi.com

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『山と溪谷』『ROCK & SNOW』『PEAKS』編集部を経て、現在はフリーランスのライター。高尾山からエベレストまで全般に詳しいが、とくに好きなジャンルはクライミングや冒険系。個人ブログ https://www.moriyamakenichi.com

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