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V・パレパントルがモン・ヴァントゥ征服 ポガチャルのマイヨ・ジョーヌは揺らがず|ツール・ド・フランス

ツール・ド・フランス2025は最終週へ。その初日、第16ステージは“魔の山”モン・ヴァントゥ決戦。ステージ優勝は逃げメンバーによる争いになって、ヴァランタン・パレパントル(スーダル・クイックステップ、フランス)が一番登頂。ツール初勝利は名峰での価値あるものとした。個人総合首位の証マイヨ・ジョーヌは、タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ・XRG、スロベニア)で揺らがず。ヨナス・ヴィンゲゴー(チーム ヴィスマ・リースアバイク、デンマーク)の再三の攻撃をかわし、トップの座を固めている。

数々の名勝負が繰り広げられているモン・ヴァントゥ

大会は残すところ1週間。ここからは、南仏とアルプスをめぐったのち最終目的地・パリへと到達する。第3週の皮切りとなる第16ステージは、171.5kmに設定される。スタートから平坦区間が130km過ぎまで続く。そこからは急に趣きを変え、上り基調へ。この日最後の試練は、“プロヴァンスの巨人”モン・ヴァントゥ登坂。“魔の山”とも言われる難攻不落の上りは、距離にして15.7kmで、平均勾配は8.8%。頂上手前3kmは10%前後の急勾配で、風の強さも特徴的。木々がまったく存在しないあたりも、特異なムードを醸し出している。

© Keita YAMAUCHI

モン・ヴァントゥでは幾度も名勝負が展開されているが、2016年の第12ステージでは、強風によるフィニッシュポイントの変更で、コースにあふれた観客とメディアバイクが接触。その真後ろを走っていた数人が接触し、クリストファー・フルーム(現イスラエル・プレミアテック)が壊れたバイクを置いてランで駆け上がる出来事があった。

また、2021年にはアタックしたヴィンゲゴーにポガチャルが対応できず、リードを許した瞬間があった。

今年のレースは果たして。2016年と同様に、モンペリエをスタートした。

© Keita YAMAUCHI

マチューが体調不良で大会を離脱

スタートを前に、マチュー・ファンデルプール(アルペシン・ドゥクーニンク、オランダ)が出走しないことを表明。第2週の終わりから風邪の症状があり、休息日だった前日21日に悪化。肺炎を併発しており、レース続行は不可能となった。これにより、第16ステージは165人の出走に。

ワウト・ファンアールト(チーム ヴィスマ・リースアバイク、ベルギー)のファーストアタックで始まると、以降逃げを狙っての仕掛けが次々と発生。10km地点では一時40人が前を行く状況となったが、ここは逃げ容認とはならない。

© A.S.O / Billy Ceusters

さらに5kmほど進んだところで3人が抜け出すと、この選手たちをめがけてメイン集団からアタックが散発。完全に決まるところまではいかず、先頭3人とメイン集団とが30秒から40秒のタイム差で長く進んだ。

その状況が鎮まったのは70km過ぎ。集団から飛び出した選手たちが前の3選手に追いつき、またそれまで集団の統率を図っていたUAEチームエミレーツ・XRGからもメンバーが送り込まれたことで、流れが変化。先頭グループは最大36人で形成された。

フィニッシュまで65kmを残したところで、大人数のグループから8人が抜け出し、新たな先頭パックへ。そのまま中間スプリントポイントに達し、ヨナス・アブラハムセン(ウノエックス・モビリティ、ノルウェー)が1位通過。その後ポイント付与の15位までは逃げのメンバーが占めた。

スプリントにもつれた勝負はV・パレパントルに軍配

しばし形勢は変わらず、8選手はモン・ヴァントゥを前に追走グループに対して約1分30秒、メイン集団とは7分近い差でリード。

いよいよモン・ヴァントゥを迎えると、先頭では第14ステージを勝ったテイメン・アレンスマン(イネオス・グレナディアーズ、オランダ)がペースアップ。ジュリアン・アラフィリップ(チューダー・プロサイクリングチーム、フランス)やエンリク・マス(モビスター チーム、スペイン)、シモーネ・ヴェラスコ(XDS・アスタナ チーム、イタリア)が続いた。

追走グループでは、V・パレパントルがアタック。ベン・ヒーリー(EFエデュケーション・イージーポスト、アイルランド)らが追随し、前を走る選手たちとの差を着実に縮めていく。

先頭ではマスが独走となるが、残り10kmを切るとV・パレパントルやヒーリーがアタックを掛け合い、マスに迫る。サンティアゴ・ブイトラゴ(バーレーン・ヴィクトリアス、コロンビア)も加わって、残り4kmで先頭は4人に。この段階でマイヨ・ジョーヌグループとは2分以上のリードを持ち、逃げ切りの可能性が高まっていった。

© A.S.O / Billy Ceusters

ステージ優勝をかけた駆け引きは、フィニッシュ前3kmを切ったところでV・パレパントルのアタックから本格化。ヒーリーがすかさずチェックし、両者が牽制気味になったところでマスとブイトラゴが追いつく格好。ヒーリーもカウンターで攻撃に出るが、やはりV・パレパントルがチェック。決定打が生まれぬまま、ステージ優勝の行方はモン・ヴァントゥ頂上まで持ち込まれた。

マスが遅れ、V・パレパントル、ヒーリー、ブイトラゴが仕掛けるタイミングを測る。そこに、V・パレパントルのチームメートであるイラン・ファンウィルデル(ベルギー)が猛追し合流。そのまま牽引役を引き受けて、最終局面へと持ち込んだ。

© Keita YAMAUCHI

残り200m。先に動いたのはヒーリー。V・パレパントルが反応し、最終コーナーを抜けたところで2人が並ぶ。フィニッシュ手前数十メートルでV・パレパントルが前に出ると、そのまま一番にフィニッシュラインへ。ツール初勝利、そして今大会でのフランス勢最初のステージ優勝者となった。

勝ったV・パレパントルは24歳のクライマー。今季から現チームで走っており、デカトロン・AG2Rラモンディアール チームで走っていた昨年は、ジロ・デ・イタリアでステージ優勝している。スーダル・クイックステップは、レムコ・エヴェネプール(ベルギー)での総合上位入りを狙っていたが、第14ステージでリタイアしたことにより方針転換。その最中での大きな1勝をつかんだ。

© A.S.O. / Aurélien Vialatte

ポガチャルはヴィンゲゴーのアタックを封じる

個人総合上位陣も、モン・ヴァントゥで激しい争い。チーム ヴィスマ・リースアバイクが上りを牽引し、集団の人数を絞り込んでいく。アシストを使い切った残り8kmでヴィンゲゴーがアタック。ポガチャルは見逃さず、ここから両選手のマッチアップ。

ヴィンゲゴーは、前待ちのティシュ・ベノートとヴィクトル・カンペナールツ(ともにベルギー)に合流。2人のペーシングを受けながら上ると、残り4kmを切ったところから数回のアタック。それでも引き離せず、逆にポガチャルのアタックに対処。状勢はそのままにフィニッシュ前までやってきた。

フィニッシュ前200mでポガチャルがスプリントに出て、ヴィンゲゴーに2秒差をつけてレースを完了。このステージを終えた時点での総合タイム差を4分15秒とした。

© Keita YAMAUCHI

また、ポガチャルは山岳賞争いでも首位に再浮上。レニー・マルティネス(バーレーン・ヴィクトリアス、フランス)と同点となっている。

翌23日に行われる第17ステージは、160.4kmの平坦コース。丘越えやミストラルといった要素も絡んで、スプリントに限らず逃げにもチャンスがあると見られている。

ツール・ド・フランス2025 第16ステージ 結果

1 ヴァランタン・パレパントル(スーダル・クイックステップ、フランス)4:03:19
2 ベン・ヒーリー(EFエデュケーション・イージーポスト、アイルランド)ST
3 サンティアゴ・ブイトラゴ(バーレーン・ヴィクトリアス、コロンビア)+0’04”
4 イラン・ファンウィルデル(スーダル・クイックステップ、ベルギー)+0’14”
5 タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ・XRG、スロベニア)+0’43”
6 ヨナス・ヴィンゲゴー(チーム ヴィスマ・リースアバイク、デンマーク)+0’45”
7 エンリク・マス(モビスター チーム、スペイン)+0’53”
8 ジュリアン・アラフィリップ(チューダー・プロサイクリングチーム、フランス)+1’17”
9 プリモシュ・ログリッチ(レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ、スロベニア)+1’51”
10 フロリアン・リポヴィッツ(レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ、ドイツ)+1’53”

個人総合成績

1 タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ・XRG、スロベニア)58:24:46
2 ヨナス・ヴィンゲゴー(チーム ヴィスマ・リースアバイク、デンマーク)+4’15”
3 フロリアン・リポヴィッツ(レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ、ドイツ)+9’03”
4 オスカー・オンリー(チーム ピクニック・ポストNL、イギリス)+11’04”
5 プリモシュ・ログリッチ(レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ、スロベニア)+11’42”
6 ケヴィン・ヴォークラン(アルケア・B&Bホテルズ、フランス)+13’20”
7 フェリックス・ガル(デカトロン・AG2Rラモンディアール チーム、オーストリア)+14’50”
8 トビアス・ヨハンネセン(ウノエックス・モビリティ、ノルウェー)+17’01”
9 ベン・ヒーリー(EFエデュケーション・イージーポスト、アイルランド)+17’52”
10 カルロス・ロドリゲス(イネオス・グレナディアーズ、スペイン)+20’45”

ポイント賞

ジョナタン・ミラン(リドル・トレック、イタリア)

山岳賞

タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ・XRG、スロベニア)

ヤングライダー賞

フロリアン・リポヴィッツ(レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ、ドイツ)

チーム総合成績

チーム ヴィスマ・リースアバイク

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PROFILE

福光俊介

福光俊介

サイクルジャーナリスト。サイクルロードレースの取材・執筆においては、ツール・ド・フランスをはじめ、本場ヨーロッパ、アジア、そして日本のレースまで網羅する稀有な存在。得意なのはレースレポートや戦評・分析。過去に育児情報誌の編集長を務めた経験から、「読み手に親切でいられるか」をテーマにライター活動を行う。国内プロチーム「キナンサイクリングチーム」メディアオフィサー。国際自転車ジャーナリスト協会会員。

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