
冬のお気に入りは、夜景クルーズから始まる伊豆大島へ!東京発、18時間でめぐる島の山旅が断然おもしろい
Mt.ランドネメンバー
- 2025年12月21日
島を旅するなんて、遠い憧れのように感じる人も多いのではないでしょうか。ここではMt.ランドネメンバーがおすすめする、船泊・日帰り登山の旅の魅力をお届けします!
12月のとっておきは「船旅×島の山歩き」。 伊豆大島・三原山へ
私のなかで、12月になると「また行こう」という気持ちが自然と湧いてくる、とっておきの山旅のプランがあります。それは、都心からほど近い伊豆大島へ渡り、三原山を歩くという、「船旅」と「島の山歩き」をミックスしたお気に入りの旅。いつもの電車や車で向かう登山とは違い、船に乗って始まる山旅は、それだけで少し冒険の匂いがして、気持ちが高まります。「海を渡って山へ向かう」そのプロセスまるごとが、すでに旅の楽しみになっていく感覚です。
「島へ渡って登山なんて、なんだかハードルが高そう……」。私は、以前そう感じてなかなかふみ出せないでいました。けれど、東海汽船の「伊豆大島 三原山ハイキング&絶景温泉」プランを知ったことで、そのハードルは一気に下がり、島の山歩きがぐっと身近なものに。三原山のお鉢めぐりを楽しむのに便利でお得な旅のかたちです。
東京・竹芝桟橋と伊豆大島を結ぶ往復の船チケットに、到着後に使える大島バス一日券、大島温泉ホテルの朝食と温泉券、さらにお昼のお弁当と温泉券までがセットに(帰りの船は、ジェット船をチョイスしています)。夜22時に東京・竹芝桟橋から船に乗り、翌日の16:30に戻ってくるプランです。
今回も、友人とふたりでこのプランを利用して、伊豆大島へ出かけてきました。
「さるびあ丸」に乗って、伊豆大島へ

スタートは、東京・竹芝桟橋から。「さるびあ丸」に乗り込み、夜22時に出港です。イルミネーションに彩られた東京の夜景を船の上から眺める時間。そして、船で一泊するという非日常感が、旅の気分をますます盛り上げてくれました。船室は、カーテンでプライベート空間が確保できる特二等を予約。「まもなく伊豆大島に到着~」のアナウンスまで、ぐっすりと眠り、朝6時に伊豆大島へ上陸しました。
温泉と朝食を楽しんで、いよいよ三原山へ

上陸後はすぐにバスに乗って、大島温泉ホテルへ移動。高台に建つホテルからの眺めは、再生途中の緑の木々がまるで海原のように眼下に広がり、その向こうに、どーんと三原山の姿を望むことができます。「なんだか、すごいところに来ているな」そう思わせてくれる景色に、これからの山歩きへの期待も自然と高まりました。

ホテルでは2時間ほど、露天風呂と朝食バイキングでゆっくりと体を整え、いよいよ山歩きへ。大島温泉ホテル(バス停:三原山温泉)から三原山頂口までバスで移動し、そこから三原神社、お鉢めぐり、裏砂漠、再生の一本道を通って、再び大島温泉ホテルへ戻るコースを歩きました。歩行時間は約3時間20分、距離は約8km。登山としては、比較的歩きやすいコースです。
大地の息吹を感じながら歩く、活きた三原山

この散策のなかで、私の目をいちばん引いたのは、やはり三原山中央火口の眺めと、ところどころから立ちのぼる噴煙です。深さ約200m、幅約300m超え。大きく口を開けた火口の迫力と、切れ落ちた火口壁の色の重なり、そしてもくもくと漂う噴煙に、大地の息吹と凄みを感じながら歩きました。
事前に調べて楽しみにしていた、「パホイホイ溶岩」や「ホルニト」、そして日本で唯一の「砂漠」もめぐります。岩に触れたり、穴の口に手を当てて、暖かく湿った風が上がってくるのを感じたり、砂漠に座ってただぼんやりと景色に浸ったり。そのすべてが、ここでしかできない特別な体験だと楽しみました。

朝早く、遠くから見ていたときは黒く見えていた三原山。けれど、近づいてみると、山全体はススキに覆われていて、思っていた以上に明るく、きらきらと輝いていました。ホテルへ戻る「再生の一本道」は、ホテルに近づくにつれ緑豊かな木々に包まれます。まさに一歩一歩、歩きながら自然の再生力を感じられる一本道です。

非日常が重なる、船旅と島の山歩き

伊豆大島の位置は、東京都心から距離にして120km。島に滞在していた時間は、9時間ほどでした。それでも、その短さを忘れるくらい、気分はもっと遠くへ旅をしているように感じました。船で一夜をすごしていることと、三原山の圧倒的な自然の迫力が重なるからかもしれません。非日常が交差する「船旅」と「島の山歩き」。どこかノスタルジックで、不思議な魅力をもつ組み合わせ。何度も行きたくなる、島の山旅プランです。
東海汽船・今回の旅プラン……
https://www.tokaikisen.co.jp/wordpress/wp-content/uploads/2025/11/web.pdf
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PROFILE
Mt.ランドネメンバー
山や自然をこよなく愛し、自分たちの“好き”を共有するコミュニティーサービスの一員。会員限定イベントなどを通じて、山や自然の新しい魅力を見つけたり、自分らしいアウトドアを楽しんでいる。
山や自然をこよなく愛し、自分たちの“好き”を共有するコミュニティーサービスの一員。会員限定イベントなどを通じて、山や自然の新しい魅力を見つけたり、自分らしいアウトドアを楽しんでいる。



















