
フォックスがクイーンステージ制覇 留目が山岳賞、小石はアジア首位をキープ|ツール・ド・台湾第2ステージ
せいちゃん
- 2026年03月17日
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ツール・ド・台湾2026の第2ステージが3月16日に行われ、後半に2級山岳が連続するクイーンステージをマシュー・フォックス(ロット・アンテルマルシェ、オーストラリア)が制し、プロ初勝利とともに総合首位に浮上した。日本勢は留目夕陽(愛三工業レーシングチーム)が山岳賞を獲得し、小石祐馬(キナンレーシングチーム)がアジアンリーダーの座を死守している。
後半に2級山岳が3つ連続するクイーンステージ

前日の台北市街地クリテリウムから一夜明け、大会2日目は桃園市を舞台とする第2ステージ。中壢青塘園(グリーンポンドパーク)をスタートして台湾海峡沿いの平坦路を進み、内陸の石門水庫(石門ダム)方面へ。後半にかけて95.14km地点と105.94km地点に設定された2級山岳を越え、最後は頂上にフィニッシュラインが引かれた角板山公園(123.31km地点、2級山岳)へと駆け上がる。今大会最難関の「クイーンステージ」であり、今後の総合争いを占う重要な1日だ。
定刻よりも10分早くパレード走行が開始され、アクチュアルスタートが切られると激しいアタック合戦が勃発。11km地点で松井丈治(愛三工業レーシングチーム)や寺田吉騎(TEAM UKYO)を含む3名の逃げが決まりかけたところで、思わぬハプニングが発生する。
先行した数名の選手がコースを間違えてしまい、レースコミッセールが「ストップ・ザ・レース」を宣言。コース上に集団が約20分間足止めされるという前代未聞の事態となった。

カーステンゼンを含む4名が逃げ、留目夕陽が山岳賞を奪取

コースアウトした選手が戻りレースが再開されると、マックス・キャンベル(シーキャッシュ・ボディラップ、オーストラリア)、ルーカス・カーステンゼン(キナンレーシングチーム、ドイツ)、ドノヴァン・マッキー(チーム ノボノルディスク、オーストラリア)、リー・ティンウェイ(ルージャイ・インシュランス、台湾)の4名が飛び出し、先頭集団を形成する。
57km地点に設定されたこの日唯一の中間スプリントポイントをキャンベルに次ぐ2位で通過したカーステンゼンは、ポイント賞争いに向けた得点を獲得して集団へと戻っていった。

レースが後半の山岳地帯に突入すると、各チームの思惑が交錯し集団のペースが急激に上がる。ここで躍動したのが愛三工業レーシングチームの留目夕陽だった。95km地点の最初の2級山岳をトップ通過して10ポイントを獲得すると、続く105km地点の2級山岳もアドネ・ファンエンゲレン(トレンガヌサイクリングチーム、オランダ)に次ぐ2位で通過。計17ポイントを獲得した留目が、見事に山岳賞(ポルカドットジャージ)を引き寄せた。

「本当は山岳賞を狙うプランは無かったのですが、思いのほか脚が動いたので狙いにいきました。無事に獲得できて嬉しいです。明日もキープできるように頑張ります」と留目は喜びを語っている。
今村駿介らの完璧な牽引からフォックスがプロ初勝利

厳しい山岳の連続により、メイン集団はフィニッシュ手前で約20名にまで絞り込まれた。日本勢からは小石祐馬(キナンレーシングチーム)や留目らがこの精鋭グループに残る。
角板山公園への上りスプリントに向け、集団の主導権を完全に掌握したのがロット・アンテルマルシェだった。今村駿介やティボー・ベルナール(ベルギー)が献身的にペースを作ってライバルのアタックを封じ込め、エーススプリンターを最高のポジションへと引き上げる。

最終コーナーを全開で抜け出したマシュー・フォックスが、ジョルディ・ロペス(エウスカルテル・エウスカディ、スペイン)の追撃を振り切ってフィニッシュ。ワールドチームとしての貫禄を見せつけたロット・アンテルマルシェが勝利を飾り、チームメイトのマティス・グリゼル(フランス)も3位に入った。

プロ初勝利を挙げたフォックスは「ロット・アンテルマルシェのジャージでプロ初勝利を挙げられて本当に嬉しい。今村やベルナールが一日中レースをコントロールし、重要な上りで完璧な位置取りをしてくれたおかげで、フレッシュな状態でスプリントに挑めた」とチームメイトの働きを称賛している。フォックスはこの勝利でボーナスタイムを獲得し、個人総合首位(イエロージャージ)に躍り出た。
小石祐馬がアジアンリーダーをキープ「逆転を狙える位置」

精鋭グループに食らいついた小石は、トップと同タイムの集団内でフィニッシュ。これにより個人総合6位をキープするとともに、アジア最上位選手に与えられるブルージャージ(ベストアジアンライダー)をしっかりと守り抜いた。
「昨日の疲れがあるなかで速いペースに対応する必要があった。何とか集団に残れたので最後はスプリントがしたかったが脚がいっぱいだった。ただ、このステージを耐えたことで、個人総合での上位入りやアジアンリーダーを現実的に考えられるところまで来たと感じている。総合トップとは8秒差。まだ逆転を狙える位置にいるし、残る3ステージであらゆるアクションを考えていきたい」と、小石は力強く語った。
翌日の第3ステージは、台湾南部の高雄市を舞台とする146.44km。仏教の聖地・佛光山をスタートし、中盤の山岳を越えて高雄市街地へと向かうレイアウトで、再び激しい総合争いとステージ優勝争いが繰り広げられる。

ツール・ド・台湾2026 第2ステージ リザルト
1位 マシュー・フォックス(ロット・アンテルマルシェ、オーストラリア) 2時間45分36秒
2位 ジョルディ・ロペス(エウスカルテル・エウスカディ、スペイン)
3位 マティス・グリゼル(ロット・アンテルマルシェ、フランス)
4位 イバン・コーボ(エキポ・ケルンファルマ、スペイン)
5位 ロレンツォ・クアルトゥッチ(ブルゴス・ブルペレット・BH、イタリア)
6位 ルイス・サットン(エウスカルテル・エウスカディ、イギリス)
7位 ニル・ヒメノ(エキポ・ケルンファルマ、スペイン)
8位 マティアス・ブレグノイ(トレンガヌサイクリングチーム、デンマーク)
9位 シャビエル・イササ(エウスカルテル・エウスカディ、スペイン)
10位 留目夕陽(愛三工業レーシングチーム、日本)
個人総合成績(イエロージャージ)
1位 マシュー・フォックス(ロット・アンテルマルシェ、オーストラリア) 4時間21分20秒
2位 ジョルディ・ロペス(エウスカルテル・エウスカディ、スペイン) +4秒
3位 マティス・グリゼル(ロット・アンテルマルシェ、フランス) +6秒
4位 ファーガス・ブラウニング(トレンガヌサイクリングチーム、オーストラリア) +7秒
5位 ニル・ヒメノ(エキポ・ケルンファルマ、スペイン) +8秒
6位 小石祐馬(キナンレーシングチーム、日本)
7位 ディラン・ホプキンス(ルージャイ・インシュランス、オーストラリア) +9秒
8位 ロレンツォ・クアルトゥッチ(ブルゴス・ブルペレット・BH、イタリア) +10秒
9位 ルイス・サットン(エウスカルテル・エウスカディ、イギリス)
10位 シャビエル・イササ(エウスカルテル・エウスカディ、スペイン)
ポイント賞(グリーンジャージ)
リアム・ウォルシュ(シーキャッシュ・ボディラップ、オーストラリア)
山岳賞(ポルカドットジャージ)
留目夕陽(愛三工業レーシングチーム、日本)
アジアンライダー賞(ブルージャージ)
小石祐馬(キナンレーシングチーム、日本)
チーム総合成績
エウスカルテル・エウスカディ
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PROFILE
せいちゃん
稲城FIETSクラスアクト所属のJプロツアーレーサー。レースを走る傍ら、国内外のレースや選手情報などを追っている。愛称は「せいちゃん」のほか「セイペディア」と呼ばれている
稲城FIETSクラスアクト所属のJプロツアーレーサー。レースを走る傍ら、国内外のレースや選手情報などを追っている。愛称は「せいちゃん」のほか「セイペディア」と呼ばれている



















