
佐藤水菜がケイリン世界選2連覇! 窪木一茂はオムニアムで銀メダルを獲得|2025トラック世界選手権
せいちゃん
- 2025年10月28日
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10月22日から26日にかけて、チリのサンティアゴで「2025 Tissot UCIトラック世界選手権」が開催された。日本勢は、女子ケイリンで佐藤水菜が圧巻の走りで2年連続の世界チャンピオンに輝き、アルカンシェルを獲得。男子オムニアムでは、昨年スクラッチ王者となった窪木一茂が最後まで優勝を争い銀メダルを獲得。女子スプリントでも佐藤が銀メダルに輝き、日本は金1、銀2の合計3つのメダルを手にし、国別メダルランキングで5位に入る活躍を見せた。
佐藤水菜がケイリン連覇、スプリントでは銀メダルと躍進

今大会、日本のエースとして最も輝きを放ったのが佐藤水菜だ。


まず女子スプリントでは、昨年の銅メダルを上回る銀メダルを獲得。決勝ではオランダの強豪へティー・ファンデヴァウに敗れたものの、そのスピードは世界トップレベルにあることを改めて証明した。

そして、ディフェンディングチャンピオンとして臨んだ女子ケイリン。佐藤は決して楽な勝ち上がりではなかった。1回戦を2位、準々決勝を3位、そして準決勝も3位と、各ラウンドをギリギリで通過し、薄氷を踏む思いで決勝の舞台へと駒を進めた。

しかし、勝負強さが求められる大一番の決勝では、その真骨頂を発揮。ライバルたちを力でねじ伏せる圧巻のスプリントを見せ、見事2年連続の世界チャンピオンに輝いた。日の丸を背負い、アルカンシェルを再びその身に纏った。


窪木一茂、ロードの強豪と渡り合いオムニアムで銀メダル獲得

昨年、スクラッチで悲願のアルカンシェルを獲得した窪木一茂は、今年の世界選手権では4種目の複合競技であるオムニアムに戦いの場を移した。過去にはリオと東京オリンピックにも出場した得意種目で、各種目で安定した走りを見せ、最後まで金メダルを争う接戦を演じた。
優勝したのは、UCIワールドチームのモビスターに所属するベテラン、アルベルト・トレス(スペイン)。3位にはUCIプロチームのフランダース・バロワーズで走るリンゼイ・デヴィルデル(ベルギー)が入るなど、ロードレースのトップシーンで活躍する強豪選手たちとの厳しい戦いとなった。窪木は最終種目のポイントレースまで粘りを見せたが、僅差で優勝を逃したものの、見事銀メダルを獲得。ロードの強豪たちと互角に渡り合った末の価値あるメダルで、そのオールラウンドな能力の高さを改めて世界に示した。

その他の日本勢も健闘、メダルまであと一歩

メダルには届かなかったものの、他の日本勢も世界トップレベルの戦いを繰り広げた。

男子ポイントレースでは、兒島直樹が積極的な走りで4位。メダルまであと一歩に迫った。女子マディソンでは、内野艶和と垣田真穂のペアが息の合った連携を見せ、昨年の13位から大きくジャンプアップする5位入賞を果たした。

男子ケイリンでは、昨年の覇者・山崎賢人が早期敗退となる波乱があったものの、太田海也が決勝に進出し4位と健闘。女子オムニアムでは梶原悠未が7位、男子スクラッチでは山本哲央が8位、女子ポイントレースでは内野艶和が8位に入るなど、多くの種目でトップ10入りのリザルトを残した。

一方で、男子チームパーシュートは昨年の4位から15位へと順位を落とすなど、課題も残る結果となった。
海外勢:ラブレイセンが3冠、ヴィヴィアーニが有終の美

海外勢では、男子短距離でハリー・ラブレイセン(オランダ)がスプリント、ケイリン、1kmタイムトライアルで個人3冠を達成(チームスプリントを含めると4冠)し、その絶対的な強さを見せつけた。
男子エリミネーションでは、この大会を現役最後のレースと公言していたレジェンド、エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア)が劇的な優勝。アルカンシェルを手にし、輝かしいキャリアに有終の美を飾った。
女子でも、オランダ勢の活躍が際立ち、ロレーナ・ウィーベスがスクラッチとオムニアムで2冠、へティー・ファンデヴァウが1kmタイムトライアルとスプリントで2冠を達成した。
国別メダルランキング:オランダが圧勝、日本は5位
国別メダルランキングでは、金メダル9個を含む合計13個のメダルを獲得したオランダが他を圧倒。2位は金メダル4個を含む14個のメダルを獲得したイギリス。日本は金1、銀2の合計3個で、5位に入った。
2025トラック世界選手権 日本人選手主なリザルト
- 女子ケイリン:1位 佐藤水菜
- 男子オムニアム:2位 窪木一茂
- 女子スプリント:2位 佐藤水菜
- 男子ポイントレース:4位 兒島直樹
- 男子ケイリン:4位 太田海也
- 女子マディソン:5位 内野艶和/垣田真穂
- 女子オムニアム:7位 梶原悠未
- 男子スクラッチ:8位 山本哲央
- 女子ポイントレース:8位 内野艶和
- BRAND :
- Bicycle Club
- CREDIT :
- 編集:バイシクルクラブ編集部 文:相原晴一朗 写真:日本自転車競技連盟
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PROFILE
稲城FIETSクラスアクト所属のJプロツアーレーサー。レースを走る傍ら、国内外のレースや選手情報などを追っている。愛称は「せいちゃん」のほか「セイペディア」と呼ばれている



















