
青切符制度について警察庁へ質疑、第3次計画、そしてVelo-cityへ 超党派「自転車活用推進議員連盟」総会開催
山口
- 2026年04月16日
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2026年4月14日、参議院会館で開催された「自転車活用推進議員連盟」総会。青切符制度の導入、第3次自転車活用推進計画、ナショナルサイクルルート、そして愛媛で開催されるVelo-city2027まで、日本の自転車政策の最前線をレポートする。
自転車政策の転換点となる総会、金子恭之国土交通大臣も出席
2026年4月14日、参議院会館にて超党派「自転車活用推進議員連盟」総会が開催された。司会進行は江島潔事務局長。橋本聖子会長をはじめ、所属議員、金子恭之国土交通大臣、関係省庁、自治体、業界団体が参加し、日本の自転車政策をめぐる重要テーマについて議論が行われた。 今回の総会では2026年4月にスタートした「青切符制度」、新たな「第3次自転車活用推進計画」、そして2027年に控える世界最大級の自転車国際会議「Velo-city(ベロシティ)2027Ehime」など、日本の自転車政策が大きく動き出す節目となる内容が並んだ。

冒頭に挨拶をした橋本聖子自転車活用推進議員連盟会長は「4月1日から青切符制度が導入されましたが、安全性の向上に期待が寄せられている一方で、制度の認知不足や現場での課題も見えてきています」と指摘。「特に、子どもや保護者の不安などもあり、まだまだ丁寧な周知が必要だと感じています」とコメントした。

つづいて金子恭之国土交通大臣が挨拶をし「今年は第3次自転車活用推進計画がスタートする重要な年です。皆様からのご意見やご要望を踏まえながら、日本の自転車政策をさらに前進させていきたいと考えています」とし、Velo-cityにも触れ、政府としての姿勢を改めて示した。
第3次自転車活用推進計画が示す新たな方向性
国土交通省からは、第3次自転車活用推進計画の概要が説明された。今回の計画では初めて「ビジョン」が明確に打ち出され、自転車を社会インフラとして位置づける姿勢が強く打ち出された。
- 良好な自転車利用環境の実現
- 安全・安心な社会の実現
- 地域の移動環境の形成
- 健康長寿社会の実現
- 観光・地域活性化の推進
とりわけ「地域交通」としての役割強化は大きなポイントだ。鉄道やバスと連携したマルチモーダルな移動手段としての自転車が、政策の中心に据えられつつある。
関心が高まるナショナルサイクルルート
ナショナルサイクルルートの第3次指定についても報告があった。これまでの長距離志向に対し、議員からは新たな視点が提示された。

堀内詔子衆議院議員は、自身の地元でもある富士山周辺のナショナルサイクルルートについて、強い期待を語り。「富士山周辺のサイクルルートは、本当に素晴らしい景色とコースなんです。実は昨日も山中湖を一周走ってきたのですが、改めてその魅力を実感しました。このエリアはオリンピックの自転車競技コースでもあり、まさにレガシーとして世界に発信できるポテンシャルを持っています。フルで走るのが難しい方のために、サブルートや導入ルートも整備しています。さまざまなレベルの方に楽しんでいただけるよう工夫していただきたい」といった意見が上げられた。 観光や裾野拡大の観点から、短距離・初心者向けルートの必要性が強調された。今後の制度設計において重要な論点となりそうだ。
▼ナショナルサイクルルートについてはこちら
警察庁が青切符制度について説明
2026年4月に導入された自転車の青切符制度について警察庁から説明が行われた。 その後、泉健太衆議院議員は運用面について踏み込んだ質問を投げかけた。「ドライブレコーダー映像などをもとに、後から違反を特定して立件するような運用はあるのか?」という質問に対し、警察庁の担当者は「ドライブレコーダー映像による立件が排除されているわけではないが、基本は現場での指導・取り締まりを中心に運用していく」と回答。ほか多くの議員からも青切符制度導入に関する質問や意見が相次いだ。 この制度についてはスタートに過ぎず、社会への浸透こそが今後の最大の課題といえる。

▼自転車に対する青切符制度については警察庁の考えはこちら
自転車インフラ整備と公共交通連携の重要性

参議院の宮本和宏議員は、インフラ面の課題を明確に指摘。「自転車レーンをしっかり道路空間の中に確保することが重要。ガイドラインを充実させ、自治体が整備を進めやすくするべきだ」とし、さらに、サイクルトレインなど公共交通との連携についても言及。「ヨーロッパでは当たり前だが、日本ではハードルが高い。鉄道分野との連携を強化してほしい」と政府に対して要望を示した。自転車政策は単独では成立せず、交通全体の中でどう位置づけるかが問われている。
「Velo-city2027Ehime」、日本初開催への期待

愛媛県からは河上芳一氏が登壇し、「Velo-city2027Ehime」に関する進捗を報告した。日本で初開催となるVelo-city開催に向け、現在、体制を5名から25名へと拡充し、本格的な準備が進められているという。テーマは「共生(Coexistence)」を軸に検討されており、都市と自転車、多様性、観光、交通連携といった広範なテーマが議論される予定だ。 Velo-cityを実施するにあたり、河上氏は自転車政策をユーザー目線で具体化する内容や視点について言及。「Eバイクについては、ヨーロッパ規格EN仕様のEバイクの規制緩和や実証実験の検討」を提案。さらに「マウンテンバイクについて、森林や里山を活用したコース整備」についての提案。そして安全インフラでは「スマートポールなど新技術を活用し、自転車と自動車が共存できる交通環境を試験的に実施する」といった踏み込んだ案も示した。

また、玉木雄一郎衆議院議員は「Velo-city2027Ehime」の開催期間(2027年5月26日〜28日)が国会会期中であることに言及。「国会会期中の開催になるため、与野党で調整し、議員が参加しやすい環境を整えるべきだ」と橋本聖子会長に同意を求める一幕もあった。
国際会議の成功には政治の関与も不可欠であり、政府だけではなく、議連としての対応にも期待したい。
日本の自転車政策は“実装フェーズ”へ

今回の総会を通じて明らかになったのは、日本の自転車政策が大きな転換点にあるということだ。今回テーマとなった「青切符制度導入に関連するルールの周知と走行環境の整備」、「第3次計画による政策強化」、「サイクルルートの高度化」、「Velo-city2027Ehimeによる国際展開」など、制度・インフラ・文化・国際戦略が同時に動き出している。 こうしたなか、今回印象に残ったのは「自転車の魅力を伝えるには、まず自分たちが乗ることだ」という自転車普及協会の小泉昭男会長の言葉だ。自転車議員連盟には政策だけではなく、実際に乗り、体験し、広げてほしい。その実践こそが、形だけではなく日本の自転車社会を次のステージへと押し上げる原動力になる。
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