
【100楽山/大杉谷】切り立つ岩壁と青く澄みわたる清流を辿る。私の好きな秋の山歩き

ランドネ 編集部
- 2025年09月03日
秋といえば、絶好の登山シーズン。今年の秋はどこの山に行こうか?と、考えるのが楽しみな時期になってきました。
当記事では、山をこよなく愛する4人のインフルエンサーの方に、「私の好きな秋の山歩き」について紹介していただきます。 今回は、山や自然を愛する人に向けたアイテムを作っている塚常帆花さんに教えていただきました!
知る人ぞ知る関西の秘境・大杉谷
三重県大台町から奈良県大台ヶ原を結ぶ大杉谷は、私が関西に住んでいたころに訪れた山のなかでも、とくに深く記憶に残っている山のひとつです。切り立つ岩壁と青く澄みわたる清流を辿るルートは、普段の山歩きとひと味違った迫力と感動を与えてくれます。今回は、秋が深まり始めた11月初旬のようすをご紹介します。
登山道は片側が切れ落ちた岩稜ゾーンから始まります。濡れた岩で足を滑らせないように、つねに一定の緊張感は持ちつつも、すぐ横を流れる美しい水の青には思わず何度も足が止まってしまいます。
このエリアは沢沿いのため夏場はヒルが厄介なルートでもありますが、11月はヒルの活動も落ち着くため、最後まで快適に歩くことができました。
緩やかにアップダウンを繰り返しながら、さらに峡谷の奥深くへ。


シシ淵で折り返して登山口に戻る日帰りコースも良いですが、大杉谷をすべて味わい尽くすなら、さらに奥地へと進み大台ヶ原へと通り抜けるルートをおすすめします。全長約14km、高低差は1400mを超えるため、途中の山小屋で1泊する行程が体力面や時間的にも安心です。


吊り橋や滝などルート上には見どころがたくさん!
大杉谷のルート上には、大小11本もの吊り橋と7つの滝が点在しています。高度感のある橋上から覗く谷底は、スリル満点の景色が広がっています。
7つの滝はそれぞれ個性豊かな姿をしていて、道ゆく私たちを飽きさせることなく楽しませてくれます。なかでもとくに印象に残っているのは、大杉谷登山口から最奥に位置する”堂倉滝”。
落差は20mほどですが、河原に降りて滝壺に近づくことができるため、水飛沫を浴びながらその迫力を間近で体感することができます。深くてたっぷりとした大きな滝壺は、大杉谷最奥地にふさわしい、どっしりとした存在感を放っていました。
堂倉滝から先は急登となり、これまでの険しい峡谷沿いの道から静かな原生林の森へと、山容も徐々に変化。ゴール地点の大台ヶ原へ向けて一気に標高を上げていきます。


自然の造形美を歩き抜く、記憶に残る山旅
青く深く澄み渡る清流、切り立った険しい岩壁、個性豊かな大滝の数々。大杉谷のありのままの自然の造形美は、訪れた人を魅了してやまない不思議な魅力があります。
その険しくも美しい景観と、他にはない登山体験こそが、頑張って登った人だけが味わえるご褒美であり、心に深い感動をもたらすのだと感じています。
おすすめのルート
JR三瀬谷駅〜道の駅奥伊勢おおだい~大杉谷登山口~桃の木山の家(宿泊)~堂倉滝~大台ヶ原
※大杉谷登山口までの登山バスは予約制のため、とくに紅葉シーズンの週末は早めの計画を!
紹介してくれたのは
HON MONO WORKS / 塚常帆花
兵庫県出身。2022年に長野県松本市へ移住。幼少期から自然と親しみ、登山歴は10年。2020年、革小物ブランド『HON MONO WORKS』を立ち上げる。植物タンニンなめし革を使い、手仕事のぬくもりと独自の視点を活かしたデザインで、山や自然を愛する人に向けたアイテムを展開している。
Instagram:@hon_mono_works
SHARE
PROFILE

ランドネ 編集部
自然と旅をキーワードに、自分らしいアウトドアの楽しみ方をお届けするメディア。登山やキャンプなど外遊びのノウハウやアイテムを紹介し、それらがもたらす魅力を提案する。
自然と旅をキーワードに、自分らしいアウトドアの楽しみ方をお届けするメディア。登山やキャンプなど外遊びのノウハウやアイテムを紹介し、それらがもたらす魅力を提案する。