
喜多川キャンピングベース/埼玉県|山とクラフトビール〜ブルワーを訪ねて、特急で!〜

オガサワラガク
- 2025年07月17日
下山後の一杯はどんな飲みものでもおいしい。
とくにシュワっとする、地元ならではのクラフトビールは格別です。
そんな特別なビールを作っているブルワーさんを訪ねて、そのおいしさ、魅力をちょっとだけ深く紹介します。
違う角度から素材を紡ぎ、新感覚のクラフトビールを生み出す
喜多川キャンピングベース 合田忠功さん(右)
カールヴァーン 木村栄さん(左)
今回は喜多川キャンピングベースとCARVAAN BREWERY(カールヴァーン ブルワリー)のコラボビールを紹介することに。ランドネやまさきさんからそのままキャンプ場にテントで一泊するのもどうかと提案されたが、愛猫ちゃんの体調が優れず日帰り取材にしてもらった。
カールヴァーン ブルワリー
埼玉県飯能市 大河原32番地1
取材前の恒例である町中華へ向かうことになったが、今回は取材先の喜多川キャンピングベースの合田さんも参加してくださり、とても楽しいお昼ごはんに。今回訪れた飯能の「友」さんはご高齢のご夫婦が切り盛りされていて、店内はずっと常連さんで満席状態。残念ながらいまは餃子は作っていないようだが、焼きそばやチャーハンがとてもおいしく大満足。合田さんはこれから〝取材する側〞の人たちがとなりでお酒を飲み始めることに怒ることはなく、昼からアルコールを摂取してご機嫌な私たちのことをニコニコと優しく見守ってくれていた。

CARVAAN BREWERYは世界中のスパイスや食材を輸入販売するFAR EAST(ファーイースト)が運営するブルワリーで、乳香やカカオニブなどめずらしい原料を使ったビールを数多く用意されているのが特徴だ。ブルワーの木村さんは「座標の端の一等星」を目指し、世界中のスパイスや食材を組み合わせた独創的なビールを追求。ビールのコンセプトを何枚ものシートにまとめ、言語化することでビールの味だけでなくストーリーも作り上げていくのがとても印象的であった。
今回のコラボビールは、合田さんがキャンプ場のオリジナルビールを作りたいと考えたことがきっかけ。キャンプ場のすぐ近くに広がる柚子畑の柚子を使うことに。飯能への愛と相互のリスペクトが形になった。
通常、ベルジャンホワイトにはコリアンダーとオレンジピールを使うが、このビールではオレンジピールの代わりに柚子の皮のみを使用。柑橘類の香りは皮のオイルに宿るが、ワタ部分は渋みの原因になる。そこでドライフードを扱うFAR EASTの技術を活かし、低温乾燥機でワタを取り皮のみを加工。これにより柚子の純粋な香りを抽出できた。果汁部分は自社レストランでハチミツと合わせ「飯能柚子ハニーエール」に活用。ムダを出さない姿勢もすばらしい。
ビールはひと口飲んだ瞬間、小麦の柔らかな口当たりと優しい甘みが広がり、柚子の鮮烈な香りが駆け抜ける。苦味や酸味は控えめで、香りがノドをスッと流れていく感覚。こんなに爽快で軽やかなビールは飲んだことがなく衝撃的であった。ビール好きはもちろん、ビールが苦手な人にも楽しめる味わいだ。
今後の展望についてたずねると、まずはこのビールを喜多川キャンピングベースの定番として根づかせることが目標だという。しかし合田さんの旺盛な好奇心と行動力、木村さんの探究心と創造性が交われば、さらなる独創的で魅力的なビールを生み出してくれることをビールファンとしてついつい期待してしまっている自分がいた。

取材を終えて喜多川キャンピングベースに移動し、合田さんのお話を聞きながら喜多川キャンピングベースオリジナル柚子ビールを飲み始めた瞬間雪が降り始めた。暖炉の火を眺めながら降り積もる雪を見つめる。「このまま泊まれたら最高だろうな」と思いつつ、雪中キャンプの厳しさを想像し日帰りにした自分の判断を密かに正当化する。寒さと温もり、自然とビール、そして合田さんと飯能。それらが絶妙に交わる忘れがたい時間だった。
ぜひ喜多川キャンピングベースにこのビールを飲みに来てほしい。合田さんの熱い話を聞きながら大自然のなかで飲むビールは格別で、それだけで飯能に来る価値は十分にある。また私も合田さんに会いに飯能に行こうと思った。
下山後の一杯は……
喜多川キャンピングベース オリジナル柚子ビール
500 円(税込)
スタイル:ベルジャンホワイト
アルコール度数:5.0%
サイズ:カップ1杯
柚子の皮だけを使っているため、苦味やえぐみがなく、すっきりとした味わい。柚子を丸呑みするような爽快感。喜多川キャンピングベースでしか飲めない幻のビール。
おすすめの山「高山不動尊」
「飯能は低山の宝庫なんです。キャンプ場から歩けるおすすめの山は、関東三大不動のひとつである高山不動尊です。ちょうどよく、ゆっくりと山歩きができます」と合田さん。古くから信仰を集めた不動堂や石仏が点在し、歴史の重みを感じることができる。景観の満足度も高い。
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