
アウトドア好きなわたしたちができること【#16 Three Fields】
ランドネ 編集部
- 2026年04月08日
アウトドアウエアを長く着られるようにするために洗濯は欠かせない。けれど、素材も機能も違うと洗い方や適切な洗剤も異なりていねいなお手入れを目指すとしんどくなってしまうことも。そんなジレンマを解決してくれそうなのが、クラフト洗濯洗剤「JUN」。コロナ禍を経て生まれた新しい洗剤。誕生経緯についてうかがいました。
Three Fields
- 住所:神奈川県中郡大磯町
- https://threefields-oiso.com/
- Instagram:@threefields_oiso
<お話を伺ったのは>

三原 香さん / 三原淳也さん
犬と洋服を愛する香さん。ご近所さんへ自転車で洗剤をお届けするサービスを続けながら、普段は大磯の飲食店で働き、時間が合えば夫婦で愛犬と登山を楽しんでいる。淳也さんは、アウトドアメーカー勤務を経て、コロナ禍に洗剤の開発に着手。メーカー勤務時代から正しい洗濯知識をユーザーに広める活動に注力していた。登山、トレラン、スノーボードなど外遊びが大好きで、現在の住まいはショップのようなディスプレイの専用ルームを作れて大満足。
難しく考えたり手間をかけたりせず、あらゆる衣類の汚れを落とす

――洗剤を開発しようと思ったきっかけを教えてください。
淳也 開発を思い立ったのは2021年の冬ごろです。コロナ禍で家にいる時間が増え、花粉症の妻のために部屋干しをする機会が増えるなか、ある日お気に入りのタオルからちょっと不快なニオイを感じたんです。汚れてはいないけどニオイが気になる。酸素系漂白剤を使ったり、煮沸したりクエン酸を使ってみたりしたのですが、根本的な解決にはいたらなかったんです。
――それで「ニオイ汚れを洗剤だけで解決できないか」という発想になるわけですね。
淳也 アウトドア業界で仕事をしていたときにも、ゴアテックスやダウン、ウールといった機能性素材に対してそれぞれ専用洗剤が必要で、洗濯の手間がかかること、洗剤も安くはないこと、ウエアのお手入れのハードルが高すぎると感じていました。
しかも既存のアウトドア用洗剤は洗浄のロジックが不明確なものが多く、なぜその成分で汚れが落ちるのか納得できる説明も得られなかったんですね。それならばニオイ汚れが落ちて、さらにひとつの洗剤で、日常の衣類からアウトドアウエアまで、まとめて洗える洗剤ができないものかと、化学の専門知識をもつ友人に相談したのがきっかけです。


――最初の販売が2023年6月ということは開発に2年。
淳也 くり返し使用した際の効果を検証するために、ウールやゴアテックス、古着などさまざまな素材や汚れでテストを重ねました。
従来の洗剤が汚れを「溶かす」または「剥がす」のに対し、JUNは高い浸透性で繊維の奥深くまで届き、油汚れを微細な粒子に分散させます。これにより、生地本来のふんわりとした風合いが蘇る。さらに、ニオイの原因となる菌の繁殖を抑えるカテキン、カキシブ、トレハロースという3つの天然由来成分を配合し、従来の柔軟剤のように香りでごまかすのではなく、ニオイの元から断つことを目指しました。
また植物由来原料だけで作られる洗浄成分で、環境への負荷に配慮することにもこだわっています。排水されたあとも油汚れが再付着しにくく、生分解されやすい状態を保つ「サーキュラー・デタージェント(循環する洗剤)」なんです。



人にも環境にも負担をかけない心地よさを追求したい
――衣類にはにおいが残らないとのことでしたが、洗剤自体はほのかにいい香りがします。
淳也 そうなんです。私たちが大磯の山で年に一度だけ出会う心地よい香りを再現したいという思いがあり、近しい香りを探した結果、八ヶ岳で出会ったシラビソに似ていると感じたんです。ただ、シラビソの精油は高価すぎるため、香りのイメージが近く価格的にも見合うサイプレスを採用しました。洗濯中や干しているあいだは香りますが、乾くとほとんど残らないよう、ニオイに敏感な人の意見も取り入れながら絶妙なバランスに調整しています。

――あと驚くのはウエア以外にも使えるという点です。
淳也 「油汚れを分解する」という基本原理に基づいているため、水で15倍に希釈すれば、窓ガラスやガスコンロ周りの掃除用スプレーとして、洗車やワイパーのウォッシャー液としても使えます。カレー鍋の油汚れもすっきり落とせるので、食器の洗浄にも役立ちます。
香 私は町内のジェラート店でも働いているのですが、そこでもダスターやふきんなど、頑固な油汚れがつくものの洗浄に重宝しています。さらに犬用のシャンプーとしても使っていまして、特有の獣臭だけでなく、犬の服やタオルに残っていたニオイも気にならなくなったんです。あと、私は古着が大好きで多く所有しているのですが、染みついた独特の柔軟剤のニオイもなくなったのには驚きました。
淳也 柔軟剤は成分を「残す」ことを目的としているため非常に落ちにくいんですが、JUNで浸け置き洗いすることで、かなり軽減され、何度か洗濯すると気にならなくなります。漂白成分は入っていないため、シミ抜きには酸素系漂白剤であらかじめ対処が必要な場合もありますが、これ一本で家庭内のあらゆる洗いものに対応できるので、複数の専用洗剤を買い揃える必要がなくなります。


――ブランド名の「JUN」はご自身のお名前からでしょうか。
淳也 これは結果論でもありまして(笑)。まず「スリーフィールズ」は、私たちが暮らす大磯の山・街・海という3つのフィールドと、そこでくり返される暮らしや水の「循環」が由来となっています。ある日洗剤のアイデアが浮かんだ際、「巡る」「循環」「純粋」「潤う」といった「じゅん」の漢字が頭に浮かび、それらの意味を込めて、アルファベット表記で「JUN」という名前にしました。スリーフィールズは「三原」、僕の名前は「淳也(じゅんや)」なので、すごい偶然だと思っています。
――最初の販売は液体そのもののみで、製品ボトルは最近作られたものだとか。
香 最初は資金や保管場所の問題で容器を作れなかったため、地域で開催されていたゼロウェイストの「ししまいマルシェ」で、来場者が持参した容器に洗剤を直接注ぐ、量り売りをしていたんです。顔を見ながら直接お客さまと会話をしてお伝えしていった結果、容器入りじゃなくてもユーザーが広がっていったんです。いまは使い勝手も考慮してボトル販売も始めましたが、マルシェで液体のみで販売できたことは洗剤を始めるうえで大きかったですね。

淳也 幸いにもトレイルランナーからの高い評価をいただいていて、ランショップからはじまり、現在はアウトドア業界の展示会への出展を機に登山用品店などへと販路は少しずつ増えています。現在は18店舗で商談中のところが数店舗あります。



――今後はどのような製品展開や普及活動を考えていますか。
淳也 対面での洗濯ワークショップの開催など、製品の考え方や使い方を直接伝えるタッチポイントを増やすことを考えています。洗剤以外の製品の開発も進めているのでSNSやウェブサイトで随時お知らせしていく予定です。

Three Fieldsのアイテム

JUN[量り売り]
100㎖当たり ¥550
イベント時やご近所さん用に量り売りも行なっている。不要なもの(ゴミ)が出ないのが最大のメリット。少量から試してみたい人や必要量ほしい人は、ぜひマイ容器を持参しよう。

JUN[詰め替えパック]
容量:350㎖(洗濯70回分) ¥1,980
JUN[洗剤入りボトル300㎖]
容量:300㎖(洗濯60回分) ¥2,530
綿・麻・化学繊維・ウール・シルク・ダウン・防水透湿性およびはっ水性素材の洗濯に対応。洗濯物の量に合わせた洗剤を投入し(洗濯物3㎏もしくは水30㎖に対して5㎖)、通常どおり洗う。すすぎは一回でOK。
本誌では写真もたっぷり掲載中!
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PROFILE
ランドネ 編集部
自然と旅をキーワードに、自分らしいアウトドアの楽しみ方をお届けするメディア。登山やキャンプなど外遊びのノウハウやアイテムを紹介し、それらがもたらす魅力を提案する。
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