
乗鞍岳が見せてくれた特別な朝。チャンスは雨の山にこそある!
宇宙HIKE
- 2025年12月17日
10月上旬、標高の高い山では秋の色が深まり始めるころ。北アルプス南端に位置する乗鞍岳で、1泊2日で学ぶ「宇宙HIKE」のフォトハイクに参加してきました。
長野県と岐阜県にまたがる乗鞍岳は、最高峰・剣ヶ峰の標高3,026m。中部山岳国立公園に属する山です。写真好きが楽しめる場所。最高の被写体に出会えた今回の旅のようすをご紹介します!
乗鞍岳でのフォトハイクへ

北アルプスというと “登るのが大変!” というイメージがありますが、乗鞍岳は山頂近くの 畳平(標高2,702m)までバスで行くことができ、多くの人が訪れる人気の山。
しかし、紅葉が見頃を迎えたフォトハイク初日の10月4日は、天気予報に晴れマークはなく雨と曇り……。そのため、この日の山には訪れる人の姿はほとんどありませんでした。
曇りや雨だからこそ、山が見せてくれる素敵な世界がある

乗鞍観光センターから畳平へ。バスの出発は13時。 バスに乗る前、主催者の茜さんからこんな言葉をいただきました。
「今日は晴れではありません。でも、曇りだからこそ、雨だからこそ見せてくれる山には素敵な世界があるんですよ。心惹かれるものを撮りに行きましょう!」
茜さんの瞳はキラッと輝き、少しも曇りのない笑顔。その言葉に、私も この天気ならではの山の魅力を見つけに行こう! と心が軽くなりました。
乗鞍山頂(畳平)から少し下り、お花畑周遊コースへ

雨の中、お花畑周遊コースにいたのは、宇宙HIKEメンバーの9名だけ。しとしと(時に強く)降る雨と、うっすら漂う霧は、まるで山がまとう天然のフィルター。霧という薄いベールに包まれた世界で、それぞれが心惹かれるものに静かにカメラを向けていきます。

雨の山で私も「これ、好き」と思えるシーンにたくさん出会い、シャッターを切りました。


枝や葉につく雫の輝きに、 こんなに厚い雲や雨の中でも差し込んでくる光がある……、そう改めて気づけてうれしくなったり、刻々と変わる天候のなかで「いま感じているこの空気、この気持ちを写真に残しておきたい」。そんな想いが湧いてきた1日目でした。

曇りや雨だからこそ出会える素敵なシーンがあります。
雨空から思わぬ晴れ間!乗鞍岳の朝。フォトハイク2日目

2日目は、まだ夜明け前の雨の中、 宿泊していた位ヶ原山荘(乗鞍岳の中腹に位置する)をヘッドランプをつけて出発し、30分ほど山道を登りました。夜明けとともに、何か心惹かれるものが見られたら……。
日の出が近づくと、厚い雲を抜けてきた光があたりを深い海のような色に染めました。黒く浮かび上がる木々。強い風にうねりながら流されていく雲。空も、山も、刻一刻と表情を変えていきます。

「あっ、晴れ間…!」
ガードレールの向こう、眼下に広がる森の上に光が踊り、その下にだけ鮮やかな秋の色が現れました。目の前がまるで劇場のよう。毎日訪れる朝だけれど、私たちにとっては “乗鞍岳が見せてくれた特別な朝” 。カメラを持つ手がみんな忙しそう!晴れ間と紅葉、雨避けフードを外した瞬間に見せた全員の笑顔が、とても印象的でした。

小屋を出るときには想像もしていなかった、天然のフィルターを通して見せてくれた乗鞍岳の紅葉の美しさが目の前に。カエデやナナカマドの赤、ダケカンバなどの黄色、ハイマツの緑……。

茜さんからはじめにいただいていた言葉、
「曇りや雨だからこそ見せてくれる山の素敵な世界」
松本茜さんとの乗鞍岳フォトハイク2日間を通して、 少し晴れ間はありましたが、雨や曇りの日に見せてくれる山の魅力をたくさん気づかせてもらえました。


山はもともと大好きだけど、より山が好きになって帰ってきたフォトハイクでした。
位ヶ原山荘
https://www.kuraigahara.jp/


写真&テキスト◎古塩奈緒美(宇宙HIKE)
Instagram@naomi_runrun
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PROFILE
宇宙HIKE
Photographer 松本茜主催、山と写真のコミュニティー。 宇宙を旅するように山へ登り、旅や写真を使って「自分」にフォーカスする。 ユーモア溢れるメンバーが集まり、日々楽しみながらいろんなフィールドで活動を続けている。
Photographer 松本茜主催、山と写真のコミュニティー。 宇宙を旅するように山へ登り、旅や写真を使って「自分」にフォーカスする。 ユーモア溢れるメンバーが集まり、日々楽しみながらいろんなフィールドで活動を続けている。



















